こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きラッコです
このブログは漫画好きの私ラッコが好きな漫画家や漫画作品を読んだ感想やあらすじを通した作品の魅力を紹介していきます
完全なる独断と偏見と趣向であることをご了承の上閲覧してください
※ご注意
このコーナーは大なり小なりのネタバレを含みます
ご自身の判断で閲覧いただくようお願いします
今回紹介するのは「桃源暗鬼」です
この作品はかなり初期から追いかけていたし、直近まで新刊レビューもしていた作品なので最新刊までのまとめ直しになります
キャラや異能力にもいい感じにクセがありアニメ化したらもうふた跳ねくらいしそうな作品ですけどね~
作品概要は以下の通りです
TheWorkData
【作品名】 |
桃源暗鬼 |
【作者】 |
漆原侑来 |
【連載期間】 |
2020〜 |
【掲載誌】 |
週刊少年チャンピオン |
【巻数】 |
既刊15巻 (2023.7現在) |
【ジャンル】 |
異能力バトル、学園 |
では作品紹介行ってみましょう!
Story&Review&Character
この作品のベースとなるのは日本人なら知らない人はいないお伽話「桃太郎」です
ちょっと特殊なのは主人公は「桃太郎」サイドではなく「鬼」サイドということです
かつては鬼の暴力に苦しめられた物語ですが、時を経て鬼の子孫は超ヘタレになり桃太郎の子孫はクレイジーな支配者となりました
めでたしめでた・・・くないわ!!!
残念ながら現代の桃太郎は科学技術を駆使して圧倒的な兵力と武力を兼ね備えた強大な組織「桃太郎機関」を形成していました
その目的は「鬼の殲滅」
対する鬼の子孫は戦闘力を有した兵士も少なく人の世に紛れ込んで桃太郎の追跡を逃れる弱い存在でした
組織も脆弱で彼らの目的は何とか桃太郎陣営の急所を突いて「対話」のテーブルにつかせる事・・・要するに血気盛んなコブラvs瀕死のマングースです(わかりにくっ!)
そしてもうひとつこの戦いの肝となるのは鬼と桃太郎が持つ「異能力」です
鬼は自分の血を媒介に相手を攻撃する「血蝕解放(けっしょくかいほう)」という特異能力を持ちます
桃太郎は自分の血に含まれる菌で様々な能力を発揮します
行ってみればウィルスのような力ですね
主人公はただの不良学生「一ノ瀬四季(いちのせ しき)」
彼はある日父親から衝撃の事実を伝えられます
「お前は鬼の子孫だ!」
信じるかぁぁぁ!!!!!
実は父親の「一ノ瀬剛志(いちのせ つよし)」は元桃太郎機関に所属する戦士でした
しかし鬼の子供である赤ん坊の四季を庇った事で桃太郎機関から追われる身となってしまいます
四季は頭が悪くガンマニアというちょっと(かなり?)危ない人間ですが、人情や物の道理に逸れた事は嫌いで真直ぐ(直情的)な性格をしています
でも剛志が桃太郎機関の「桃屋五月雨(ももや さみだれ)」に殺されると否が応でも鬼と桃太郎の戦いに巻き込まれて行きます
ちなみに鬼の異能力「血蝕解放」は本人の性格やイメージに大きく関係しており、四季は大好きな銃に関連する武器を作る事が出来ます(まだ発展途上ですが)
ストーリーは鬼の戦士「無陀野無人(むだの ないと)」に助けられた四季が、鬼機関の戦士育成組織「羅刹学園」に入る所から進んで行きます
・・・無陀野無人・・・この名前を見た時点では奇面組レベルのギャグより漫画かと思いましたけどね(笑)しかも無駄が嫌いと来ている・・
羅刹学園で教官の無陀野と共に6人の鬼戦士候補生が登場します
基本このグループで行動し物語は進行していきます
ではその6人を紹介していきましょう!
