夏目アラタの結婚【既刊あらすじ&レビュー】※一部ネタバレあり

夏目アラタの結婚(1)既刊あらすじ&レビュー
Luck'o
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こんにちは Luck’oです

このコーナーは現蔵書2500冊以上、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが超有名作品から知る人ぞ知るニッチな作品まで出し惜しみなく既刊のあらすじ紹介をします

既刊紹介は現時点で既刊が10巻未満の作品の簡単なあらすじとちょっとだけレビューをしていくコーナーです

ある程度のネタバレを含みますのでご了承ください

完結などで巻数が確定したら改めて書庫に入れる予定です

紹介

今回ご紹介するのは「夏目アラタの結婚」です

タイトル
 夏目アラタの結婚 
作者
 乃木坂太郎 
巻数
1~4巻(2020.12現在)
掲載誌
ビッグコミックスペリオール
ジャンル
ミステリー

あらすじ

第1巻

児童相談所に勤める夏目アラタは15年前は児相一の問題児であった

そんな彼も大人になり当時の感謝の気持ちもあって児相の配属を受け虐待などに怯える子供を助ける為に巡回を続けていた

ある日訪れたのは不登校の中学生・山下卓斗という少年の家

彼の父は2年前に発覚したバラバラ殺人事件の被害者であった

犯人は「品川ピエロ」と呼ばれるピエロの扮装をした女性・品川真珠20歳

太った容姿にガタガタの歯並びが印象的で一躍時の人となった

卓斗父親以外にも2人の男をバラバラにしており一審で死刑が言い渡されていた

その真珠に卓斗は内緒で手紙を書いていた

理由はまだ見つかっていない父の頭部の場所を聞き出す為だったが、使ったのは以前訪問した時に置いていったアラタの名刺だった

何度か文通を重ねた末に彼女はアラタに面会を求めてきた

驚きの事実を知らされたアラタが気になったのは、卓斗の目的が父親の頭部を聞き出す事から真珠と文通する事に切り替わっていた事だった

これ以上彼を闇に踏み込ませない為にアラタは真珠と面会する事を決める

東京拘置所でアラタの前に現れたのはほっそりとした華奢な女性

逮捕時にはかなり太っていた事からかなり面食らったアラタだが、微笑んだ彼女の唇の奥には品川ピエロを象徴するガタガタの歯が光っていた

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出たとこ勝負になったアラタを試すように送った手紙の内容で話を切り出してくる真珠

中学生のような文面に対して現れた大人の面会者が同一人物か明らかに試している様子であった

口先の言葉で濁そうとするアラタに興味を失いかける真珠

その空気を察したアラタは彼女の気を引く為に一枚の大きなカードを切る

「品川真珠~‼︎俺と、結婚しよーぜ‼︎」

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真珠との会話は駆け引きの連続であった

不用意な食いつきは避け、出来るだけ言葉を引きつけ彼女の真意を図って渾身の言葉を打ち込まないと見透かされる事がわかっていた

死刑判決を言い渡されている真珠が出所したら一緒に暮らせるかと聞かれると、心の中ではありえないをとわかりつつその言葉を快諾するアラタにニッコリ笑って真珠が言う

「じゃあ、出るね。」

その時アラタには鏡を割って飛び出してくる真珠が見えた

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真珠が結婚に同意してから弁護士の宮前と一緒に接見する機会を得る

宮前に見せる顔と自分に見せる顔の違いからバケの皮を剥がそうと試みるが、得られたのは底知れぬ真珠への恐怖でアラタはふとあることが気になってしまう

アラタが知る彼女の経歴ではロクな教育を受けていないはずなのに、彼女から受ける聡明さは一体何なのか?本当に彼女は品川真珠なのか?

