
こんにちは Luck’oです
このコーナーは現蔵書2500冊以上、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが超有名作品から知る人ぞ知るニッチな作品まで出し惜しみなく新刊レビューします
いい作品が見つかれば幸いです
※ご注意
多少のネタバレを含みます、それが嫌な方はブラウザバックをお願いします
今回紹介する新刊コミックは4/1発売の
「さよなら私のクラマー」14巻(新川直司)です

概要
累計500万部突破! 『四月は君の嘘』の著者・新川直司の最新作は、女子サッカー。埼玉県蕨青南高校、通称「ワラビーズ」と呼ばれる弱小女子サッカー部に集まった個性豊かな少女達。名セリフの数々と、躍動感あふれる試合シーンで綴られる彼女達の物語から目を離せない!
Amazonより抜粋
反撃の最終巻!!
新戦術「ゲーゲンプレッシング」が絶大な効果を発揮! 見事、ワラビーズは埼玉県選手権大会・決勝トーナメントへと駒を進め―!?
作品情報
タイトル |
さよなら私のクラマー |
作者 |
新川直司 |
発売日 |
2021年4月1日 |
掲載誌 |
月刊少年マガジン |
ジャンル |
サッカー |
サブタイトル
- 第52話 カオスをもたらす者たち
- 第53話 マイチーム
- 第54話 強者の戦い
- 第55話 フットボールの風景
主な登場人物(新規・更新)
なし
ポイント紹介
「カモネギから本命へ」
走力を活かしたゲーゲンプレッシングとDFラインからのロングフィードを戦術として確固たるものにしつつあるワラビーズはもう埼玉県予選のダークホースではなかった
特に中盤での恩田、曽志崎、田勢の連携が高まるにつれ周防や菊池が活き宮坂も自信を持って前線にボールを放り込んだ
その劇的な変化にいち早く気付きフィールドに視線を注ぐ1人の女生徒・・浦和邦成FW天馬の目にワラビーズはどう映ったのか
「日本風に言えばこう言うのかな 〝後の先をとる〟」
「それぞれのカラーで」
勢いに乗って決勝トーナーメントを突破し決勝リーグへ駒を進めたワラビーズ
この4校の中で上位2校に入れば関東大会への切符を手にする事が出来た
蕨青南、浦和邦成が幸先良いスタートを切った第2戦で深津は思い切ったターンオーバーを敷いてくる。周防、曽志崎、菊池達をベンチに置き、福浜、朝日奈、川倉、越前といったバックアッパーで試合を組み立てて行く
最初こそ固さのあった新戦力達も時間の経過と共に少しずつ自分のカラーを出していく
いや、田勢によって引き出されていった
「我々は強者の戦いを強いられているんだ」
「クラマーから未来へ」
関東大会出場を決めたワラビーズの次なる目標は浦和邦成へのリベンジ
これはこの先に続く久乃木学園、興蓮館高校へのリベンジの序章でもあった
その一戦を前に恩田は自分の中にある迷いと向き合っていた
これまでの戦いで出会った強敵達は常に大いなる高みを目指して戦っていた
サッカーを楽しみたい一心でボールを蹴っている自分は同じフィールドで彼女達と戦う資格はあるのか?その問いに同じく自分の景色を見失っていた男が答えてくれる
「ヨハン・クライフが言ってるぜ 〝フットボールを楽しめ〟って」
「フットボールの試合に敗者はいない いるのは勝者とリベンジャーだ」
レビュー
さよなら私のクラマー14巻・・・・そして最終巻です
ゲーゲンプレッシングを戦術に落とし込み埼玉県予選を破竹の勢いで勝ち進むワラビーズは決勝リーグで浦和邦成を破り関東大会で興蓮館高校、久乃木学園にリベンジを果たし全国優勝を勝ち取っていく・・・というストーリーを誰もが期待したのではないでしょうか
かくいう僕もそうです
でもこの作品はそうはなりませんでした
これは作者である新川先生の意向で最初の予定通りに終わらせた経緯があるようですが、スポーツ漫画にありがちな勝ち進めて行くことありきの展開にしなかったのはテーマが女子サッカーだったからではないかと個人的に邪推します
ご存知の方も多いとは思いますがなでしこジャパンは2011年のW杯で優勝し世界一に輝いています
その栄冠とは裏腹にその歴史は本当に泥にまみれたものでした
倒れる事は当たり前、そこから立ち上がる事にこそ女子サッカーの意義はあるとばかりに厳しい現実との戦いを強いられてきました
ワラビーズとはそういった女子サッカーそのものではないかと感じました
もちろん勝負である以上勝ち負けは大事だし結果は必ずつきまとう物です
でも楽しんだ者勝ちだと彼女達は言っています
もしかしたらこの物語の主人公は深津監督かもと思いました
彼は大きな才能と明るい未来を持っていましたが、怪我で夢やぶれ指導者としても挫折しいじけた気持ちで日々を過ごしていました
夢に敗れ生きる事に疲れた大人がまた新しい夢を持つまでの物語
それならここで終わっても変じゃないですよね
未来に踏み出すきっかけを得ることが出来たんだから
その深津監督は選手達に大きな気づきを与えてくれました
それぞれが持つ得手を最大限に引き出してくれます
選手達もその言葉を受けて考え、走り、泣いて、立ち上がります
それは誰の為でもなく自分が納得をして戦う為であり、その個人の成長がチームとしての成熟を促して行くのです
ワラビーズも深津監督もそして女子サッカーの物語もまだ終わっていません
4月からはアニメ化も始まり劇場版も予定されています
新川先生の新しい一歩を心待ちにしながら楽しみたいと思います

試し読みはこちらから↓↓
主な作者関連作品
- 「冷たい校舎の時は止まる(原作・辻村深月)」講談社・全4巻
- 「さよならフットボール」講談社・全2巻
- 「四月は君の嘘」講談社・全11巻
ところで
みなさんは挑戦したい事はありますか?

僕はバタフライです!(ビシッ)
・・・オボレルゾ・・
ではまた次回の新刊で!
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