こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです
このブログではいい年した漫画好き(汗)のボクが、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます
完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください
あとネタバレも含みますので注意してくださいね
今回ご紹介するのは橘オレコ「ホタルの嫁入り」です
元々「プロミス・シンデレラ」を読んでいたのでそのまま新シリーズということで購入しました
前作から一気に方向転換したのは驚きましたが、カッコいい女とイカれた人間を描かせたら右に出る者はいない(?)橘先生のカラーはこういう不条理な状況の方が活きるんじゃないかと思うくらいマッチしていましたね
生と死が隣合わせの主人公が醜くも力強く足掻く姿にグッときます!
作品概要
【作品名】 |
ホタルの嫁入り |
【作者】 |
橘オレコ |
【連載期間】 |
2023〜 |
【巻数】 |
既刊3巻 (2024.1現在) |
【掲載誌】 |
裏サンデー |
【ジャンル】 |
恋愛・歴史・サスペンス |
作品紹介
1巻を読む!
時は明治時代
主人公は華族の娘「桐ケ谷紗都子(きりがや さとこ・16)」
生まれつき身体が弱く大人まで生きられないと言われて育ちました
幼少時から大事に育ててくれた父に報いる唯一の手段として、名家に嫁ぐ事を目標に日々女を磨いている健気な女性です
この時代は上流家系の娘は政略結婚の道具にされるのは当たり前でしたが、身体が弱く子供も産めない女を貰ってくれるもの好きはいません
だから紗都子は見た目も内面も磨き続けていましたが、あろうことかそんな紗都子を疎ましく思っていたのが義母と妹の「美和子(みわこ)」でした
・・かわいそうな環境ですね・・
そんな紗都子の状況が一変したのは父の許しを得て買い物に出た時でした
付き人が離れたタイミングで男3人に攫われてしまいます
辿り着いたのはどこかの「牢屋」の中・・・
攫った野盗曰く「ある人物に頼まれた」らしいが心当たりはない
紗都子の処分を任された殺し屋「後藤進平(ごとう しんぺい・18)」を説得しようとするも彼は金目の物以外全く興味はなし
最後の手段として提案したのは「結婚」
そうすれば桐ケ谷の財産も全て思うまま(もちろんウソ)
これを受け入れた進平との明日なき逃避行が始まります・・・
というのが導入です
まず紗都子が連れられた来たのは「天女島」と呼ばれる島
本土まで三里(1.5km)ある孤島ながら遊郭のようなものはある・・・というかそれ目的の島なんでしょう
政府高官や警察関係者も訪れる島ながら帯刀を許される治外法権の場所でもあります
身寄りのない紗都子が脱出できる方法はただひとつ
「遊女になって身請けされる」
元々容姿端麗で習い事も欠かさなかった紗都子であれば滲み出る品の良さから身請け相手は早々に見つかりそうですよね
でも進平の顔効きで入った遊郭の遊女には早速嫌われてましたが・・・
美人も良し悪しなんですね(汗)
次に「犯人は誰?」
これは現時点では全くわかりません
紗都子の脳裏に一瞬義母や美和子が浮かびましたが直に死ぬ相手を殺す必要ないですよね~
そして一番の謎というか不確定要素は「後藤進平」
殺し屋稼業で生計を立てているみたいですが、言動から見て学はありません
殺ししか習ってない感じで、その分愛情に飢えている感じはします
18歳よりも幼く見えますね
でも剣術は一級品で伝説級の強さを誇っています
なんか手籠めにしやすそうなキャラだけど、紗都子が彼のツボをイマイチ使見兼ねており時折機嫌を損ねてしまいます
でもそんな事で挫ける紗都子ではありません!
明日のない身として生きて来た覚悟はハンパないです
血まみれの進平にキスしようとしたり、嫌がらせで落とされた白飯を石ごと食べたりここ一番の覚悟はこれからの道を切り開く武器になるでしょうね?
紗都子誘拐の責を問われ彼女を探しに出た付き人「小川康太郎(おがわ こうたろう)」の動向も気になります
2巻を読む!
今回も天女島の遊女街が舞台です
身請けのターゲットに選んだのは警視総監の息子「新渡戸栄進(にとべ えいしん)」
見た目大人しそうで話すと真面目な性格をしており女性経験も皆無・・・
これは・・・ワンチャンあるかも?
