第25回　藤松盟「姉の親友、私の恋人。」を読む！

このブログではいい年した漫画好き（汗）のボクが、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのは藤松盟「姉の親友、私の恋人。」です

この作品もいつも通り（？）ナタリーの試し読みで知った気がしますね
タイトルや表紙をみても百合系なのはわかりましたが、主人公が深い悩みを抱えているせいか思ったより暗めの展開でした
先日発売した第４巻で無事完結しましたが、さて結末は？

作品概要

【作品名】

姉の親友、私の恋人。

【作者】

藤松盟

【連載期間】

2021〜2023

【巻数】

全４巻

【掲載誌】

コミック電撃だいおうじ

【ジャンル】

百合

作品紹介

１巻を読む！

主人公は「咲河聖奈（さきかわ　せな）」
仕事は小説家のようですが現在お休み中の模様・・
彼女は両親がネグレストの為、親代わりとなって育ててくれた姉・「優奈（ゆうな）」に溺愛していました
・・・いや、実は姉妹愛以上の感情を持っていましたがそれが何か聖奈にもわかっていませんでした
しかし聖奈の想いとは裏腹に優奈は外の世界で新たな友人を連れてきました



それが「馬宮菊（まみや　きく）」という女性
中々古風な名前ですが普通に今風に美人です
姉を取られた喪失感のせいでこの頃から聖奈は優奈との距離を置こうとし始めます
でも精神的な距離だけでなく、優奈は仕事の関係で海外に行ってしまい聖奈は抜け殻のような日々を過ごしていました



引き籠り、仕事無し（休み）、孤独とネガティブなスパイラルしかありませんがここから物語は始まって行きます
聖奈を心配した優奈は菊に彼女の様子を見に行ってくれるよう頼みます
そして事ある毎に聖奈の前に現れますが、正直聖奈はこの菊という女性が苦手でした
姉の親友というだけなくポジティブで明るく、ちゃんとした社会人で聖奈とは正反対の人物だからです・・・うん！苦手だろうね(笑)



聖奈の心は未だ優奈を求めています
しかし突然の姉からの電話が聖奈をどん底の更に底へと叩き落とします

「あたし帰ったら結婚するんだ」

ぴええええええぇぇぇぇぇえぇえええん！！！（泣）



落ち込む聖奈にそっと寄り添う菊
そのモチベーションの正体は・・・「恋」です！
実は聖奈の事が前から気になっていた菊は、優奈の頼みを口実に少しずつ聖奈の事を知ろうと試みます
感情的になりがちな聖奈に対し常に理性的に応対し観察を繰り返します

努力の甲斐あって少～し（本当に少し）心の扉を開いてくれた聖奈の変化を菊は逃がしません！（キラーン）
仕事の取材を口実に連れ出すと菊は聖奈に「好きだ」と告白します
答えは「YES」
・・でも額面通りの関係が成立した訳ではありません
もちろん菊もそれはわかっています



だからその後の積極的にコミュニケーションを取ろうと努力します
そして今の彼女を塞がせている「優奈」との和解も切に願っています
こんな「姉の親友、私の恋人。」は聖奈にどんな変化をもたらすのでしょうか？



とにかく聖奈が頑なにネガティブですね～
それに対して菊は聖奈が好きでありながら打算なく彼女と正対していきます
なんたって菊は優奈の親友でもありますから！
早く菊の気持ちが通じて欲しいな～と思わずにはいられません

２巻を読む！

まずは菊の取材出張に連れていかれた聖奈は、編集の「野守ゆりあ（のもり　ゆりあ）」と知り合います
ゆりあは聖奈と同い年ですが、かわいい系でタイプが違います
聖奈の小説をリアルタイムで読んでいて好印象でお近づきになれました
このままいい関係を築いて前向きな刺激を貰えればいいのですが・・・
２巻ではゆりあ絡みはこれだけでした



ここからが本題です
「姉帰国！」
さてどんな人物なのか？？
結論から言うと黒髪ロングの明るい美人です
・・・というかこの漫画美人しか出て来ないけどね(笑)そういや男も出て来ませんね～