「皇后崎迅(こうがさき じん)」
全身縫い痕だらけの一番見た目が怖いキャラ。桃太郎機関に所属する父親から生まれそのせいで母と妹が殺されてしまう複雑な家庭事情を持つ。父親を恨んでいる。血蝕解放は刃物をベースにしたものが主
「矢颪碇(やおろし いかり)」
性格的には四季に近いヤンキー気質の男。強くなる事への執念が強く鬼でも強い奴は敵視します。血蝕解放は不確定なルーレット要素をもつ強化武器「怒鬼怒氣ヒステリー」
「遊摺部従児(ゆするべ じゅうじ)」
一番まともそうなメガネ男子ですが、かなりムッツリ気質で女性へのこだわりがキモい陰キャ野郎(笑) 血蝕解放は索敵系能力「汝、何処へ」
「手術岾ロクロ(きりやま ろくろ)」
自分に自信がないネガティブメンタルな男ですぐ逃げ隠れして物事をやり過ごそうとする。血蝕解放は同郷の幼馴染「瑠々(るる)」にちなんだもので血を刃状の桜吹雪に変え舞で鎌鼬を起こす
「漣水鶏(さざなみ くいな)」
一見ギャル寄りヤンキーで性格は病的なまでに尽くし過ぎる女。依存出来るダメ男が好みでロクロをロックオンしている。血蝕解放はグローブを模した「純情で異常な愛情(アイラブ)」
「屏風ヶ浦帆稀(びょうぶがうら ほまれ)」
可愛い普通の女の子だが中身は自分全否定で謝ってばかりいる。自分を庇って死んだ姉への後悔に支配されている。血蝕解放は姉を模した超巨大人間
と、こんなメンバーです
濃い!濃すぎる!!
それぞれネガポジはあれど結構振り切った性格をしており、彼らと共に戦う事で四季も更なるレベルアップを遂げていきます
ここから学園要素に入って行くのかな?と思いきや舞台はいきなり京都に移ります
【京都編】
京都支部から桃太郎機関に襲われていると応援要請が入るのですが、訓練学校に応援要請するって鬼の人材不足は深刻ですね
四季達はいきなりの現場投入です
ここで鬼機関京都支部援護部隊総隊長「花魁坂京夜(おいらんざか きょうや)」が登場します
見た目も名前もホストですが治療系バックアッパーの第一人者です(笑)
桃太郎機関側は隊長の「桃宮唾切(ももみや つばきり)」と副隊長の「桃草蓬(ももくさ よもぎ)」が攻めてきますがこれがまた強い
唾切の血を媒介にして死体を操るって能力はいきなり反則級ですよ、マジで!
しかも追加投入されるのは犬・猿・雉のキメラ「アグリ」
お供の扱いもうちょっと考えても良かったのでは?(笑)
京都支部の面々は戦士や一般人問わずガンガン殺され羅刹学園の生徒も超ピンチに立たされます
迅・碇・ロクロ・鶏は戦いに戦いで経験値を積み、四季は唾切との一騎打ちで隠された能力「炎鬼」に覚醒します
ここで大正こそこそ噺(違う!)
これまで圧倒的戦力差のある鬼が死ななかった理由としてピンチに生まれて来る「鬼神の子」という設定が出てきます
鬼神の子は8人産まれ「炎・水・雷・氷・風・土・闇・光」の属性を持ちとんでもない戦闘力を有しているみたいです
四季はこの中で「炎」の鬼神みたいです
【練馬編】
学校に戻った四季達は光が丘へ部隊見学に出かけ、偵察を主に行っている「練馬部隊」の内情を見学します
・・・もちろんトラブルに巻き込まれますよ(笑)
どうやらこの世界では桃太郎機関があらゆる場所に「鬼センサー」を仕掛けていて、鬼の力を使うと警報が鳴るらしいのです
嫌ですね、監視社会って!
