【クラシック】第16回 塀内夏子「オフサイド」を読む!

オフサイド01 スポーツ
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのは塀内夏子「オフサイドです

まだプロが無い時代はサッカーと言えば「高校サッカー」でした
そんな十代の情熱全てをぶつけ合う高校サッカーの熱さと、人間ドラマを描き切ったマガジンを代表するサッカー漫画ですね
僕もリアタイで読んでいましたし大好きな作品です
この後塀内先生は「Jドリームシリーズ」などでマガジンの一時代を築きますが、高橋陽一先生同様サッカーよくわからんから入ってここまでの作品を描き切るってやはりプロって凄いなと思わされます

作品概要

【作品名】
 オフサイド 
【作者】
塀内夏子
【連載期間】
 1987〜1992 
【巻数】
全29巻
【掲載誌】
週刊少年マガジン

作品紹介

ジャンル

主人公・熊谷五郎の高校3年間を描いた「高校サッカー」漫画です
この時代のサッカーは社会人より海外サッカーよりワールドカップより「高校サッカー」の時代でした(マジで)
同じ時代のサッカー漫画を見ても殆ど高校サッカーが舞台となっています
例外は「中学サッカー」「キャプテン翼」くらいですよね(笑)

そこにちょっと複雑な「人間ドラマ」を加えたまさに「青春」が詰まった一作です

メインキャラクター

「熊谷五郎(くまがや ごろう)」
白百合中→私立川崎高校、GK、身長と体格に恵まれた大型プレイヤー

「伊藤渚(いとう なぎさ)」
白百合中→私立川崎高校、五郎の幼なじみ

「薬丸英樹(やくまる ひでき)」
南波中→私立川崎高校、FW、根っからのストライカー」

「佐藤真悟(さとう しんご)」
南波中→私立川崎高校、FW、ウイングで薬丸のパートナー

【1年生編】

挫折からのスタート

主人公の五郎は中学時代から万年弱小チームには慣れっこのGKでした
でもそれなりに学力はあったので進学校でサッカー強豪校「横浜南高校」に進学しようとしていました
しかし作者の悪戯(?)で受験当日幼馴染の渚が交通事故にあったのを庇って試験が受けられず滑り止めの「私立川崎高校」に進学します



私立川崎サッカー部は元横浜南サッカー部の「織田和仁(おだ かずひと)」で持っているある意味同好会みたいな部活でした(チーン)
実力的には土手を挟んだ横浜南の5軍にも勝てないレベルです



そこに身体的に優れた五郎と俊足ストライカーの薬丸、万能ウインガー佐藤が加わり神奈川サッカーへの下剋上がスタートします

強豪ひしめく神奈川予選

初のインターハイ予選では「0度センタリング」島原の瀬谷二高、「南海の虎」黒崎が守る茅ケ崎商工といった強豪校を倒して決勝は土手を挟んだ因縁の相手・横浜南!

エース「茅野鷹志(かやの たかし)」「右45度シュート」に絶対の自信を持つ神奈川最強のストライカー
そのシュートは威力があり過ぎてGKの手を裂いてしまう程で、五郎も裂傷を負いながらの試合になります
茅野はここから五郎の強力なライバルとして常に立ちはだかります

五郎のコンバート

インターハイ予選で惜敗した川崎に新戦力が投入されます
横浜南期待の1年生「日比野慶彦(ひびの よしひこ)」の双子の弟「勝彦(かつひこ)」です
日比野家は長男・次男もプロサッカー選手というサッカーエリート一家で優等生な慶彦に対しブラジル留学がある小柄なGK・勝彦はちょっとヤンチャなキャラでした
新たにGKを迎えた川崎は五郎をフィールドプレイヤーにコンバートします
体格・キック力・そしてリーダーシップを備えた五郎を中盤に置き盤石の体制で冬の選手権予選に臨みます



主人公がコンバートするってこの時代ではかなり思い切った手法ですよね
今なら「アオアシ」の葦人がFW→SBとかもありますけど・・

神奈川制覇!そして全国へ!

横浜南との激闘を制し川崎は初の全国切符を手にします
緒戦は魚の知識を利用した魚群ドリブルを得意とする「浪速食品加工産業高校」という謎のイロモノと戦いますが(笑)、準々決勝では静岡の強豪「静岡一高」が登場します
エースストライカー「暮林哲郎(くればやし てつお)」、ブロックサインを駆使する頭脳派MF「明智紀之(あけち のりゆき)」、日本最高峰のGK「池永(いけなが)」などレベルの違いを見せつけるまさに「全国の壁」が立ちはだかります

【2年生編】

キャプテン五郎

織田が卒業し川崎のキャプテンは五郎が務める事になりました
まぁ当然ですよね

そして新戦力も投入です!
「島本守(しまもと まもる)」中学全国ベスト11のDF、リベロ
「阿部弘志(あべ ひろし)」サッカー初心者だが足は速い、元不良



島本は親友「不破(1年)」と横浜南に入る約束を反故してまで川崎入ってきた実力者でここでも横浜南との因縁を匂わせてきます(汗)
阿部はサッカー初心者ながら努力家の側面を持ちここからグングン実力を付けてきます



