こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです
このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます
完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください
あとネタバレも含みますので注意してくださいね
今回ご紹介するのは森本大輔「カテナチオ」です
この作品は表紙買い・・というよりは「タイトル買い」です
みなさん知ってますか?「カテナチオ」って?
1970~80年代にイタリア代表で採用されたディフェンスのシステムを指します
懐かしいですね~・・・え?知らない?(汗)
要は攻撃時もDFの4枚は上がらずに自陣ゴールを固めるガチガチの守備戦術なんですが・・・今コレ??と思って買っちゃいました(笑)
作品概要
【作品名】 |
カテナチオ |
【作者】 |
森本大輔 |
【連載期間】 |
2022〜 |
【巻数】 |
既刊4巻 (2023.12現在) |
【掲載誌】 |
週刊ヤングジャンプ |
【ジャンル】 |
サッカー |
1巻を読む!
主人公は愛知県の高校・東條高校の3年生「嵐木八咫郎(あらき やたろう)」
サッカーが好きな人なら「あ~日本代表のエンブレムの八咫烏から取ったんだ」とか歴史が好きな人なら「日本神話から取ったんだ~」とか思いますけど、十分DQNネームですよね(笑)
絶対イジメられるよ、この子・・
そんな八咫郎は一言で言うとイカれてます(汗)
英語で言うと「クレイジー」
子供の頃にみたヨーロッパサッカーに魅せられた八咫郎はその後の人生をサッカーに「全振り」します
全振りって言うとサッカーの練習ばかりしているように聞こえますが、来るヨーロッパでの活躍を見据え語学勉強やトレンドのサッカーを見て研究する事にも余念がありません
学校の事は学校の中で終わらせ後は全部の時間をサッカーに使う・・・ね!クレイジー(笑)
サッカーは11人で行い結果を目指すスポーツです
必然八咫郎の周りへの要求は大きくなって行きます
中途半端なプレーをしたDFをケチョンケチョンにこき下ろします
その結果、勝つ事しか考えていない八咫郎は監督の逆鱗に触れてしまい県大会の決勝戦を本来のトップ下ではなくDFとして出場します
しかも対戦相手するのは強豪・彩海学園の中心選手「榊原見鳥(さかきばら みどり)」
「高校生にしてA代表に選出」「イングランドの名門と契約」という名実共に日本トップクラスの才能です
対する八咫郎はストイックさだけが売りの凡人プレイヤー・・終わりましたね(チーン)
それでも八咫郎は榊原に食らいつきます
泥臭く付きまとい自由なプレーをさせず、最悪ファウルも厭わないプレーで身体を張ります
監督やチームメイトはドン引きです
でもスタンドで唯一彼のプレーを評価した人物がいました
男の名は「シルヴィオ・テスタ」
イタリア1部リーグ「FCオリヴェーロ」チーフスカウト
勝ちにこだわるプレーはアマチュアではなくプロ向きだと評価します
目標に貪欲ながらサッカーの才能は凡人レベルの八咫郎の第二章はディデンスの国「イタリア」で紡がれる事になりました
というのが導入です
いいですね~八咫郎のキャラ
正々堂々とやって負けるくらいなら汚い手を尽くし泥臭く戦って勝つ!
日本人にはあまりいないメンタリティを有しています
これだけ聞くと汚いプレイヤーに見えますが、「手を尽くす」という部分には情報戦略やスカウティングも含まれています
相手の動きがわかっていれば打つ手があるのがディフェンスです
世界最高峰の称号を得るまで八咫郎は心折れず戦えるのでしょうか?
でもヴェネツィアに降り立った八咫郎に監督の「ミロ・ジャンパルモ」が掛けた言葉は「帰れ!」
・・・八咫郎終了のお知らせ(チーン)
そりゃあそうですよね~
イタリア一部の監督が戦力として日本の地区大会レベルの高校生を紹介されたら・・キレますよね(笑)
禿同です!
すぃか~し!八咫郎はご丁寧に渡してもらった帰りの航空券を破り捨てます!
