こんにちはLuck’oです
このコーナーは現蔵書3000冊弱、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが読んだ作品のあらすじ紹介とレビューをしていくブログです
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ご自身の判断で閲覧いただくようお願いします
こんにちは!Luck’oです
フォロー要員の蔵シカです
今回は紫堂恭子先生の「辺境警備」を紹介します
素直に知らない
だろうね
ジャンル的には少女漫画なんだけどストーリーはしっかりとしたファンタジー世界での日常を描いた作品です
綺麗なキャラクターと人間の欲や醜さを描くアンバランスさに引き込まれる事間違いなしです
ほー。タイトルも少女漫画とは思えないけど
では作品紹介行ってみましょう
おなしゃす
TheWorkData
【作品名】 |
辺境警備 |
【作者】 |
紫堂恭子 |
【連載期間】 |
1988〜1992 |
【巻数】 |
全6巻 |
【掲載誌】 |
プチフラワー |
Story&Review&Character
舞台はルウムという大国の西「西(ルーマ)カール」の辺境に主人公の「サウル・カダフ」隊長が赴任する所から始まります
隊長は無類の女好きが高じて将軍の奥さんに手を出して実質飛ばされました(主人公⁉)
国境警備とは名ばかりで平和な田舎暮らしは刺激的な都会とは真逆の生活で体調も毒気が抜け・・る訳もなくいちいちいらんことをしてしまい怒られます(笑)
部下は見た目同じのモブ兵隊達で普段は粉屋や牛飼いなど別の仕事を営んでいます
そしてもう1人の主人公が就任3年目の神官「ジュニアス・ローサイ」です
美形で銀の長髪が映える彼は田舎の神殿には似つかわしくない人物ですが、肉親がおらず天涯孤独の身で中々に苦労して育った人物でした
そんな不真面目な隊長と真面目な神官による日常の掛け合いや、辺境での精霊の活動などを交えて物語は進んで行きます
飲む打つ買うと三拍子揃った素晴らしい主人公だね
本当に少女漫画なんだよね・・
普段はもっさいヒゲのスケベおじさんなんだけど人間としての深みがあって素性を話さない神官さんにあえてその事を聞かなかったり、真面目過ぎて人に嫌われる監査官の良さを見抜いて「そのままでいい」と言ったり大人的な魅力がある人物なんだよね
神官さんも真面目なんだけど酒好きで時にはお約束で騒動に巻き込まれたり隊長と出会った事でより人間味が増していきます
ヒューマンドラマの要素もあるんだね
その他田舎ならではの精霊話とか伝承なんかも出てきてファンタジー要素もしっかりしています
ちょっと興味湧いて来た
辺境での日常は至って平和に過ぎて行きます
そこに色々な人物が現れて物語を彩ります
元部下の「アーヴィン・クレデンス」は隊長の過去を赤裸々に語り神官さんを女と間違えて激怒させます
商人の「ゴンザロ」は娘を利用して商売拡大を目論む小悪党ですが、その娘のせいで体長はトラブルに巻き込まれてしまいます
監査官の「フィルナス・ハイドランド」は堅物すぎるが故に牧歌的な辺境の部隊に頭を悩ませます
元恋人の「シルフィン」が辺境までやって来た時は隊長(だけ)は大騒ぎでした
その他お金が好きな悪霊(エヴィルスピリッツ)や銀炎馬(セライファクス)と呼ばれる神聖な獣などファンタジーならではのキャラクターも多く登場します
隊長が神官さんを引き連れて大都市レナンディに遊びに行った時に出会った「カイル」は黒呪術師と呼ばれ呪いなどを専門に行っているいわば神官さんの天敵でした
神官さんは危ない呪術など止めるよう説得しますが、そんな神官さんをカイルは脅し半分におちょくり痛い目に逢います
なんと神官さんは彼の呪術道具を一切合切鍵付きの箱に詰めて神殿に帰ってしまいます
いつの世も大人しい人を怒らせると怖いんです(笑)
カイルにも呪術師を続けるなりの理由があったのですが、神官さんがそんな事に耳を傾けてくれる訳もなくいつも平行線の言い合いになります
結局カイルはしばらく辺境の村で暮らす羽目になってしまいます
後日出会った神聖獣神殿の神学生「エリアン」との出会いは、神殿の闇をさらけ出し彼とも悲しい別れを迎えてしまいます
しかし魂の声を聞くカイルによって末期の言葉を交わす機会を得られたのは僥倖でした
隊長は兵隊でそれなりの経験もあるようだけどバトルは一切ナシでただただ女の尻を追い回しています
控えめに言ってクズだな・・
軽薄で遊び好きは事実だけど人間関係の距離感や大人の配慮など実は神官さんが持ってないスキルを色々と有してるんだよね
ところで
はい?
何で名前あるのに「隊長」と「神官さん」なの?
