こんにちはLuck’oです

ここでは読んだ漫画のレビューをしていきます
今回ご紹介するのは「望郷戦士」です
望郷戦士は1990年頃に連載された作品で、原作は工藤かずや先生、作画は北崎拓先生となっています
まだ世間が活況なご時世に核戦争後の日本にタイムスリップするという結構攻めた内容となっていました
作品概要
舞台の始まりは1980年後半ですが、すぐに13年後の未来にタイムスリップしてしまいます
連載開始が1989年頃なので、2002年頃の日本ですね
熱核戦争で世界中が戦禍に見舞われ第二次世界大戦中を彷彿とさせるような生活レベルと、当時の最先端兵器との融合で物語に幅を持たせています
長野県で遭難してしまった主人公たちは徒歩で東京に戻る選択をしますが、その道中は山賊との度重なる戦いや時にはヘリや戦車とも戦う羽目に陥ります
これが大人だったら即乗り物を探すのでしょうが、全員中学生という設定がここで効いてきますね
乗れないから歩くしかないと
果たして東京は無事なのか?と展開に期待が湧いてきます
子供の行軍
先にも触れましたが主人公の陣達は中学生で迅の弟のきよしは9才です
ランは最初に出てきた時に迅が3才くらいと言っていたのでそのまま13を足せば16才ですが、乗り物どころか通常の教育すら受けていないまま戦闘の日々なので全員が乗り物に乗れません
辛うじて乗れそうな原チャリとかは出てこないし、時代的に自動車はミッション全盛期です
よって選択肢は歩くしかない
辛く長い旅路の始まりです
適材適所
唯一、主人公たちを助けたのは全員が持ち合わせたスキルです
迅の弟のきよしはミリタリーマニア、淳は食いしん坊で食べ物の知識が豊富にあり、俊介は頭が良く博学なので薬やその他の物事にも精通しています
ランは戦闘経験豊富で迅と不良の哲雄は戦闘要員です
完璧な一個小隊ですね(笑)
一行が戦闘や災難に見舞われながらも東京に向かって進んでいけたのは、この役割分担がしっかりしていたからではないでしょうか?
逞しいメンタル
突然長野県に放り出されて徒歩で東京に向かえるでしょうか?
まぁ普通は無理でしょうね
しかも主人公たちは中学生です
まず目を引くのが迅のメンターとしての役割です
決してグループの中ではリーダーというわけではないのですが、要所要所では意思決定を率先して行なっていきます
戦闘員として修羅場も多く乗り越えて行きますし、タイムスリップして一番覚醒してるのはやはり主人公の迅ではないかと思います
きよしは9才なので当然ホームシックはあるでしょうが兄といる為かあまりそういったシーンはありません
俊介はガリ勉でメンタルが弱く、一番現実を受け入れられず一時期は精神をやられかけていました
不良の哲雄はあまり学校や社会生活への未練はないのか、戦うことにも前向きで一番環境への適応が早かったのですが、戦局を見極める考えがなかったのが玉にきずでした
もう一人意外にタフだったのは淳ですね
彼はお腹さえ満たせれば問題ないかの如くいつも食べ物を物色している姿が目につきました
彼が一番サバイバル能力があるのかもしれません
異様に強い敵
お約束といえばそれまでですが、ちょっと武装した中学生には過ぎた敵たちがガンガン登場してきます
最初のフォグ族もどこで手に入れたのか、ナイトゴーグル標準装備ってかなり上等な敵だったと思います
なぜ迅たちは一個ぐらいナイトゴーグルを持って行かなかったのかちょっと不思議ですね
もったいない
エリノアは2メートル近い黒人系で筋肉質の女性です
お父さんバリバリの白人だったし幼少期は白かったけど、どこでクラスチェンジしたのでしょうか?
この人は途中で味方になってくれる頼もしい助っ人枠でした
ドクトル、ブーリバ、ビッグ・ガンの三人に至っては完全な軍隊組織ですからね
ドクトル以外は軍属経験や戦闘経験も豊富そうだし、とても通りすがりの中学生が戦っていい相手ではありませんね
しかも狙ってるのは原子力潜水艦ですから
ここから戦闘のスケールがやたら大きくなってきます
でも、ちゃんとした軍隊は最後の自衛軍ぐらいなもので銃や戦車などはどこから調達されているのかは不明なままでした
まとめ
彼らは誰かに戦わされているのではなく、自分の意思で銃を取りました
もちろんそうしないと生きていけなかったのは確かなのですが、平和が脆くも崩れ去り文明社会が滅んでしまっても人間は戦っていかなければいけないのかと残念に思ってしまいます
その中で多くの人が何かの希望に縋って生きていました
闘争本能、思想、支配、幻想、そして未来
最後に言ったランの言葉が全てを物語っていると思います
最後に立ちはだかるのが13才年上の同級生というのもなにか皮肉ですよね
軍事ものが好きな人はもちろんですが、人間ドラマが好きな人にもオススメです

Luck’o書庫では
全巻の簡単なあらすじを紹介していますよ
参考にして下さいね
コメント