彼女への疑問はつのる一方だがここが引き所と踏んだアラタは面会時に別れを切り出そうすると、彼女はアラタの言葉をはぐらかすようにとんでもない証言をし始める・・・


第2巻

真珠が手にかけた男の共通点を洗っていると意外な事がわかってきた

それは自分に似ていると言うこと

彼女が自分に固執する理由はもしかして・・・

その真意を探ろうと今度は情けない男のフリをして真珠に被害者との関係を迫ると子供に関するキーワードで彼女は異常とも取れる反応を見せた

同僚の桃はそこから揺さぶればと助言してくれるが、アラタはキッパリと断る

「悪いけどこれでも俺、児相の「魂」入ってるんでェ・・‼︎」

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その真珠が打ってきた次の一手は何と桃ちゃんへの接触

どこでフルネームや住所を得たのか桃ちゃんに直接手紙を送ってきた真珠は会いたいと言い出してきた

この事をアラタに内緒なまま宮前に相談して2人で接見すると最初こそ優しい口調だった真珠は、徐々に桃ちゃんの内面をさらけだすかのように激しく語りかけてくる

仕草を真似して言葉遣いを真似してまるで桃ちゃんになろうとする真珠に、彼女は恐怖を覚えながらも仕掛けてくる挑発をかわすことが出来ないまま真珠の沼にはまっていった

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真珠に要求された婚姻届を持ってこない事には埒が開かない状況となったアラタは、それをはぐらかしながら腹を決めて素で話してみよう試みる

人の本音に敏感な彼女ならそれを感じ取れると踏んでいたが、真珠は宿題と称してあることをアラタに問いかけてきた

まだ駆け引きばかりを続けようとする真珠に心中では落胆していた

それでも会話に合わせようと話題に上がった子供の話で思わず口を突いた本音に真珠までもが驚き固まってしまう

この本音が今後どう響くのか・・・?

第3巻

「24時間でどんなデートができるのか?」

真珠が出した宿題にヒントをくれたのは偶然にもいつも面会時に記帳をしている刑務官であった(本人は素性を隠してのアドバイスだったが)

更に真珠はアラタに協力している彼女の被害者の妹・周防沙菜と手紙の送り主である卓斗の存在までハッキリと認識していた

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これ以上周りに被害が及ぶのを危惧したアラタは真珠が指定したドレスコード・白のタキシードを着て面会に臨むと、彼女のお望み通りのお婚姻届をガラスの仕切りに叩きつける

勝ち誇った顔を想像していたアラタの目に映ったのは小さな笑顔で涙を流す真珠の姿だった

これで丸く収まるかと思いきやそうは行かないのが品川真珠という女性で、結婚という望み以外にアラタに対する希望はなく、ただただアラタの為に役に立ちたい、たとえそれが殺人であってもという認識のズレにはアラタも自分の読みの甘さを呪うしかなかった

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迎えた控訴審でいきなり法廷をどよめかせたのは真珠の容姿であった

だれもが逮捕時の見窄らしい姿を期待していたのに対し、彼女は白いワンピースで華奢な体を包み登場してきた

そして次のどよめきは姓名の問いかけ

「旧姓 品川・・先月結婚し、今は夏目です。」

その後は滞りなく進んだ裁判の最後に真珠はかねてより無罪の材料としていたストーカーの話をねじ込んで自身への心象を最大に良くしてみせた

今後の裁判にどのような影を落とすのであろうか・・

レビュー

仲睦まじい表紙とは違って未だ2人の間には分厚いガラス板が存在しています

学が無く辛抱強くもない割になかなかアラタは駆け引き上手です

常に心の中で目の前の事象に対し、最良の手を考えながら駆け引きを行う様はまるで名探偵のようです

札付きの児童相談員と連続バラバラ殺人事件の犯人との恋

どうやってこんなありえない組み合わせを考えたのか乃木坂先生の頭の中を知りたいくらいですね

しかもパッと見華奢で可愛いと言える容姿なのに、歯はガタガタで心は闇深いヒロインってあり得なさすぎて凄いですね

アラタとの距離感を保ちながら徐々に周囲の人間を取り込んでいく真珠の巧妙さは見ていて寒気すら覚えてしまいます

実際にいてもおかしくないようなタイプですよね

真珠とサシの勝負をしているアラタに対し、真珠は複数の人間を操りながら物事を進めています

ここまでは真珠の方が一歩有利な感じがします

アラタは真珠をクロだと感じているようですが、単純な殺人鬼ではなくまだ隠された素顔がありそうな気がします

この話の深さでまだ3巻というのはかなり驚きです

11/30に発売された4巻を含めてもまだ全然追いつける冊数です

むしろ個人的には一気読みをお勧めします!

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