このシリーズのメインは「皇后崎迅」で彼を中心にストーリーが回って行きます
血蝕解放で事故に逢いそうな子供を助け桃太郎に拉致られる所から始まり、彼の現在を作った父「桃井戸颯(ももいど はやて)」・母「あすみ」・姉「葉月」とのエピソードが語られます
ここまでちょっと尖り気味で羅刹学園のメンバーとも距離を置いていた迅でしたが、四季と共闘する事で精神的な成長を遂げていきます
四季は桃太郎機関の副隊長「桃寺神門(ももでら みかど)」と出会い、お互いの素性を知らないまま仲良くなります
その後、神門は上司の誘導で四季を敵視するようになりますが、立場で左右されず神門を友達扱いする四季を見て鬼と桃太郎という立場で争う状況に疑問を持ち始めます
やはり四季の一本気な性格ってストーリーが揺るがない為に大事ですね
その他にもやたら沢山新キャラ投入してきます
鬼機関では練馬支部隊長で偵察のスペシャリスト「淀川真澄(よどがわ ますみ)」とその部下「並木度馨(なみきど かおる)」
従児はこの2人に影響を受けバックアップ能力の大事さを痛感します
そして鬼機関医師兼研究者の「メアリー亜紀(あき)」
ただの巨乳です(笑)でもこの人から鬼神の子についてとんでもない事実が話されます
対する桃太郎機関は、
「桃華月詠(ももか つくよみ)」―「神の望みを知る(ラグナロク)」
タロットカードに準じた能力を発揮
「桃角桜介(ももかど おうすけ)」-「コピー」
受けた技をコピーできる、24時間に1人だけ
「桃巌深夜(ももいわ しんや)」―
細菌を取り込んだ者の視界を覗ける、24時間有効で一度に36人まで可
「桃寺神門」-「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」
血を銃器に変える
とまあまた曲者揃いです
中でも桃巌深夜は一兵卒からの成り上がりで出世に対する執念が強く、現代社会の悲哀を感じてしまいましたね
後半では四季vs神門、皇后崎vs深夜、碇vs桜介、無陀野vs月詠とのタイマンバトルに展開し各々が自分の限界を突破して行きます
その中で仲間を大事にしたい四季は神門と本気で戦う事が出来ずに劣勢に立たされますが、一度血が暴走して「炎鬼」が出てくると形勢は逆転し神門はフルボッコ状態にしてしまいます
四季が自分の意思で一瞬暴走を抑え込むと、神門に止めを刺すよう懇願します
友達を殺すくらいなら自分が死ぬって覚悟が刺さりますね
【修行編】
やっと話が羅刹学園に戻って来ました
羅刹学園の裏には標高1900mの山がありそこを登る訓練に入ります・・・ってどういう立地?
非常勤講師「印南幽(いんなみ ゆう)」と「猫咲波久礼(ねこさき はぐれ)」の指導の下四季達は協力してゴールを目指す・・・はずが、やっぱり上手く行きません
中でも碇は最近うなぎ上りに実力を付けている四季への反発が強く他メンバーと協力するぐらいなら死んだほうがまし!ってスタンスを取ります
これくらい尖ってる方が好きですけどね・・
あとここまで自己否定しまくりだった帆稀が、四季と遭難してようやく前向きな気持ちで試練を乗り越えようとします
ここでも四季のポジティブさがいい結果に繋がって行きますが、「仲間意識」によって成長を促した特訓に絶賛反抗期の碇は納得しません
・・うん!そろそろ折れようか、碇君!あまり頑なだと「矢颪碇」から「碇シンジ」になっちゃうぞ(笑)
【鬼國隊編】
それでも折れない碇に迎合するように現れたのは鬼機関に属さない野良の鬼集団「鬼國隊」!!
中でもリーダーの「等々力颯(とどろき はやて)」は「風」属性の鬼神の子!
これは物語が一気に動き出す予感??
彼らの目的地は栃木県にある桃太郎機関の研究所・通称「華厳の滝跡地研究所」
そこでは所長の「桃裏楔(ももうら くさび)」を中心に鬼を使った非道な実験が日夜行われていました
元々鬼畜や非道系が多い桃太郎陣営ですがこいつは群を抜いたクレイジーですね(ガクブル)
羅刹学園を見限った碇は何を思ったか鬼國隊に入隊!
ちなみに鬼國隊のメンバーはこんな感じです↓
「乙原響太郎(おとはら きょうたろう)」自分の血を介してデータ共有出来る
「百目鬼剛(とどめき ごう)」盲目だが攻撃が当たらない
「鳥飼羽李(とりかい うり)」鳥使い
「蛭沼灯(ひるぬま あかり)」蛭使い
「海月巳代(うみつき みよ)」海月使い
「囲岬(かこい みさき)」熟女専
「不破真一(ふわ しんいち)」デブ専
・・・最後の2人は何??
まぁまたしてもクセしかなさそうなメンバーだし、まだここで11巻なのに沢山キャラクターが出ますね~
チャンピオンのワンピース狙いでしょうか?(笑)
そして華厳の滝跡地研究所を舞台に桃太郎機関・羅刹学園・鬼國隊の三つ巴で戦闘が進行します
イキって鬼國隊に入った碇でしたが隊の信条である「桃太郎は全殺し」にドン引きます
その対象は戦士に限らず女性、子供果ては妊婦まで容赦なし!!
