こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです
このブログではいい年した漫画好き(汗)のボクが、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます
完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください
あとネタバレも含みますので注意してくださいね
今回ご紹介するのは桂正和「プレゼント・フロム LEMON」です
デビュー作「ウイングマン」がスマッシュヒットを飛ばし、続く「超機動員ヴァンダー」は打ち切りの桂先生が打った一手は何と芸能界アイドルもの!
早すぎた推しの子・・っていうほどサスペンスではありませんが、ジャンプでこのジャンルはなかなかにチャレンジャーだったのではないでしょうか?
結果打ち切りでしたが今読んでも古さを感じない桂先生の絵柄に脱帽です!
作品概要
【作品名】 |
プレゼント・フロム LEMON |
【作者】 |
桂正和 |
【連載期間】 |
1987年 |
【巻数】 |
全2巻 |
【掲載誌】 |
週刊少年ジャンプ |
【ジャンル】 |
芸能・アイドル |
作品紹介
1巻を読む!
主人公は「沢口麗紋(さわぐち れもん)」15歳の高校1年生
父子家庭で育った麗紋は5歳の時に父「桃次郎(ももじろう)」を病気で亡くします
桃次郎は苦節15年の売れない演歌歌手でしたが、若手敏腕プロデューサー「大崎厳(おおさき げん)」に見いだされ遂にデビューのチャンスを掴みます
しかしデビュー当日、持病の心臓疾患が悪化し世に出る前に帰らぬ人となってしまいました
父の遺志を継ぎ麗紋は10年ひたすら彼の持ち歌「男の道」を歌い続け、大崎が審査員を務めるタレントコンテストでデビューを目指します!!
というのが導入ですね
父子家庭で売れない演歌歌手ってどうやって暮らしてたんでしょうね?
家の描写は最近お目にかからない長屋でしたからね~
今の人長屋わかんないでしょ(笑)
「ボロは着てても心は錦」と言う言葉がありますが、沢口一家もお金がない=不幸だった訳ではないんですよね
暖かい家族の絆で結ばれており、麗紋も父の唄う姿を尊敬していました
そこに33歳の若手ながらビッグイベントを纏める敏腕プロデューサー・大崎の太鼓判が押されたとなれば成功間違いなし・・という矢先の急逝でした
ジャンプなのに昼ドラみたいなヘヴィーな展開です
ではそこから10年麗紋は何をしていたのか??
歌ってました!!
・・・は?・・・歌ってた・・・だけ??
しかも「男の道」だけ・・・終わったな(チーン)
そんな彼が当てにしたのはもちろん大崎です
しかし大崎は桃次郎を失ったショックで見た目も性格も別人のようになっていました
プロデューサーとして成功しテレビ業界での発言力は絶大な代わりに、気に入らないタレントは徹底的に潰す非情な男として業界では有名でした
そうとは知らず馴れ馴れしく近づく麗紋→門前払いからの桃次郎侮辱→怒りの鉄拳が大崎に炸裂!!
・・・レモンシュウリョウノオシラセ(チーン)
今ならYouTubeやSNSから成功を模索出来ますが、歌手になるには芸能界に入るしかない時代に見事業界から爪弾きにされます
失意の麗紋に手を差し伸べたのは元アイドルで弱小芸能事務所を経営する「秋野このえ(あきの このえ)」
彼女は麗紋をアイドルとして30日でデビューさせると豪語します
・・・・怪しい・・・・ひたすら怪しい・・・
もちろん真っ当な手段ではなく歌が下手な女優「矢頭真琴(やがしら まこと)」のCDデビューにかこつけた「声の替え玉」でした
・・・いやさすがに男ではと本人も思いましたが(笑)、このえは既に麗紋のある才能を見抜いていました
道が険しく見るも怪しい裏街道から攻め入る麗紋に、大崎は麗紋と同じ小学校でアイドルデビューしている「広川舞美(ひろかわ まいみ)」をぶつけてきます
でもこの子、密かに麗紋が好きなんですよね~
すっごい昼ドラ展開だわ(笑)
それより一番気になるのは・・・「毎日パンツかえてるかい?」は今のご時世ではNGだよね(笑)
2巻を読む!
麗紋に強力な味方登場!
このえに弟でファッションデザイナーの「小林浩行(こばやし ひろゆき)」
オッサン顔でとても19には見えないけど、衣装面だけでなくマネージャー的なポジションから麗紋を助けてくれます
それより・・・このえの本名が「小林花子」って方が驚きなんですが(笑)
アウェーのような会場でも、真琴のマネージャーにボコられても折れなかった麗紋の心でしたが、次なる大崎の一手でポキッと行ってしまいます
それは『舞美とイケメン俳優「林風仁(はやし ふうじん)」との熱愛スキャンダル』です
恋愛という感覚はまだ持っていませんでしたが、子供の頃からの良き理解者であり良きライバルだった舞美の存在は麗紋の中で大きなものでしたね
それを「恋」と呼ぶには麗紋がウブ過ぎる(笑)
林風仁も良い感じに野心溢れる悪いヤツだし、チラチラ登場する大崎もラスボス感あって麗紋を応援したくなりますね
でもこの麗紋に降りかかる試練が彼を成長させる為に大崎が打った親心だって展開は胸アツでした
同じ仕打ちを大崎に受け復讐心の塊となったこのえがそれを知った時のショックったら・・彼女は麗紋を育てたい気持ちと同時に彼を成功させて大崎に復讐しようと考えてたんですね~
まだ厳しさを親心と捉えられる程大人ではなかったんでしょう
麗紋と舞美の間に障害が多い程、2人の気持ちが盛り上がって行き麗紋のアーティストとしての表現力も磨かれて行きます
最後はたたみかける様に紅白出場イベントをこなして終了の運びとなります
まぁ、端的に打ち切りですね(チーン)
当時のジャンプで芸能やアイドルをテーマにしてヒットさせるのはさすがに難しかったでしょうね
「友情・努力・勝利」の塊魂みたいな状態でしたから(笑)
でもここで2作続いたヒーロー路線から方向転換したのは結果的に良かったんだと思います
次の「電影少女」が大ヒットして美少女漫画家としての確固たる地位を手に入れましたからね(言い方)
既にキャラクターや画力の高さが安定していましたが、時代のせいか展開自体はベタな所も多く今の桂先生が大人雑誌で描いたら面白いテーマかなと思いました
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