こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです
このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます
完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください
あとネタバレも含みますので注意してくださいね
今回ご紹介するのは野原多央「水曜日のシネマ」です
この作品は以前ご紹介していましたが、「なんくるなんない!」を読んだので一緒にまとめ直します
元々野原先生は「水曜日のシネマ」を知っていての「なんくるなんない!」なので外す訳にはいきません!・・・が、まったく違うジャンルなのでちょっとビックリです
作品概要
【作品名】 |
水曜日のシネマ |
【作者】 |
野原多央 |
【連載期間】 |
2018〜2019 |
【巻数】 |
全5巻 |
【掲載誌】 |
コミックDAYS |
作品紹介
■ジャンル
この作品のジャンルは「恋愛」です
一時期流行った(?)若い女性とおじさんの年の差恋愛に、物語のベースになるレンタルビデオ店を上手く利用して往年から近年までの映画を紹介しています
やはり年の差をつなぐにはクッションになるアイテムや話題が必要ですよね(ウンウン)
■メインキャラクター
「藤田奈緒(ふじた なお)」
18歳、進学を機に1人暮らしを始めた女子大生、レンタルビデオ店でアルバイトを始めますが彼女は映画を全く知らない
「奥田一平(おくだ いっぺい)」
42歳、レンタルビデオ店の店長で映画好き以外はただの冴えない中年
「米澤林子(よねざわ りんこ)」
アクション作品が好きな元ヤンママさん、奥田とも友人関係で仲が良い
「滝ユウヤ(たき ゆうや)」
20歳、アニメ好きのオタハーフ
■あらすじ
レンタルビデオ店でアルバイトをしながら映画の知識が全くない奈緒は店長の奥田にお勧めの映画を聞いて見ようとします
「出来るだけ大きい画面で」と言われても奈緒が持っているのはノートパソコンのみ・・
申し訳なさそうにそれを伝えると、奥田は水曜日の閉店後に事務所のテレビでいつも映画を見ているからとその場所を提供してくれます
最初は画面に背中を向けて事務作業をしていた奥田でしたが、途中から奈緒の横で一緒に映画を見て最後には涙を流してしまいます
そんな奥田と映画に興味を持った奈緒は水曜日の鑑賞会に自分も参加したいと申し出ます
こうして「水曜日のシネマ」が始まっていきます
レンタルビデオ店での日常業務や閉店後の上映会、時には店を飛び出し映画館のスクリーンを通して奈緒は多くの名作映画と出会います
映画を通して奥田という人物を知った奈緒はほのかな恋愛感情を抱いて行きますが、映画に夢を見ながらも現実を良く知る奥田は彼女を受け入れてはくれませんでした・・・
■友達からスタート
普通20歳以上年下の女性から告白されたらオジサンって舞い上がりそうなものですが、奥田は「その感情は間違っている」と奈緒を否定します
下手したらお父さんと同い年かも知れませんね(笑)
奈緒にとっても初めて本気で向き合って恋愛なのでショックを受けながらも簡単には引き下がれません
距離を置こうとした奥田に林子は「大人が子供扱いしているうちは子供は大人になれない」とお説教してくれます
この辺の周りの力は有難いですよね
というわけで絵に描いたような「友達からお願いします」ですが18歳と42歳って友達になれるの?(笑)
■奥田の現実
奥田は大学生時代映画監督を目指しており、コンクールで入選まで漕ぎ付けたのですが当時のカメラマン「上原真奈美(うえはら まなみ)」の怪我を境に夢は頓挫します
奥田は真奈美を絶妙なカメラ技術を持つパートナーとしてだけでなく1人の女性としても大切に思っていました
しかし真奈美は奥田の想いに応えず彼が夢を追えるよう姿を消してしまいます
大学卒業後、フリーターをしながら作品作りに励んでいましたが年を重ねると共に仲間は現実を選択し奥田は夢の途上で取り残されてしまい夢だけが燻ってしまいます
だから後ろ向きな奥田が奈緒の想いに応えられる訳がありません
でも奈緒と触れ合い映画の話を繰り返す内に奥田の気持ちにも変化が訪れます
ここから順風に進むかと思われた2人の恋でしたが、奥田が会議で会社に伝えられたのは「閉店」の2文字でした
■取り上げられる映画
「ニュー・シネマ・パラダイス」
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」
「レオン」
「E.T.」
「フォレスト・ガンプ」
「バタフライ・エフェクト」
「シザー・ハンズ」
「(500)日のサマー」
「雨に唄えば」
「最強のふたり」
「リング」
「パフューム ある人殺しの物語」
「ラヂオの時間」
「博士と彼女のセオリー」
「百円の恋」
「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
「インターステラー」
「きっと、うまくいく」
「ラブ・アクチュアリー」
「マスク」
「恋愛小説家」
「プロジェクトA」
「舐める女」
「リベリオン」
知ってる映画はいくつあるかな?
いちばん大人な筈の奥田ですが、四十にして惑いまくったり恋に臆病だったり会社には怒られて怪我もして終始踏んだり蹴ったりな感じですね(笑)
それに対して奈緒はずっとまっすぐに奥田の事を見ていて、拒まれても凹んでも挫けませんでした
これが40代と10代の違いでしょうか⁉
作中で恋愛をモチーフにして奈緒にとっては「未来」で奥田や林子にとっては「過去」という言葉がありました
奥田はその過去に囚われたまま大好きな映画にすがって生きている大多数の大人達そのものな気がします(耳が痛い!)
こんな不器用なオジサンと純粋な若者の恋を名作映画になぞらえながら読める作品となっています
これにて「水曜日のシネマ」読了です!
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