作中でそう呼ばれてるからつい(笑)途中から登場するカイルはここまで出てこなかった悪い系のキャラなんだけど、尊敬する祖父がしていた黒呪術師という仕事に誇りを持っているだけの根は良い奴なんだよね
1人くらいひねた人も必要だよね
物語の後半は神官さんの過去を含めて大きく動き始めます
まずは神官さんに王都に戻るよう辞令が発令されます
神官さんは元々王都では5歳で因数分解を理解する天才児として将来を嘱望されていたのですが「ある事件」をきっかけに心を病み辺境へとやって来ました
神官さんの後任としてやって来たのは大剣を携えた黒ずくめの大男でした
名前を名乗らない為兵隊さん達が「背高(せいたか)さん」と名付けました
そりゃあ・・背が高いからです(安直)
実は彼は神官さんの育ての親で世界を旅している時に、辺境の神官選びが難航しているのを見過ごせず引き受けたという経緯でした(ひどい話だ)
村を出たがっていたカイルを道案内に王都に赴任した神官さんは持ち前の才能を発揮してすぐ神官仲間から一目置かれるようになります
神官さんは元々大神官に仕えた2人の弟子の1人でした
それが能力を裏付けると同時に妬みの理由にもなってしまいます
神官さんの過去の事件に関わる男「ヘリウス・ヴォルク」はカイルの存在を密告し、神官さんの立場は窮地に追いやられます
元来神官と黒呪術師は交わってはいけない存在なのですが、立場よりカイルという人間を庇い神官さんは牢に幽閉されてしまいます
神官さんは自分でヴォルクとの決着を付けようと牢を抜け出しますが、これが相手の思う壺でした
背高さんに仕事を任せ王都に来ていた隊長とカイルは神官さんを助ける為に街を奔走します
ここまでののほほんとした辺境生活と打って変わって緊迫した展開に変わっていきます
同じ漫画とは思えないな
作者もボケれずに辛いと申してました
あんたが考えたんだろうが!
後半の4~6巻は王都でのトラブルに巻き込まれる形で神官さんの過去が明らかになっていきます
背高さんの素性もまだわからないしね
ではラストまで一気に駆け抜けましょう
おなしゃす
神官さんが関わっていた「事件」の発端となったのは友人「アルフリード」の家庭の問題でした
貴族の跡継ぎになる事を定められたアルフリードは来るべき未来を受け入れつつ神官さんとの学びの日々を楽しく過ごしていました
しかし父の容体が急変し家督を継ぐ為に神官を辞めてしまいます
アルフリードの義母に当たる「ギヴリン」は自分への風当たりが強くなるとヴォルクを雇いアルフリードを亡き者にしようと画策します
その上、ギヴリンを捨てた元婚約者が神官さんの父親「アベル」だとわかりドロドロは絶頂へと達して行きます
元々ギヴリンとアベルは親が決めた婚約関係でした
しかし父が神官さんの母「エルウィング」を見初めて結婚した事から捨てられる結果となりました
結局アルフリードはヴォルクに殺されギヴリンは自害
ヴォルクは都を追放となり傷心の神官さんは生涯独身の誓いを立て辺境へと赴きます
これが「事件」の概要でした
そして再び過去に囚われそうになった神官さんを助けてくれたのはカイルと隊長でした
隊長とヴォルクは過去に傭兵部隊で上司と部下の関係だった事も明らかになります
こうして5年前から引きずっていた「事件」は解決を見ます
・・・ん?じゃあ背高さんは?
実は彼はルウム初代皇帝「エルディア救世王」でした
彼は魔剣の呪いにかかり死ねない身体になりながら1000年の時を生きてきました
そして彼の娘「エルウィング」も呪いの犠牲者となってしまいます
・・・そう、神官さんと背高さんは血縁関係だったのです
復活歴1000年の今年
背高さんは呪いの終焉を予見して姿を消してしまいます
そして後任には大神官の座を辞した神官さんがやってきました
それと入れ替わるように隊長は情勢不安定な周辺国家との調整役として戦場に赴きます
でも神官さんと兵隊さんは信じています
また辺境のこの地で約束の再会が果たされると・・
というのが物語の大筋です。親子の絆や過去との因縁、そして男女の愛憎など複数の伏線が張り巡らされた緊迫感あるストーリーでしたね
なんか背高さんの立場が切ない
そう・・泣ける要素も多分にあるんだよね、神官さんとアルフリードの関係とか・・イヴリンも決して悪者ではないんだけどね
脇役に回った隊長とカイルの活躍も見逃せないね
こんな感じで美麗なキャラクターとは裏腹に濃厚なドラマを見せてくれるファンタジー作品を紹介しました
気になったら是非・・自分で探してくださいね
何で最後はいつも投げるんだよ!
ではまた次の作品でお会いしましょう
バイバーイ
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