こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです
このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます
完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください
あとネタバレも含みますので注意してくださいね
今回ご紹介するのはうめ「東京トイボクシーズ」です
思い返すと当ブログの記念すべき第1稿はこの作品でした
あれから幾多の改変(迷走ともいう)を繰り返して今の「読む!」シリーズに至るのですがその間にこの作品も5巻で完結してしまいました
これまでご紹介した作品も出来る限り「読む!」シリーズに移行しようと思っているのですが、それならこの作品を避けて通る訳には行きません
・・・いや、避けてないけどね・・
当時も市民権を得ているとは言い難い「eスポーツ」をテーマに物語は進んで行きます
5年前と比べてeスポーツの地位って向上したんですかね??
作品概要
【作品名】 |
東京トイボクシーズ |
【作者】 |
うめ (小沢高広・妹尾朝子) |
【連載期間】 |
2019〜2023 |
【巻数】 |
全5巻 |
【掲載誌】 |
月刊コミックバンチ |
作品紹介
■ジャンル
「東京トイボックス」「大東京トイボックス」がゲーム制作現場の話だったのに対し、この作品は「eスポーツ」がテーマになっています
対戦格闘ゲームがベースなっていてシリーズお馴染みの「サムライキッチン」を題材にストーリーが進んで行く辺りは「トイボックス」を感じますが、大枠で同じ世界の話と言うだけで殆ど前作関連のものは出て来ませんね
・・そこは残念・・・
■メインキャラクター
「安曇野蓮(あずみの れん)」
元プロゲーマーだが「国籍を偽ったアカウント」で活動していたとしてチームを追放される
現在は富山立山連峰にある「旧たてやま旅館」に半ば居座る形で住んでいる
「リ ソヨン」
蓮の唯一の友達で理解者、その割にゲームには疎くて下手
「神崎真代(かんざき ましろ)」
進学科でも余裕で合格できる学力を持ちながらなぜか滑り込みでeスポーツ科に入った人物
その背景にはゲーム嫌いな父親を持つ複雑な家庭環境が関係している
「窪ノ内千花(くぼのうち ちか)」
東京にある進学校「白郷学園(はくごうがくえん)」の若き理事長
「日本初の全日制eスポーツ科」を立ち上げる
「仙水伊鶴(せんすい いづる)」
ソリダスワークス理事にして日本エンタテインメント総合研究所所長
千花の活動をブレーンとして支えている
■蓮と真代
物語の核となるのはこの2人の関係性です
蓮はかつて韓国のプロチーム「パンドラ」のメンバー「TOMCAT」として活躍していました
しかし諸事情でチームを追い出されてしまいます
その後はじっちゃんと過ごした立山で生活するのですがこの「じっちゃん」・・苗字は「神崎」
実は真代の「祖父」なんです
見事なミスリードに引っかかってしまいます(笑)
真代の祖父は旅館経営の傍ら金を賭けて将棋を打つ「賭博師」でした
実力はあれど稼ぐのはある意味汚い金です
それを嫌った真代の父は親と縁を切り一人前の医者になりますが「ゲームは子供に悪影響をもたらす」という考えに振り切って行きます
でも真代はその呪縛を振り切って「eスポーツ」の世界に足を踏み入れます
なかなか因果なものですね
そしてもう一つ大きなミスリードが・・・蓮は「女」ってとこです
狙ってくせ毛太マユにしてきたな・・・
■サムキチ甲子園
そんな繋がりを知る事無く知り合った蓮と真代はソヨンを加えたチームで「サムライキッチンXtakeout」をベースにした「サムキチ甲子園」にエントリーします
露骨にレベル差があるチームでしたがその成長を支えたのはコーチに就任した「楠木大作(くすのき だいさく)」
チャラい見た目と派手なタトゥーを備えた元プロゲーマーで右手に古傷を抱えフルパワーでのプレイは出来ませんがそれでも蓮と同等の実力者です
