そのモガリは熱を知らない(NICOMICHIHIRO)【漫画あらすじ紹介とネタバレビュー】

そのモガリは熱を知らない03 サスペンス・ミステリー

死体は事件の全てを語ってくれる。駆け出しの医者と法医学界から追放された女が組んで死体の声なき声に耳を傾け事件を解決へと導いていく!

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作品情報

【タイトル】
 そのモガリは熱を知らない 
【作者】
NICOMICHIHIRO
作者のTwitter
【掲載誌】
モーニング
【ジャンル】
医療・警察
【巻数】
1~3巻

オススメポイント

  • 法医学をベースに解剖から事件を紐解いていく警察モノ
  • 常識や概念に捉われないランが最短距離で事件の真実に迫る
  • 死体が語る人としての真実は涙なしでは見られない

ストーリー紹介

南陽人は悩んでいた

「医者になりたい」という一心で2年間の研修期間を頑張ってきたが、ここにきて自分の受け入れ先が見つからなかった

それというのもトロい、体力がない、教授の覚えは良くない、患者に舐められる、極めつけはERで1日もたず倒れた・・高い志とは裏腹に研修医としてもお荷物扱いの現実には本人が一番辟易していた

明日の自分すら見えない陽人は今をやり過ごしたい教授から警察の検案(死因確認作業)に行くよう命じられる

初めて見る遺体に尻込みしながら検案作業を続けるが、警察はといえばさっさと病死と確定して捜査を済ませたくて陽人をしきりにせかしてくる

警察の勧めるままに死因を特定することに違和感を覚えながらも、流れ作業で死因を迫られると警察のいうままに「心不全」で原因を特定しようとした時現場近くにいた女性がフラッと近づいてきた

バイクに腰掛けケーキを次々に貪り食うボサボサ髪の女性が出してきたのは「警察手帳」

「警視庁刑事部捜査一課8係特別法医捜査室 狩結ラン警部補

 特例解剖調査法に基づき法医解剖を要請する」

1巻(2021/10/21)

収録

第1話 最期にかかる“医者”
第2話 解剖の境界線
第3話 灰色の純情
第4話 行き過ぎた男
第5話 沸き上がる死因
第6話 色を変える真相
第7話 わずかな痕跡

内容紹介

陽人 教授に検案を押し付けられる

 陽人の検案現場にいたランが死後硬直の進み過ぎを指摘

 ランの解剖により事件性が露見

  ↓

陽人 特別法医操作室に出向、ランの監督医になる

 中学校で生徒の遺体を発見 検案に出る

 ランが他殺の痕跡を発見する

  ↓

◆大学生の死亡事故を捜査

 解剖の結果硫化水素の痕跡を発見する

 大学生は硫化水素による中毒死と判明

  ↓

◆急性アルコール中毒の遺体を解剖

 ランは事件性を疑う

解説という名のネタバレ

作品のジャンルは警察系&医学系です

主人公の狩結ランは警察官であり医師免許を持った特殊な警官です

通常医療担当は医療系の組織、主に病院に所属しながら捜査を医学的にバックアップするのだと思いますが医師免許持ってたら自分で色々鑑定出来るから重宝しますよね

ただランが解剖出来るようになった経緯はかなり特殊なもののようです

彼女の祖父であり法医学者の狩結圭三によってその技術は仕込まれたのですが、それは正当な手順ではなく違法な処置によってのものでした

その結果、狩結ランは卓越した法医学の知識と技術を持ちながら法医学者ではなく業界からも白い目でみられていました

その上、組織に馴染まない破天荒な性格の為なおの事人が近づこうとしません

そんな彼女のパートナーとなったのは研修医上がりの南陽人です

基本ダメ医者の陽人はどこに行っても使い物にならず就職先すら決まらない有様でしたが、偶然押し付けられた検案でランに会い最期に看取る医者・法医学に興味を持ちます

技術的に未熟な陽人と人間的に問題のあるランが組む事でどんな化学反応が起こるのかが見ものですね

そんな2人が所属するのは組織の中では鼻つまみの新設部署「特別法医捜査室」

閉鎖的、縦割り、序列主義と何かと新しい物には風当たりの強い警察組織の中で、このコンビはどんな爪痕を残すのでしょうか?