姉妹だけあって「明るい聖奈」とも言えますが、聖奈の保護者をして独り立ちしている分やはりしっかりしています
性格は活発そうな雰囲気で自分がこうしたいと思う事はトライする積極性もあります
その到達点が彼女なりの「家族作り」なんです

実は優奈と菊は親友である前に付き合っていた時期がありました
でもこれは「家族」という枠組みに「親友」を巻き込んだだけの茶番に終わります
親がいない環境で頑張りながら彼女なりの家族の在り方を模索していて、今回の結婚もそのひとつのようです



この辺りから優奈と聖奈は家族としての歩幅が合わなくなってきました
優奈は外の世界に家族を求め、聖奈は２人だけの家族に閉じこもろうとします
今回久しぶりに会って長年のわだかまりが解けた訳ではありませんが、そういう変化を受け入れて行こうという気持ちに少しはなったみたいです
やっぱり向かい合って話すのは大事ですね～
仲良くしてね！



その原因となったのはやはり菊でしたが、これからはもっと菊にも心を開いてくれるんでしょうか？

３巻を読む！

さぁ邪魔者もいなくなり（失礼）ここからは２人で愛を育むか？？
ジャンル的に「百合」としましたが、恋愛感情よりも手前の段階のマイルド百合ですね(笑)
菊は聖奈が好きでもっとガツガツ行きたそうなんですが、聖奈にまだそこまでの感情が芽生えていません
「恋人」という縛りが唯一の拠り所ですが、親友手前ぐらいの状態でどんな恋人関係を作って行けるのか楽しみでもあります



今回はどちらかと言うと聖奈寄りの展開ですね
まずは前回友達になったゆりあとスイーツビュッフェへお出かけです
そういうのはちゃんと付き合うんだな、聖奈・・・いや！甘い物目当てか！
何にせよ同世代の友達が出来たのは良い事ですね～



次に小説と向かいあう為、編集者の「丸川里実（まるかわ　さとみ）」と連絡を取ります
もちろん年上美人です！
・・・本当にこの漫画綺麗な女性以外出て来ないな・・
小説のメディア化、続編、エッセイなど新しい仕事をスタートさせますが、まだ聖奈の中に書きたいものが湧いてきません
でもゆりあや丸川と話しているうちに外からの刺激を多くもらうようになっているのは良い事です

そして肝心の菊とは船の遊覧デートやゲーセンデートなどを重ね一応順調です(笑)
ちょっと自立し始めた聖奈を見て菊は喜び半分寂しさ半分ってとこですね
ただでさえ引きこもりだった子だからわかる気がする・・・
ようやく名前で呼び合うようになり敬語も止めた分親密度は上がった気がしますが、このまま一気に距離感縮めていけるんでしょうか？？

４巻を読む！（完結）

最終巻です！
なんだろう・・・ゆりあのキャラがグイグイ来て彼女の印象しかない(笑)
あ！最後はハッピーエンドです（オイッ！）



ここまでの展開で違うエンディングは想像出来なかったし、そんなに波乱がある話じゃないので聖奈が自分の心にどう折り合いを付けるかのエピソードに終始しました
それを大きく助けてくれたのがゆりあでしたね
同年代ってだけでこんなにも一気に仲良くなれるものなんですかね～
この人当たりの良さが羨ましい・・



一見いい大人なのに「ゆりあはね～」という自分呼びキャラなので好みが分かれそうですが、主体性に欠ける聖奈には最高の話し相手だなと思いました
自分大好きですからね(笑)
しかも聖奈と菊の関係を知っても見守ってくれる人の良さも感じましたね
最後に一気に好きになりました
最初チョイ役だったカフェのオーナー「真瀬（まなせ）」や丸川など聖奈よりもおねーさんなキャラ達が上手く脇を固めてくれるのも良かったですね



序盤は鬱マンガなのかと思うぐらい聖奈のトーンが低くて心配しましたが、姉と和解し社会へ復帰、そして菊というパートナーを得て４巻はかなり明るい表情が見られました
・・・辛うじてキスしてくれたから百合漫画としても面目躍如です(笑)
でもその後も初々しい聖奈が好き！



これにて「姉の親友、私の恋人。」読了です！