
こんにちはLuck’oです
このコーナーは現蔵書3000冊弱、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが読んだ作品のあらすじ紹介とレビューをしていくブログです
ひねくれものですので超メジャー作を読んでなかったり、「?」な作品を紹介したりしますがそこはご容赦くださいませwww
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※ご注意
このコーナーは大なり小なりのネタバレを含みます
ご自身の判断で閲覧いただくようお願いします
TheWorkData
【作品名】 |
水曜日のシネマ |
【作者】 |
野原多央 |
【連載期間】 |
2018〜2019 |
【巻数】 |
全5巻 |
【掲載誌】 |
コミックDAYS |

Story&Review&Character
この作品はレンタルビデオ店でアルバイトをする主人公が冴えない店長に恋心を抱きながら彼との共通の話題として数々の名作映画に触れていく恋愛漫画です
主人公は進学を機に1人暮らしを始めた女子大生「藤田奈緒(ふじた なお・18)」
レンタルビデオ店でアルバイトを始めますが彼女は映画を全く知りませんでした(なぜその仕事にした?)
お客さんからの問い合わせに右往左往する毎日でしたが、アクション作品が好きな元ヤンママさん「米澤林子(よねざわ りんこ)」やアニメ好きのオタハーフ「滝ユウヤ(たき ゆうや・20)」に助けられながらバイトに精を出します
しか~し・・
店長の「奥田一平(おくだ いっぺい・42)」にはどうしても慣れる事が出来ません
まぁ親に近い年の冴えない中年との共通点なんてないですよね(笑)
更に映画の知識がないとくれば社員の立場から見ても戦力外かな~・・・って、奥田!あんたが採ったんだよね?

ある日奈緒が売り場で作業をしていると奥田とお客さんが映画の話で盛り上がっているのを見かけます
その時の奥田のイキイキした顔が印象に残った奈緒は奥田からお勧めの映画を教えてもらいます
「出来るだけ大きな画面で見て」
と言われますが自宅にはノートパソコンしかありません
申し訳なさそうにそれを伝えると、奥田は水曜日の閉店後に事務所のテレビでいつも映画を見ているからとその場所を提供してくれます
最初は画面に背中を向けて事務作業をしていた奥田でしたが、途中から奈緒の横で一緒に映画を見て最後には涙を流してしまいます
そんな奥田と映画に興味を持った奈緒は水曜日の鑑賞会に自分も参加したいと申し出ます
こうして「水曜日のシネマ」が始まっていきます
というのがスタートで基本はアルバイトの時間や日常を映画に絡めて簡単な映画紹介を含めて物語は進んで行きます
奈緒は最初敬遠気味だった奥田が目を輝かせて映画を語ったり一喜一憂する姿を見てもっと彼の事を知りたいと思うようになります
殆ど恋愛経験もなく大人しい奈緒でしたが、4人で映画を見に行った帰りに思い切って奥田に告白します
勿論いい返事であればそれに越したことはありませんが、奈緒が望んだのは奥田からの何かしらの「答え」でした
しかし彼が返したのは「その感情は間違っている」という「否定」の言葉でした
奥田ひどい!と思ったあなた!
24歳年下のこないだまで高校生だった女の子の告白をサクッと受け入れられますか⁉
そう!
奥田も受け入れる事が出来ず距離を置くしか出来なかったのです
彼も年の割にウブなんですよ・・そしてそれを諫める言葉を知らなかったんです

その後奥田は事情を知った林子から「大人が子供扱いしているうちは子供は大人になれない」とお叱りを受けます
お互い上手い落し所がわからない年の差男女は一旦「友達」になる事で関係を落ち着かせます
奈緒「友達なら映画誘っても良いですよね?」
・・・こうなると女子の方が強いですね(笑)
奥田は大学生時代映画監督を目指しており、コンクールで入選まで漕ぎ付けたのですが当時のカメラマン「上原真奈美(うえはら まなみ)」の怪我を境に夢は頓挫します
奥田は真奈美を絶妙なカメラ技術を持つパートナーとしてだけでなく1人の女性としても大切に思っていました
しかし真奈美は奥田の想いに応えず彼が夢を追えるよう姿を消してしまいます
大学卒業後、フリーターをしながら作品作りに励んでいましたが年を重ねると共に仲間は現実を選択し奥田は夢の途上で取り残されてしまい夢だけが燻ってしまいます
だから後ろ向きな奥田が奈緒の想いに応えられる訳がありません
でも奈緒と触れ合い映画の話を繰り返す内に奥田の気持ちにも変化が訪れます
ここから順風に進むかと思われた2人の恋でしたが、奥田が会議で会社に伝えられたのは「閉店」の2文字でした

いちばん大人な筈の奥田ですが、四十にして惑いまくったり恋に臆病だったり会社には怒られて怪我もして終始踏んだり蹴ったりな感じですね(笑)
それに対して奈緒はずっとまっすぐに奥田の事を見ていて、拒まれても凹んでも挫けませんでした
これが40代と10代の違いでしょうか⁉
作中で恋愛をモチーフにして奈緒にとっては「未来」で奥田や林子にとっては「過去」という言葉がありました
奥田はその過去に囚われたまま大好きな映画にすがって生きている大多数の大人達そのものな気がします(耳が痛い!)
こんな不器用なオジサンと純粋な若者の恋を名作映画になぞらえながら読める作品となっています

作中で紹介される映画
「レオン」
「E.T.」
「シザー・ハンズ」
「雨に唄えば」
「最強のふたり」
「リング」
「ラヂオの時間」
「百円の恋」
「インターステラー」
「マスク」
「恋愛小説家」
「プロジェクトA」
「舐める女」
「リベリオン」

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