この子好きかも(笑)
その結果、試験として若手の左SB「ラファエロ・アマーティー」と1オン1をする事になります
ありがちな入門試験ですが八咫郎はやってくれるでしょう!
この作品の中で一番注目すべきは「ダリアちゃん」ですね
最初はシルヴィオの部下的な立ち位置で登場しますが、彼女の唯一無二の特徴は「サッカーを知らない!」
知らないフリした解説要求要員かと思いきや、めんどくさがりでやる気のなさが目をひくんですよね~(誉め言葉)
八咫郎と付き合ってラブコメ展開希望(ありえないけど)
正直プレーにスピード感はないし絵柄が個性的過ぎて万人受けはしないと思いますが、崖っぷちでサッカーに拘る選手やドライな感覚で選手を見る監督やスカウトなどのチーム関係者との関係性などはリアルドキュメントとして面白いと思います
なので八咫郎にはしっかり足掻いて欲しいですね!
2巻を読む!
では入団試験の続きからです
単純に比較するとラファの方が数段実力が上です
八咫郎の勝利条件は10本勝負で3本とる事・・・舐められてますが実力上それも簡単ではありません
ここで八咫郎が持つ能力が明らかになりました
身体能力とサッカーセンスは並(チーン)
でも情報処理能力やそれをベースにした予測力、そして一番の武器はどんな事でも出来る「執念」です
要するに精神論しかない・・・という事でしたが、それを評価したシルヴィオが劣勢の八咫郎にアドバイスしてくれます
「楽をするな」
最大限集中力を高めてディフェンスしていた八咫郎はその意味が分かりません
でも対戦を重ねるごとに気付き始めます
それは「1発でボールを取ろうとしてた」事
何回トライしても失敗してもいいんです
「最終的に」ボールが取れれば・・・
八咫郎は日本人には珍しく結果論に立った方が明らかに実力上のものを発揮できる人種です
駆引きやテクニックはあくまで「経過」
ゴールを奪われなければ何をしてもOKという理論で物を考えられるタイプです
ゴールラインをボールが割ったか否か・・ただそれだけの究極の結果論、それがフットボールの本質なんですね
刺さるわぁ~
この勝負で八咫郎は2人目の理解者を獲得します
「グレゴリオ・デ・コラート」
「元イタリア代表」「超ワールドクラスCB」「欧州年間ベストイレブン2回」「W杯優勝1回」「イタリア1部リーグ優勝6回」「欧州クラブカップ優勝1回」
八咫郎が求めてやまない欧州の頂点を経験した人間です
この時点でそこまで評価されていると八咫郎も思っていませんが、敵ばかりのイタリアで少しでも評価してくれる人物ができたのは僥倖ですよね
ここからはU-19チームに所属してストーリーが進行します
ギニア出身の右SB「モモ・トラオレ」から聞かされた謎の話が同世代の神童「ブルーノ・マルキ」以外「育成年代から誰もトップ昇格していない」という事実でした
まずはその壁を突破しないと八咫郎にトッププロとしての道が開けません
昇格の絶対条件である「U-23との試合に勝った上で活躍する」事を達成できるのか?
シルヴィオが作った昇格システムが八咫郎に立ちはだかります!
3巻を読む!
序盤こそガチで10年後の自分語りするアブナイ奴でしたが、サッカーの才能が凡才な分八咫郎は頭を使って状況を上手く整理出来る人物である事がわかって来ました
間違っても「ボールは友達」とか言いません(笑)
という訳で昇格システムについておさらいしましょう
・U-19のリーグ戦で連勝すればU-23に挑戦できる
・U-23に勝利し試合中に活躍すればトップチーム昇格の可能性がある
・U-23との試合は2-0からスタートする
この条件にも関わらず直近ではブルーノ以外昇格していません
そこで八咫郎は単純な2択を想定します
①U-23がとんでもなく強い
②U-19がとんでもなく弱い
・・・まぁそうですよね・・
正直八咫郎の肌感ではイタリアとは言え下部組織の技術レベルは日本以下でしたが、4人だけ特別な実力を感じる選手がいました
・バルナバ・ダッダーリオ
DF 走力が格段に高い 走りながら笑う気持ち悪い奴
・ノアハ・デ・クヴァイ
FW オランダ人 とにかくボールコントロールが上手い
・ナザリオ・ランフランキ
怪我明けだがU-19で一番のテクニシャン 性格悪い
・モモ・トラオレ
DF 運動量に長けたSB トラップが絶妙に上手い
にもかかわらずU-19が勝てないのはなぜか?