ここからはプレイヤーとしてだけでなくチームマネジメントもしなければならなくなった五郎
はみ出す奴は「鉄拳制裁」でお仕置きです
ちなみに1年生編では薬丸と勝彦もボコられてます(笑)

神奈川オールスター

夏はインターハイではなく国体がピックアップされます
今回は「神奈川選抜」で臨む方針が決定され川崎、横浜南に加えチームメイトに恵まれなかった島原や黒崎も日の目を見ます
でも一番に注目は茅野の中学時代のパートナーで病弱な天才「保坂一範(ほさか かずのり)」でした
繊細なボールタッチを意図を持ったパスで神奈川選抜の中盤を活性化させますが、最後は自身の体調を鑑みて決勝前半で高校サッカーから身を引きます



準決勝では暮林率いる静岡を破り決勝ではフィジカル軍団・鹿児島に競り勝って初の全国優勝を果たします
まさかの茅野と五郎が味方同士で戦う展開は胸アツでしたね

ライバル対決決着!

冬の選手権予選では2年に渡り鎬を削って来た茅野との戦いに終止符が打たれます
お互い譲れない想いを存分にぶつけ合った戦いは最高に見ごたえがありました



その勢いそのままに全国でも川崎は躍動!
東京Aのテクニシャン「石原丈太郎(いしはら じょうたろう)」率いる星城学園戦では体調不良の勝彦に代わって久々のGK五郎が登場!
準決勝では夏に猛威を振るった鹿児島代表の「蘇我(そが)」、剣道の達人で間合いの名手「須佐見(すさみ)」、規格外の手足でゴールを守る「九鬼(くき)」を擁する鹿児島学院との接戦を制し、決勝では「和製フリット」の異名をもつリベロ「沢村健人(さわむら けんと)」を加えた最強メンバーの静岡一高を倒して遂に全国優勝を勝ち取ります!



サッカーとしては正直2年生編が一番濃かったですね
川崎の成長はもとよりライバル達も最高に脂が乗っていて簡単な試合が殆どなかった半面、チームが盤石になり過ぎて神奈川県内では敵なしになっちゃいましたね

【3年生編】

サッカーの枠を超える?

ここまで最強のライバルとして立ちはだかって来た茅野&暮林も卒業してしまいキャラの小粒感は否めなくなって来ました
大きな責任をこなし成長して来た五郎にもお父さんの風格が漂っています(笑)



まずは春恒例の新キャラです
「八木維(やぎ ただし)」フィジカル、テクニック共に高い、1年留年していて実は17歳
「有本渉(ありもと わたる)」横浜南有本監督の息子、プレーも性格も軽い



3年生編は2大不良エピソードで進行します
まずは阿部が元不良仲間に絡まれてフライデーされてしまいます
ここではチームメイトを守る為なら大人も殴・・りかねない五郎が高校サッカー運営部と直談判をします
そして八木は中学時代のチームで試合中の死亡事故に関わっている因縁の相手が登場します

最強最悪のライバル登場

夏のインターハイでは県予選で横浜南が小田原商業の二卵性双子「奥村幹夫(おくむら みきお)&保夫(やすお)」兄弟に敗れる波乱が起きます
この双子は前後半でFW⇔GKのポジションを入れ替える戦術を取る変わり種でした



優勝確実かと思われた全国大会で埼玉の「蕪双高校」にまさかの2回戦敗退
蕪双の中心選手FW「松浦猛(まつうら たけし)」「西崎裕二(にしざき ゆうじ)」は2年間の出場停止明けという真性の不良です
タバコ、酒、女何でもありのオールラウンドプレイヤー(笑)
彼らと八木は中学時代の仲間で例の「死亡事故」にも関わってました



埼玉でも有名な不良校をまとめ上げたのはメキシコ五輪代表GKの「堂島(どうじま)」
どうやって??もちろん「鉄拳制裁」ですよ!!

最後の選手権

ついに高校サッカー最後のイベントを迎える五郎にまず立ちはだかったのは慶彦率いる横浜南
かつての強豪校としての面影は一切なくプライドを捨てた泥臭い守備一辺倒のサッカーで粘りを見せます



そんな涙なしでは語れない決勝戦を経て最後の選手権へ!
準決勝では元オールジャパンの「沢渡(さわたり)」監督率いる愛知の「成京高校」と対戦
中心となるのは初のフリーキッカーキャラの「的場(まとば)」
試合の流れに関係なくゴールを奪える鋭いキックと鼻っ柱の強さで川崎を苦しめます
決勝の相手は静岡一高を破った蕪双
粗悪そのものな松岡ですが、プレーへの集中力、ゴールへの執念、フィジカルの強さは過去最強のキャラでした
川崎のゴールを3度も破りますが最後を締めたのは当然五郎です!



元々この時代のサッカー漫画では珍しいくらい体格とセンスに恵まれた上に、時に不良を超える「輩」に変貌する五郎はこの3年間で選手だけでなく人間として大きく成長しましたね
「背中を見せる」事が出来る頼れるプレイヤーでした

後半では的場など多少戦術的な要素も見せた作品でしたが、基本はサッカーの躍動感と勝負に懸ける選手のメンタリティを楽しむ作品だと思います
結構泣けるシーンとかもありますからね
青春サッカー漫画を読みたい人オススメです!ではこれにて「オフサイド」読了です!


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