思い切って事情を話すと前のめりで協力を申し出てくれ無事脱出~!
って行くわけないんですよね(笑)
なんと新渡戸は酒を飲むと性格が変わる二重人格でした(チーン)
これを知っていた意地悪遊女達が飲み物をすり替えていました
いい感じに嫌われていますね
ダーク新渡戸も暴言に暴言を重ね紗都子を貶めます
その中で紗都子の胸から腹にかけて付いている大きな手術痕が明らかになります
最初こそ島から出る為と我慢していた紗都子でしたが、ある時点で自分の「肩書き優先」だった結婚相手選びに疑問符が付きます
そして自身の矜持に反するような男と結ばれる事を父は是としないという結論に達します
病気や命と向かい合ってこれたのはこの強いメンタルあっての事なんでしょうね
箱入り娘の割に逞しすぎる(笑)
結局島に遊びに来て進平にフルボッコにされた新渡戸も可哀想だけど(笑)
最初は命を軽んじる拝金主義だった進平も紗都子に関わって、今まで関係して来た顔や強さ目当ての女とはちょっと違うなってわかって来ましたね
後半では口先の約束を嫌がり婚約を破棄してきた紗都子を見捨てようとしますが、自分が殺される可能性より進平を傷つけた事で涙する紗都子を見て心が動きましたし・・基本内面が子供なんですよね、彼・・
自分を本気で見て扱ってくれる相手と初めて出会ったんでしょう
ちょっと和解した2人に対しまだ問題は山積みです
特に遊女屋の「紫(ゆかり)」は以前から進平に入れ込んでおり、彼を奪った紗都子に激オコです
陰湿な攻撃が来るのは間違いありません
子分の「初音(はつね)」&「早蕨(さわらび)」共々要注意です
それと紗都子の遊女屋での指南役「葵(あおい)」もなんか訳ありっぽい良い人・・・かと思ったら最後あれは何だ???
何にせよ島から出るのに進平の協力が欠かせないのは事実・・
はやく操縦方法を確立するのが大事ですね(笑)
3巻を読む!
進平とは辛うじて仲直り(?)出来ましたが、ここからは女の戦いです
まずは遊女屋以降嫌がらせをしてきた意地悪3人組と対峙・・・ていうか襲われそうになります
でもこの3人、実は紫が他の2人を支配しているだけで全く信頼関係は有りませんでした
それに気づけば攻略法はあります
紫の命令と実行犯にされる恐怖で揺れる早蕨をちょちょいと唆せば・・
あら不思議!内輪もめに発展しました(笑)
紗都子もなかなか策士ですね・・
でもこの3人は前座です
ラスボスはなんとあんなに優しかった葵でした
と言ってもターゲットは紗都子ではなく紫だったんですけどね
これも容姿に自信がなく人を信じれられない葵が、間夫を誘惑したのがきっかけらしいので自業自得ですが・・・
仕返しをして死のうとしていた葵を説得しながら、紗都子は何が何でも生きようとする決意をハッキリ言葉にします
紗都子と葵が本当の友達になって大団円でしたが、紫たちも恐れるおかみさんの「折檻」ってどんだけ恐ろしいんだろう・・・・
後半はいよいよ買収した小舟で脱出計画を実行します
小舟で5時間って・・・酔う!!
闇に紛れて島を出発しますが、会話が続かなくなるよりも早く島の追手がやってきます
島の悪党を束ねている「三枝(みつえだ)」とその部下十数名と船上で乱戦になり、進平は重傷を負い島に逆戻り・・要するに失敗ですね
命に関わる傷を負った進平に人工呼吸をしたり、遊女屋で寝ずの看病をしたりと必死に彼の命をつなぎ止めようとします
同時に進平がいなくなるかもしれないという恐怖に怯えました
幸い進平は命を取り留めましたが・・というか起きて早々紗都子襲ってますが(笑)
こいつ回復力えげつないな・・
しかも紗都子の献身的な看病の話を聞いてしゅきしゅきのデレ感が凄いんですけど・・・脳に酸素が足りなかったか?
ともあれ結局振り出しに戻った訳ですが、紗都子と進平の関係はかなり進んだとみて間違いないでしょう!
島に来てから逞しさを増す紗都子ですが、相手が誰だろうと怯まない芯の強さがとても魅力的ですね
第4巻に続く!
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