答えは試合時間が過ぎる毎に如実になります
昇格の条件は「勝つ」事と「活躍」する事・・・これはイコールではありません
DFが2点のアドバンテージを必死に守り切って勝ってもFWにはなんのメリットもないのです
要するに「熱量」の違いがゲームコントロールを難しくしていきます
現にブルーノ昇格以降U-19は得点を挙げていませんでした
この状況で頑張るFWはいませんよね
U-23にしてもさっさと2点取れば失点のリスクはなく勝負は決まってしまいます
結果、U-19は早い段階で試合を諦め次のチャンスに目を向けるからいつまでもU-23に勝てない
こんな状況で後半早々に投入された八咫郎は孤軍奮闘します・・が、低いモチベーションの先には味方の足を引っ張る悪循環が潜んでいました
自分が怪我の間にU-19が勝つのが面白くないナザリオはバルナバと共謀して八咫郎を罠に嵌めようとします
実際八咫郎は窮地に立たされますがそんな状況は百も承知です
そこでどう活路を拓くか考え始めました・・・
ここまでコケにされると変人主人公でも応援したくなりますよね(失礼)
凡人だからこそ逆風上等なスタンスがカッコ良く感じてきました
八咫郎はこの状況をどう打開するのか楽しみです!
4巻を読む!
八咫郎の努力をあざ笑うナザリオとバルナバ
さぁ!ここから八咫郎の反撃だ!!
「イエロー2枚で退場」(チーン)
なにいいいいぃぃぃぃ!!!????
八咫郎はナザリオやバルナバの反チームプレーなんか目に入っていませんでした
「どうすれば試合の相手に勝てるか?」
それしかありません
そう!彼はクレイジーなくらいストイックサッカーマンなんです
清々しい!
そんな八咫郎に「負けるのが怖い小物」と言われたバルナバの心中は穏やかではありません
でもそれくらい波風を立てないとこのチームのぬるま湯体質は変わりません
ここから八咫郎はチームを変えて行けるのか??
悩む主人公に新キャラ投入です
八咫郎が住むホテル・リーベルの管理人「ベネデッタ」
ここに住むには彼女の許可が必要なのですが、なぜ若い女性がホテルでここまでの権限を持っているのかは謎です
唯一言えるのは彼女が何よりも大切にしているのは「人脈」
相手の領域に踏み込む人間関係は何よりも強いと語る彼女の言葉に触発された八咫郎は「U-19寮」へ引っ越しナザリオとの直接対決に臨みます
・・・え?じゃあベネデッタイベント結局スルー??
そんな八咫郎の声に反応したのは意外にも無気力プレーに徹していたノアハでした
彼もこのぬるま湯に嫌気がおり八咫郎に協力を求めます
ノアハ曰く敵はナザリオ・・・・ではなくバルナバ??
そして次の対戦相手は4位のUSサリーサU-19(オリヴェーロは12位)
FW「テオドーロ・コッコ」
MF「レオニダ・ミローネ」
GK「ベンヴェヌート・サンタマリア」
という主力が登場します
まず目立ったのはGKのベンヴェヌート
「GKはサッカー選手の最高峰」と自負し公言し吹聴し言いまくるキャラです(ウザ)
でも口だけでなく守備範囲はペナルティエリアの外までと広く足元のフィールドプレイヤーより上手い厄介なキ○ガイです
グレゴリオの肝いりでスタメン出場した八咫郎に活躍の場は訪れるのか?というか訪れて!!
もう勝つ事しか考えていない八咫郎が一周回って主人公に見えてきました(主人公だよ!)
八咫郎の未知だからこその鈍感さは、イタリアサッカーを知り尽くしたU-19勢の臆病さを克服出来るのでしょうか?
5巻に続く!
試し読みはこちらから↓↓
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