ストーリー展開は法医学がテーマになっているだけあって死体の発見から始まり解剖の結果をベースにして事件解決の糸口を探し出していく内容です

まーまーグロもあるので注意してくださいね♡

一言感想

まだ手垢のついていないなり立て医者とブラックリスト扱いのいわくつき刑事のコンビは中々にインパクトは大だけどまだ陽人の活躍が足りないかな?

luck’o
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2巻(2021/12/23)

大学の勝間田教授から聞かされたのはランが中学1年生にして祖父の指導により違法な解剖を手掛けていたという事実だった。死体には興味深々なのに生きた人間には配慮の一つも出来ない異常な刑事の監督医など続けていけるのか陽人は大いに悩んでしまう。そんな不出来な自分とは正反対の氷堂先輩に飲みに誘われた陽人に連続殺人犯の毒牙が迫ろうとしていた・・

収録

第8話 医者ではない
第9話 証明と肯定
第10話 とらえる手
第11話 逃げ水の死
第12話 かつての塊
第13話 安全な略奪
第14話 少女の代償
第15話 法医の3K
第16話 コープス・ファインダー

内容紹介

陽人 ランが違法解剖を行っていた事実を知る

 先輩の氷堂に飲みに誘われ睡眠薬を盛られる

 カリウムを注射される寸前でランが助けに入り氷堂を逮捕する

  ↓

ラン タクシーで発見された腐乱死体を溺死と断定する

 解剖の結果遷延性溺水による気管支肺炎と診断される

  ↓

旭日 以前に補導した少女から電話がありパパ活の相手が突然死したと聞かされる

 ランの解剖の結果細菌性髄膜炎によるウォーターハウス=フリードリヒセン症候群と診断

  ↓

◆解剖した轢死体が女子大生誘拐事件の容疑者と判明

 事故現場付近でアシナガヌメリを発見し、その周辺から3体の遺体を見つける

解説という名のネタバレ

警察という組織に属しながら医師との二足のわらじならぬ資格を持ち、集団からは離れたから事件を眺望し、思い付きと勝手な行動で捜査に介入してくる

そんな刑事が真っ当な人間な訳はないのは言わずもがなですよね

そんな破天荒な狩結ランの経歴は陽人の想像を絶するものでした

なんと彼女は中学1年生にして祖父の手引きで違法な司法解剖に手を染めていたのです

それだけ聞くとかなりMADな感じがしますが、ランの話っぷりでは決して凶悪な動機ではないようですがやってることは十分凶悪ですよね

そりゃ孫娘のネジも外れますわ(笑)

ランの過去を聞いた陽人は彼女の家督医という立場にいていいものなのか苦悩しますが、最後は彼女を受け入れて一緒に歩もうと決意を固めます

ついでにどさくさに紛れて「ランさん」と呼んじゃいます

やるねぇ陽人クン

今回も遺体発見を機に始まった事件を解剖を通して明らかにしていくのですが、ラン達と一緒に特別法医捜査室に送り込まれた(流された?)メンバーである旭日の素性が少し明らかになります

実は彼女剣道5段、柔道6段の元組対刑事なんです

バリバリならぬゴリゴリですね(笑)

なんでそんな人が閑職に回されたんでしょうか?もしくはそういう人だからでしょうか・・・?

近いうちに「定時の男」小鳥遊さんの素性も明らかになることでしょう

そして終盤では女子大生誘拐事件の容疑者が轢死体で発見された事から複数の遺体が発見される展開になりました

この闇深い事件をランと陽人はどう解決に導くのでしょうか?

