四月は君の嘘 全11巻(新川直司)【漫画あらすじ紹介&レビュー】

四月は君の嘘01 恋愛
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湖面をたゆたう漫画好き・ラッコです

このブログは漫画好きの私が好きな漫画家や漫画作品を中心にあらすじや登場キャラクターを通した作品の魅力を紹介していきます

完全なる独断と偏見と趣味性であることをご了承の上、閲覧してください

※ご注意
このコーナーは大なり小なりのネタバレを含みます
ご自身の判断で閲覧いただくようお願いします

今回紹介するのは高校女子サッカーをテーマにした作品四月は君の嘘です

作品概要は以下の通り

TheWorkData

【作品名】
 四月は君の嘘 
【作者】
新川直司
【巻数】
 全11巻 
【連載期間】
 2011〜2015 
【掲載誌】
月刊少年マガジン
【ジャンル】
音楽、恋愛

今回は全11巻なので1~5巻、6~11巻の2回に分けて紹介していきます

それでは行ってみましょう!

四月は君の嘘(その1)1~5巻

■「元」神童ピアニスト

この作品の主人公は「有馬公生(ありま こうせい・14歳)」

かつて天才ピアニストとしてジュニアレベルの大会を総なめにしてきた人物でした

・・・そう、「かつて」

そんな過去の栄光もなかった事のように普通の中学生として生活を送る公生でしたが、彼を縛り付ける「呪縛」が無くなった訳ではありません



ではなぜ彼はピアノから離れてしまったのでしょうか?

その理由は「母親」にありました

彼の母は公生をピアニストにする為、それはそれは厳しい訓練を課していました

体罰も厭わず、幼い息子を何時間も毎日毎日ピアノに縛り付けた結果・・・精密機械のように一糸乱れぬ演奏でコンクールの賞を独占しました

母は自分が病に侵されても、車椅子でも、酸素吸入をしていても厳しい指導を止めませんでした



公生も健気に母の言いつけを守り続けていましたが、あるコンクールで母の為に弾いた曲が「感情的」だと叱責を受けさすがに我慢出来なくなってしまいます

心無い言葉を母に浴びせた直後、母は帰らぬ人となり公生は心理的なトラウマで演奏中に音が聞こえなくなってしまいました



日常生活に支障はないので学校生活に問題はありません

そんな公生の過去を知る幼馴染で親友の「渡亮太(わたり りょうた)」「澤部椿(さわべ つばき)」はいつも暖かく寄り添ってくれます

亮太はサッカー部部長でイケメンとモテ男要素満載のスポーツマンで、椿はソフト部の主砲を務め彼女のホームランボールは高確率で音楽室にいる公生の頭を捉えます(危険)

母の死以来世界がモノクロに包まれた公生でしたが、良太と椿のお陰で人並の学生生活を送っていました

それが一変したのはある「女性」に出会ってからです

■色彩のヴァイオリニスト

椿の友人で亮太に興味があるという同級生「宮園かをり(みやぞの かをり)」の登場で公生の世界に色彩が戻って来ます

自由奔放で無邪気、そして美人なかをりと公生を結んだのは「音楽」でした

彼女はヴァイオリニストでしたがその演奏は性格同様自由過ぎる為、コンクールの規格から外れまくっていました

そのかをりは自分が出るコンクールの伴奏に公生を指名します



もちろん彼の答えは「No!!!!!!!!!!」

それでもまたピアノを弾いて欲しい椿とロックオンしたら逃さないかをりのしつこさに根負けして伴奏を引き受けます

・・・・しかし序盤こそ順調な滑り出しでしたがやはり「呪縛」が発動してしまいます

音符が消え音が聞こえなくなりついに公生は伴奏をやめてしまいます

これでコンクールは失格です・・・が、かをりは演奏を再開します

それはコンクールの為ではなく自分の為、そして聞いてくれる観客に自分の演奏を焼き付ける為です

その勇ましい背中に引っ張られるように公生も伴奏を再開し2年振りのステージは幕を閉じます



一体「宮園かをり」という人物は何者なのでしょうか?

ハツラツとしたシーンと裏腹に見える虚弱さや大量の薬は何を意味するのでしょうか?



ともかく止まっていた公生の時間は動き始めます

かをりのコンクールを台無しにしたお詫びに彼女が要求したのは「公生がコンクールに出る事」でした

■神童再び

この情報を聞きつけ動いたのはかつてのライバル達でした

公生の後塵を拝し続けて来た「相座武士(あいざ たけし)」は海外からの招待を蹴って公生の出るコンクールに参加します

彼は精密マシンのような公生をライバルとして追いかけ続け、彼が姿を消した2年間も研鑽を続けていました

もう1人天才ピアニスト「井川絵見(いがわ えみ)」は公生のピアノデビューがきっかけでピアノを始めた人物です

彼女はマシンのような公生ではなく一度だけ見た素の公生のピアノを聞きたくて彼を追っていました



しかし「呪縛」の鎖は公生を離しません

武士を興奮させる精密な演奏は長く続かず音が消えるとまた演奏は止まってしまいます

顔を伏せる公生の耳に響いたのはかをりの「声」

彼の目に映ったのはあるヴァイオリニストの背中でした

「彼女の為に弾こう」

再び動き出した指が奏でたのはマシンではなく血が通った「有馬公生の音」



コンクールは失敗に終わりましたが観客を感動させた音は次の扉を開きます

母の友人でプロピアニストの「瀬戸紘子(せと ひろこ)」に教えを請い、かをりと一緒にガラコンサート(記念公演的なもの)への出場が決まります



ピアニストとしての復活と同時に公生の中に芽生えたのはかをりへの「恋心」

でも彼女は亮太が好きな筈・・

そして椿も姉弟のようなものだと思っていた公生への感情が違うものだと感じ始めます

複雑に絡み合った五線譜と恋の行きつく先はどこなのでしょうか?

