勇気あるものより散れ(相田裕)【漫画あらすじ紹介&レビュー】

勇気あるものより散れ03 歴史・時代劇
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こんにちはLuck’oです

このコーナーは現蔵書3000冊弱、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが読んだ作品のあらすじ紹介とレビューをしていくブログです

ひねくれものですので超メジャー作を読んでなかったり、「?」な作品を紹介したりしますがそこはご容赦くださいませwww

カテゴリは大きく分けて「連載中」「完結」「クラシック(主に2000年より前)」に分かれます
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※ご注意
このコーナーは大なり小なりのネタバレを含みます
ご自身の判断で閲覧いただくようお願いします

TheWorkData

【作品名】
 勇気あるものより散れ 
【作者】
相田裕
【連載期間】
 2021〜 
【巻数】
1〜3巻
(2022.12現在)
【掲載誌】
ヤングアニマル

Story&Review&Character

この作品は死に場所を求めて明治に生きる武士の主人公が不死の身体を持つ少女と出会った事で未曾有の世界に身を投じ数々の戦いに巻き込まれていく歴史浪漫バトル(ちょっとラブコメ?)物語です



舞台は明治7年(1874)東京府から始まります

主人公の「鬼生田九郎次郎春安(おにうだ くろうじろう はるやす)」は元会津藩士の武士ですが、父は鶴ヶ城の籠城戦で戦士、母と妹は自害し天涯孤独の身となっています

彼自身も戊辰戦争で薩摩や長州と戦い、会津藩降伏後は箱館(函館)で新政府軍を相手取って戦列に身を委ねましたが生き永らえた事で死に場所を求めるようになりました



死にぞこないを称する彼は旗本・千羽家の長女「千羽菖蒲(せんば あやめ)」と協力して内務卿「大久保利通(おおくぼ としみち)」暗殺を死に場所に選びます

しかし決行の際、内務卿の馬車から飛び出してきた女学生風の女性「九皐シノ(きゅうこう しの)」と出会う事で春安の人生は数奇な戦いへと巻き込まれていきます



なぜシノは内務卿の馬車にいたのか?

それはシノの「血」にまつわる秘密が関係していました

彼女は「化野民(あだしののたみ)」の母と人の間に生まれた子「半隠る化野民(はたかくるあだしののたみ)」という一族なのです

化野民とは何百年も昔に山村の飢えた村民が神々の住むと言われる化野(あだしの)という土地を目指し、化野へ至った村人たちは飢えから解放され不死者となったのです



要するにシノは「不死」の一族なのです

化野民は徳川の時代から政府と盟約を結んでおりその存在を保護してもらう代わりに時の為政者を守る役目を担っていました

いわば死なない盾ですね

これがシノと春安が鉢合わせた理由です

更に化野民はその血を活性化させると髪が銀色になる特徴があり、彼らの血を飲んだ者は「眷属」になり高い身体能力を手に入れます

しかし主人となる化野民と一蓮托生になりその生を保つために定期的に彼らの血を飲まなければならなくなります



で話を戻すと春安は暗殺の襲撃で致命傷を負ってしまいます

元々死に場所を求めていた春安に取って願ったりの展開でしたが、なんとシノは自分の血を春安に分け与えます

こうして春安はシノの眷属になりますが、シノには春安の力を借りてどうしても達成したい事がありました

それは「母親を殺す」というとんでもない目的でした



シノの母「九皐三千歳(きゅうこう みちとせ)」は化野民として数百年生きる人物で、彼女を利用しようとした時の為政者に死なない中心を増やす為に、化野民を管理する「懸想方」と交わり続けた結果精神異常を来してしまいます



そんな母を不憫に思ったシノは母の望まぬ生を終わらせてあげたいと思うようになりますが、シノには11人の姉弟がおり彼らがそれを許すはずがありませんでした

内なるものを秘めつつも決行に移せなかったシノでしたが、春安と剣を交え彼となら悲願を成就出来るのではないかと思い眷属の契りを果たしました

春安も最初こそ不可思議な事情を受け入れられませんでしたが、シノを主と仰ぎ宿願への協力をすることで新たな生きる目的を手に入れます



ではどうやって不死の一族を殺すのか?

この疑問はシノが解決してくれます

時の為政者は化野民へのカードとして不死殺しの妖刀「殺生石」という剣がありました

これは鳥羽上皇に寵愛された「玉藻前(たまものまえ)」(正体は強大な妖狐)が2人の弓の名手に討伐され、亡骸が近づく生物を死に至らしめる毒石となったのを利用して刀として打ち鍛えたものでした



シノは殺生石を手に入れて母の生を終わらせてあげようとしていたのです

当然兄弟には内緒での決行ですが、特に兄弟のリーダーである兄「九皐隗(きゅうこう かい)」に知られては元も子もありません

シノは眷属となった春安、家が懸想方だと知りシノに協力を申し出た菖蒲、菖蒲の父「千羽助左衛門(せんば すけざえもん)」の同僚だった元幕臣「葉狩市之丞(はかり いちのじょう)」と一緒に「皇城(旧江戸城)」にあるという殺生石を探しに行きます



懸想方の後継である「図書掛」「山之内有礼(やまのうち ありのり)」を出し抜いたまでは良かったのですが何と隗と彼の眷属「伊庭八郎秀穎(いば はちろう ひでさと)」の横槍が入ってしまいます



ようやく殺生石「華陽」を手に入れたシノ達は隗に立ちはだかられ窮地に立たされます

殺生石には2つの側面があり不死の化野民に治らない傷をつけられますが、その代償として殺生石を使役した人間は魂を吸い取られ命が無くなるまで敵を斬り続けるという使うにはリスキーなものなのです

それを承知で殺生石を使った春安は隗に一矢報いて脱出に成功しますが精神ダメージはやはり大でした



山之内も大々的なシノ包囲網を築きますが、春安の同郷で陸軍幼年学校学生の「笈川鉄馬(おいかわ てつま)」が自分の命と引き換えに華陽を抜き包囲を突破します

この結果、山之内は三千歳の身柄を拘束し手出しが容易ではなくなってしまいます



華陽の傷が治らない隗も兄弟の「煙花(えんか)」「生松(いくまつ)」を呼び寄せシノ討伐に動きます

特に生松とその眷属「鵜飼菊滋(うがい きくじ)」の剣術はシノ&春安の実力を上回っており簡単に振り切れる相手ではありませんでした



こうして政府と兄妹を敵に回しながら厳重に警備された母を見つけなければならなくなりました

果たしてシノの悲願は達成されるのでしょうか?

その為にはこれからも殺生石を握りギリギリの戦いを切り抜けなければいけません

タイトルはそういった場面を意味しているのでしょうか・・

今後の展開が気になりますね

luck’o
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