一言感想

法医の3Kは「臭い・汚い・キツい」らしいですが3つに分けなくても「グロい」で十分です(汗)そもそも死体を解剖する仕事だから鋼メンタルじゃないと無理だね

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3巻(2022/3/23)

身元不明の遺体が連続誘拐犯だと突き止めた陽人だったが、遺体発見現場から近い場所で4体の遺体が発見され残る1人の行方不明者を探す為その場でランと司法解剖を行っていく。犯人の殺害手口が明らかになり理論上ではまだ5人目の被害者は生きていると推測されるも場所の特定が出来ないでいると、陽人が遺体の口に入っていた蜻蛉が手掛かりにならないか提案してくる・・

収録

第17話 5人目の行方
第18話 累沙汰
第19話 最期の顔
第20話 不明の証明
第21話 明日飛ぶ我が身
第22話 くすんだ土の家
第23話 ゆりかごから墓場まで
第24話 白い死体
第25話 「死」の所有者

内容紹介

ラン陽人 発見され4体の遺体をその場で司法解剖する

 4人目の口に入っていた蜻蛉から5人目の監禁場所を特定する

  ↓

陽人 高校の同級生・畠から同僚の不審死について相談を受ける

 解剖の結果同僚は病死だと判明し、元2課の小鳥遊に力を借りる

  ↓

◆元裁判官の遺体が自宅の庭で発見・ランが現場に居合わせる

 妻が犯行を自供するが解剖の結果持病の薬と飲み合わせが原因と断定する

  ↓

◆陽人の大学で死体が消える騒動が起きる

 騒動事態を勝間田が否定するも調査で死体の身元が判明し大物議員の息子が絡んでいる事がわかる

解説という名のネタバレ

今回は身元不明遺体が連続誘拐犯だった話の続きから始まります

現場近くで発見された4人の遺体から5人目の手がかりを探そうとランと司法解剖を行いますが、犯人の殺害方法からまだ生存の可能性があると判断し白骨化していない4人目の遺体から必死に情報を手に入れようと奮闘します

その後は陽人の高校時代の友人が勤めるテレビ制作会社の先輩ADが自殺した原因を突き止めたり、自宅の庭で発見された元裁判官の死にまつわる家庭の事情を紐解いたり、陽人の大学で死体が消えた騒動から発覚する大学と権力の闇に足を踏み入れたりしていきます

駆け出し医師とはみ出し刑事には身に余る事件ばかりです(笑)

しかしテーマとしては「過労と死」「薬と飲み合わせ」「高齢夫婦と引きこもりの息子」「国家権力による死の冒涜」など身近とは言わないまでも世の中に横たわる問題を取り上げた内容ばかりです

この難解な状況を陽人の発想とランの技術でどれだけ切り抜けて行けるのでしょうか?

日陰部署である特別法医捜査室の仲間の素性もまた少し明らかになっていきます

「定時の男」小鳥遊は元2課の所属で保険金詐欺や横領が専門でした

どちらも陽人とランにとっては門外漢な内容なので頼もしいブレーンである事に間違いはありません

次回は大物議員の息子を相手取っての大捕り物となりそうですがこの2人で大丈夫でしょうか?

一言感想

死体への対応はラン、生者への対応は陽人で中々にいいコンビかも

luck’o
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主な登場キャラクター

♡狩結ラン
(かりゆい らん)
医師免許を持つ刑事

♤南陽人
(みなみ はると)
医師、研修期間を終えたが受け入れ先が見つからない

♤堂島(どうじま)
特別法医捜査室室長

♤小鳥遊(たかなし)
特別法医捜査室のメンバー、元2課、新婚

♡旭日(あさひ)
特別法医捜査室のメンバー、剣道5段柔道6段の元組対刑事

♡栗原円香
(くりはら まどか)
法医学教室の学生

♤狩結圭蔵
(かりゆい けいぞう)
法医学者でユイの祖父

♤勝間田(かつまた)
教授

♤花園(はなぞの)
ランの住居を貸しているオーナー

♤氏原了
(うじはら りょう)
週刊パイプの記者

その他エピソードキャラクター

♤氷堂響也
(ひょうどう きょうや)
酔っ払い連続死事件の犯人

♤牧田勉
(まきた つとむ)
タークシー運転手、真夏の社内で溺死

♡アヤ
以前旭日が補導した少女

♤広生眞嗣
(ひろお しんじ)
女子大生誘拐事件の容疑者

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