その2へと続きます

四月は君の嘘(その2)6~11巻

さあ物語は後半へと入って行きます

■不測の事態

早速公生とかをりはガラコンサートの題目でもめます

かをりが選んだのはクライスラー作「愛の悲しみ」

公生はこの楽曲のピアノ版を母の指導で散々練習してきました

そう、この曲は母を思い出させるんです

だから拒否ってるのにかをりは全く聞いてくれません



渋々曲を受け入れた公生でしたが、ガラコンサートの当日・・・かをりが現れません(チーン)

演奏の順番が迫った公生は腹をくくります

何と伴奏である公生がピアノソロとして演奏を始めます

最初こそ技術に特化した陳腐な演奏でしたが、この曲を母親に贈ろうとイメージした途端感情のこもった素晴らしい演奏へと変化します



実は非情とも言える母のスパルタ教育は、自分が死んだ後に公生がちゃんとピアノで生活して生きて行けるよう願いを込めたものだったのです

その事を知らない公生でしたが音楽を通じて母からの自立の一歩を踏み出します

■カウントダウン

で、そんな公生をほったらかしてかをりは何をしていたのか?

実は自宅で足の自由がきかなくなり転んだ拍子に怪我をして入院していました

彼女の病室を訪れた公生はある情景を思い出しました・・・

そう・・母の最期を・・・



かをりの現状を思い悶々とする公生でしたが、学校では進路指導が始まり自分の将来と向き合わなければならなくなります

彼の決断は「家を出て音楽専門の高校に進学する」でしたが、それを聞いた椿の心は揺れ動きます

そして紘子のファンを称し弟子入りを申し出て来た音楽の名門中学・胡桃ヶ丘中学1年「藍里凪(あいざと なぎ)」

紘子は何故か公生に彼女を指導するよう命じて来ました

凪を指導する傍らでかをりの事が気になって仕方ない公生はある行動にでて周囲を驚かせます

胡桃ヶ丘中学で行われる「くる学祭」に凪の伴奏として出場した公生は、渡の携帯を介して「ある女性」に自分の音楽を届けようとします

しかし・・届いたのは「ある女性」だけではありませんでした・・・

何と凪は相座武士の妹だったのです(ドーン)

「藍里」改め「相座凪」によって公生・武士・絵見の同世代闘争も盛り上がって行きます

■東日本ピアノコンクール・・そして・・

色々な思いを抱えながら公生は12月に開催される「東日本ピアノコンクール予選」に臨みます

公生に影響され更にレベルアップした武士、絵見と共に本戦に駒を進めた公生は、初めてかをりへの気持ちと向き合い「好き」だという感情に辿り着きます

・・・が、それと同時に彼を待ち受けていたのはかをりの生命の危機でした



集中治療室を出たかをりと語り合った時間・・

それすらも重圧に感じたまま迎えた2月18日

東日本ピアノコンクール本戦とかをりの手術の日・・

とてもピアノを弾ける状態ではない公生を現実に戻してくれたのは椿の特徴的な「くしゃみ」でした

多くの人の支えがあって今ここにいる奇跡を噛みしめながら公生は真摯にピアノへと向かい合います

自分に関わってくれた全ての人に感謝を込めて・・自分に色彩をくれた彼女に届くように・・



そして後日、彼女の両親から届いた手紙・・

ほどなくしてやって来た彼女のいない春・・



さあ気になった君!!

この漫画を読んで感動しろ!笑え!そして泣け!!

「尾田栄一郎絶賛!聞こえる音楽!(帯より)」

そんな事どうでもいい!!

11歳で母を失った中学生には重すぎる出会いと別れの物語が号泣以外の結末に辿り着けません!!

孤独の海に喘ぐ彼の手を繋いで離さない渡と椿の関係性も素敵だし、公生の母・「早希(さき)」の思いを紡ぐ紘子の想いにも泣ける!

後半の6巻の間、かをりは病室から出る事はありませんでした

その間に公生は自分と向き合い音楽と向き合いかをりへの想いを重ねて成長して行きます

この姿がまた一層涙を誘います

これはハッピーエンドでいいのでしょうか?

公生は見事ピアノ奏者として復活し、かをりは自身の想いを遂げ、椿も公生への気持ちを正しく受けとめ、渡はフラれます・・

うん!ハッピーエンドだ(笑)

でもせつなさがどうしても残ってしまいます

この気持ちは読者が大事にして今後の人生に持ち越していくものなのでしょうか?

だとしたら新川先生!恐ろしすぎます!鬼です!

でもそれ以上にありがとうございます!!

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