オフサイド③ 16~29巻(塀内夏子/真人)【漫画レビュー】

オフサイド(16)漫画レビュー
Luck'o
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こんにちは Luck’oです

このコーナーは現蔵書2500冊以上、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが超有名作品から知る人ぞ知るニッチな作品まで読んだ漫画のレビューをします

今回ご紹介するのは「オフサイド」です

オフサイドは1980年代後半に連載された作品で、プロリーグがまだなかった時代にサッカーの最も花形だった高校サッカーを舞台にしています

技術や戦術的に深い内容ではありませんが、短い高校生活の中で苦楽を共にして成長していく姿は高校サッカーならではといえると思います


今回は3年生編(16~29巻)をレビューします

新たなる敵・蕪双高校

3年生の主役は何といっても蕪双高校と松浦・西崎のコンビでしょう

蕪双高校は元々埼玉の強豪校でしたが2年前に行った練習試合で相手選手が死亡し2年間の活動停止処分を受けていました


その元凶と言われていたのが松浦です

粗暴で素行が悪く傲慢だけどそれでいて芯が通っている

これが女性漫画家が作ったのかと驚くくらい男らしいキャラです(笑)

しかし、松浦のサッカーの才能は五郎に勝るとも劣らないものでその素行さえなければと惜しまれるものでした


相棒の西崎高身長で切れ目のリーゼントというこれまたイカしたキャラで松浦の悪友なんですが、こいつはメッチャいい奴です

何かとワリをくう津野の心配をしたり、八木と松浦の間を取り持とうとしたりワルぶってはいるんですが根は優しいんだと思います

試合でも最後まで走りますし


この蕪双高校の死亡事件の被害者の友人だった八木との確執が3年生編の核となっていきます

阿部の事件と五郎のリーダーシップ

3年生編で川崎を揺るがす事件が阿部の暴力沙汰事件です

阿部のサッカーでの活躍を面白く思わない不良仲間がヤ○ザまがいの先輩を連れてきて阿部をボコってしまいます

それが写真週刊誌にスクープされ助けた八木もろともインターハイ全国大会で出場停止処分を受けて大騒ぎになります


これに納得のいかない五郎は運営委員本部に出向き職員や堂島、沢渡を相手に堂々議論して渡り合うのがこの事件の最高潮

阿部の事を知りもしない人間が過去の素行で悪く言うのを聞き流せない五郎は自分の拳をテーブルに叩きつけ流れた血を見せながら力強く暴力の恐ろしさを説きます

そして阿部の言い分を全面的に受け入れている五郎に沢渡が言い逃れしているかもと投げかけると、「部員の言葉を一言一句信じる」と胸をはって言いきる姿は感動モノ

キャプテンとして自分が見てきた部員だからこそ信じられるという信頼なのでしょうが中々言えるものではありません


自分自身の責任も関係してきますからね、さすがです!五郎キャプテン

刮目の慶彦

1、2年生編では勝彦にお株を奪われた上に、テクニックはあるけどメンタルが足りない選手に落ち着いてしまった慶彦が3年生編でひと回り成長を遂げます


横浜南のキャプテンとなり、自分が入ってからは冬の選手権2年連続県予選の決勝敗退と完全に川崎の後塵を配する形になっている現実を受け入れての成長なのでしょうね


身体もひと回り大きくなり精悍さが増したのですが、残念だったのは最後までチームや自分の良さを信じられず消極的な戦法を取ったことでしたね

真逆の指導者・沢渡と堂島

3年生編になって初めてまともな指導者が出てきます(笑)

まあ、昔のサッカー漫画って監督ないがしろですからね


1人が成京高校の沢渡監督

現役時代はオールジャパン(日本代表かな?)の選手で、眼鏡にスーツのリーマン風スタイルの監督です

学校も近代トレーニングを取り入れていて最先端の環境で世界に通用する選手を育成するいわばユースのような恵まれた環境でした

練習試合でもドリブル禁止など制約を取り入れた中でのプレーをさせたり実践的に色々な事を行っていましたが、一番伸びたのはハングリー精神の塊だった的場だったのはちょっと皮肉な感じがしますね


もう1人は蕪双高校の堂島監督

こちらはメキシコ五輪のGKという輝かしい経歴は持っていますが、中身は昭和の根性オヤジです(笑)

だから蕪双をまとめあげ松浦と対等に渡り合えたんでしょうが、戦術らしきものはなく義理人情に篤いイメージしかありませんが・・

松浦と的場のハングリーさ

新キャラの松浦と的場はとにかくまあ気が強い

ここまで出てきた茅野や暮林などはサッカー選手としてのプライドから来る気の強さでしたが、この2人は野生動物のような飢えと殺気と負けん気をもったキャラクターでしたね

仲間の事をどうでもいいと思っている所とか(笑)

違うところは的場はサッカーでの成り上がりを目標としていて商品である自分の体は大事にしているのに対し、将来なんて何も考えていない松浦はケガも恐れぬラフプレーを平気で行う所でしょうか


対局の環境でありながら相通ずるものを持った2人は、選手権後の選抜合宿で当然のようにケンカしていました(同類嫌悪)

まとめ

主人公の高校3年間を描く学生サッカー漫画としては最高の作品だと思います


技術的な要素というのは今のサッカー漫画に比べると少なめです

ただ当時の高校生サッカーに賭ける情熱というのはプロに行くことよりも優先するぐらいの熱さがあったのでその雰囲気は十分に出ていて見応えがあります

多分、プロ編とか日本選抜編とかしても面白くなかったんだろうという気はしますね

仲間との高校サッカーだからいいんですよ


主人公の五郎もサッカー漫画では珍しく体格と才能に恵まれたプレイヤーですよね

ただ身長の割にポストプレーとかヘディングはしませんでした

前線は薬丸とシンゴいましたからね

優しい顔とケンカ上等なくらいの気の強さにギャップ萌えしますよ(笑)


プロのない時代なので大学進学、実業団、引退、海外挑戦などサッカーに限らない進路を選ぶ人が多い中だからこそ、サッカーに賭ける情熱というのが燃え上がる時代だったのかも知れません

都道府県や学校を背負うっていうのも今はこの頃に比べると希薄なのかな

静岡が神奈川に上から目線とかサッカーならではだなと微笑ましく思ってしまいます

阿部や八木のように決してサッカー優等生ではない人間の心情やドラマも丁寧に盛り込まれていますし、泣ける要素が多いのもオフサイドのいい所であります


一昔前の高校サッカー漫画ではありますが、今とはちょっと違った魅力があるので是非若い人にも読んで欲しい作品として書庫入れさせてもらいます


luck’o
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