しかも年を重ねた分口撃や挑発も上手い(笑)
まずは直接対決で蓮の鼻っ柱をへし折り(最終的には僅差の勝利)彼女に「教えてくださいにゃん」という屈辱的コメントさせようとします(実際は「次は勝つにゃん(怒)」)に代わる
■ライバル枠
サムキチ甲子園に向けてライバルキャラも登場
完全通信制の「ミライミライ高校」のリーダー「環イズミ(たまき いずみ)」
子役時代のキャラの影響で「娘にしたくない子役№1」という不名誉にもかがやいた人物(汗)
その後よくある鳴かず飛ばずって奴で得意のゲームで再起を狙います
でも実力と熱意と執念は本物です
後半では蓮の韓国プロ時代のチームメイトで現欧州強豪ストレンジアに所属する「BJ」が登場
実力は言うまでもなく蓮がプロになるきっかけを作ったある意味「師匠」のような存在でもあるのでゲームだけでなくメンタル面も蓮を揺さぶります
■嫌な大人達
ゲームに人生を賭ける青年たちに立ちはだかるのはもちろん頭の固い大人達です(ドーン)
まずは真代の父親
彼は医者でゲームが人に悪影響を及ぼすという主張をしている急先鋒です
これにちなんだ講演会も精力的に行っています
・・・要するに一番の天敵ですね・・・
しかも他人に自分の人生を邪魔される事を特に嫌がる王様タイプで、妻である母も彼の顔色を伺いながら生活しています
外では良い顔しながら「誰のお陰で生活出来てると思ってるんだ!」とか家族に言うクソオヤジです
次はイズミを後押しするのは広告代理店アドリアエージェンシーの「亜桜(あざくら)」
大会の映像全般を仕切る人物でイズミのシンデレラストーリー「ありき」で事を進めようとします
内容より物語重視なテレビ的人物ですね
法務部調査課のエース「御厨調子(みくりや てふこ)」を使い謎めいた蓮の過去を調べ上げます
その事実を持って白郷学園とミライミライ高校の決勝戦を前に揺さぶりをかけてきました
もちろん条件は蓮が元闇プロという情報を出さない代わりにミライミライ高校に負ける事
・・・大人って汚いですね
最後はNWオンライン編集長の「磯貝時夫(いそがい ときお)」
一生懸命頑張っている人をゴシップのエサにする事を生業にしている人物です
彼らには確固たる主張や矜持はありません
面白く燃えて売れれはいいんです
一番嫌な大人ですがトイボックスシリーズにはなくてはならない敵ですね
■ラスボスは真代?
前半は白郷学園とサムキチ甲子園を舞台に団体戦
後半はプロ資格取得を目指しライセンス取得大会「プロ威式」を舞台に個人戦です
しかも真代は親との確執で家出してしまいバイト生活しながら最下層からプロを目指して行きます
優等生お坊ちゃん→親の目をくらます女装→社会に出てワイルド風と一作品で三回おいしいキャラに成長しました
蓮はプロ候補生なので本戦から出場ですが、真代はライセンスのポイントが0からスタートしたので都合16戦勝たないとプロになれません
でも順調に本選まで勝ち進み3回戦で蓮と対決します
本来テンションMAXの再会なのに萎縮したのは蓮の方でした
結局蓮は試合に敗れ「敗者復活戦」の沼から這い上がって行きます
そして決勝は再び真代vs蓮!!
楽しむ事が目的のゲームなのに色々な人の人生模様が乗っかって異様に重く深く感じてしまいます
それがトイボックスシリーズの醍醐味かも知れませんね
正直言うとスタジオG3の面々が登場するのを期待していましたが、物語はもう新しい世代のステージに進んでいるのだと思うと嬉しいような残念なようなですね(汗)
そんな中いつの世も絶えない醜い大人たちのエッセンスがよく効いていました
どこかの週刊誌を見ているようです(笑)
ちょっと5巻が予定調和なのかわかりませんが今後もゲーム業界を色々な角度から描いて行って欲しいですね
これにて「東京トイボクシーズ」読了です!
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