元々鬼と桃太郎の戦いは憎悪しか生まない歴史なのでこの考え方は真っ当だと思いますが、少年誌ではちょっとエグイですね(汗)
ここからはバトル漫画ファン垂涎の異能力バトルオンパレードです
華厳の滝跡地研究所にはお抱えの部隊がいて隊長、副隊長がわんさか出てきます
入り口では遅ればせた羅刹学園が5・6・7部隊に囲まれますが、無陀野の判断は「俺1人でやる」
かけぇぇ!!とても京都で後れを取った人のセリフとは思えません(笑)
というかこの人元々強い設定なんだけど尻上がりに無敵になってますね
宣言通り隊長・副隊長6人+兵隊多数を涼しい顔で相手取ります
敵も数人ボコられてますが、このまま順調には行かないでしょうね
建物の中ではまず鳥飼&蛭沼が第1部隊と戦闘に入ります
舞台は敵が作った「もしかしたら何か飛び出してくるかもしれないから気をつけよう部屋」!!・・・ダサッ!!
お次は第3部隊vs百目鬼からの迅乱入
目が見えないキャラよろしく耳で多くの情報を得て敵を翻弄する・・はずが相手の能力は「音」
相性最悪すぎて終わったかと思いましたが、迅の乱入で風向きが変わるか⁉
囲(熟女専)&不破(デブ専)の変態コンビは第2部隊の遭遇!
副隊長でナイスバディの34歳「桃脇岼(ももわき ゆり)」はこれまでのモテモテ人生を打ち砕かれる「ガリガリ&ガキンチョ」扱い⁉
大丈夫!変なのは相手だから(笑)
ここは桃木田vs不破・囲vs桃脇に分断して展開
不破が異動した部屋に現れたのは鶏(くいな、ね)で悪態をつき合いながらの共闘展開だったが、それも強い第2部隊隊長!
なんとその部屋の天井裏にはロクロが隠れており、いがみあいながらも息が合っている不破と鶏の関係になんか心がモヤモヤ・・これは!恋⁉
紅一点の海月は第4部隊隊長と相対するがその行き過ぎたドMキャラにすっかりドン引き(笑)
でもやっぱり隊長クラスは強い!
劣勢に立たされる中、帆稀が登場!
最初はオロオロするだけでしたが、隊長のオラオラキャラが彼女の怒りの琴線に触れ始める⁉
各地でバトルバトルバトルでテンション上がりますね
キャラクターは基本チョイダサなのもいますが、バトルの駆け引きや見せ方で段々カッコよく見えて来るから不思議です
ここまでわかってる範囲で華厳の滝跡地研究所部隊はこんな感じ↓
第1部隊隊長 「桃林慎義(ももばやし しんぎ)」自身の細菌を光線に変える
副隊長 「桃田久望(ももた くも)」煙草の煙を操る
第2部隊隊長 「桃木田与一(ももきだ よいち)」細菌を身に纏い球体を作る
副隊長 「桃脇岼(ももわき ゆり)」血液を弓に変える
第3部隊隊長 「桃舵壱郎(ももかじ いちろう)」血液で腕を作る
副隊長 「桃尾旋律(ももお せんりつ)」声を操る
第4部隊隊長 「桃墨輝(ももすみ てる)」触れて3日以内の純金を自在に操る
副隊長 「?」
第5部隊隊長 「木場明大(ももきば めいだい)」?
副隊長 「桃坂国領(ももさか こくりょう)」体外に出た血液を操る
第6部隊隊長 「桃早長沼(ももはや ながぬま)」?
副隊長 「桃学院片倉(ももがくいん かたくら)」涙を操る
第7部隊隊長 「桃地聖蹟(ももち せいせき)」?
副隊長 「桃記めじろ(ももき めじろ)」ベクトルを出し相手を飛ばす
もう桃がついてれば何でも良さそうですね(笑)
13巻にして四季も自身の血蝕解放に「銃葬神器」という名前が付きました(パチパチ)
まだ鬼神の子も2人しか出てないし先長そうですね
羅刹学園飛び出した碇は自分のスタンスがブレ始めてちょっと心折れかけ感ありますけど、ここからもうひと伸びしてくれると思います
失礼ながら5・6・7部隊隊長は噛ませでしょう!(笑)
右肩上がりの異能力バトル漫画ですが、人情的なシーンも多く油断してると泣かされることもあります
ここまでで羅刹学園メンバーはかなり深堀が進んでいるので、これから戦闘は更に本格化していくのでしょうか?
桃太郎陣営ってまーまーアウトなキャラが多くいますが、この先幹部連中は少年誌に出して大丈夫なのでしょうか・・不安です(笑)
これ書いた時点で15巻(6/8発売)出ていますが都合により今回は14巻までのレビューとなっています
次回更新は鬼國隊編終了を予定しています
アニメ化プロジェクトも始まり益々勢いに乗る漆原侑来先生を今後ともよろしくお願いいたします(突っ込む気にもならない謎の上から目線)
試し読みはこちらから↓↓
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