【クラシック】第17回 塀内夏子「Jドリーム」を読む!

Jドリーム01 スポーツ
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのは塀内夏子「Jドリームです

この作品はオフサイドでサッカー漫画家としての礎を築いた塀内先生の次作となっています
丁度世は「Jリーグ開幕」を迎えておりサッカー漫画もアマチュアからプロを描く作品に変化していく時代でした(唯一サッカー不毛のジャンプを除いて)
オフサイドで培った熱血サッカーと得意の(?)貧乏エピソードを交えた汗と涙に溢れる作品となっています(褒めてる)

作品概要

【作品名】
 Jドリーム 
【作者】
塀内夏子
【連載期間】
 1993〜1995 
【巻数】
全14巻
【掲載誌】
週刊少年マガジン

作品紹介

■ジャンル

「サッカー漫画」の中で今回は「プロサッカー」にフォーカスした作品です
舞台はおおまかに1992年~1993年ごろで、Jリーグ黎明期のプロ化熱狂やその先に現実味を帯びて来た「ワールドカップ出場」を目指すアジア予選の戦いを描いています

■メインキャラクター

「赤星鷹(あかほし たか)」
16歳、鳶職の父親と一緒に全国を転々としてきた少年、サッカーボール扱いは上手いがサッカーはほぼ知らない

「本橋譲二(もとはし じょうじ)」
32歳、三菱重工→三菱浦和レッドダイヤモンズ所属、長年の怪我や疲労もあり引退も視野に入れている

「小林宏(こばやし ひろし)」
31歳、鍼師、浦和専属トレーナー、本橋とは長い付き合い

■謎の少年・鷹

主人公の鷹は今の洗練されたサッカー漫画主人公とはかけ離れたキャラクターです
まず「サッカー出来ない」(ドーン!)
2歳の時に母親が「これで遊んで待っててね」と言ってサッカーボールを渡されそのまま蒸発しちゃいます・・・悲しすぎる
その後不定鳶職の父親に連れられ全国を転々とします
その間遊び相手はサッカーボールだけ、だからボール扱いは上手いけどチームプレーは出来ない



中卒の鳶職でサッカー経験なし・・とてもプロになれる素材ではありません(笑)
なのになぜか浦和レッズのセレクションを受け見事・・・落ちます(チーン)
そこで偶然出会ったレッズの中心選手・本橋に拾われサッカー選手としてのキャリアがスタートします

■新旧交代

鷹はなんとかレッズの二軍登録に滑り込みます
本橋も引退間際に訪れた最後の花道に向け入念に調整しますが、長い現役生活で身体はボロボロ
Jリーグ開幕を目前にして負傷交代の相手が二軍で活躍した鷹だったのは何とも皮肉でした
本橋はこれを機に引退し、ストーリーは鷹を中心に回って行きます



そしてここで新キャラ投入!
J1(今のJ2)神命電機の大型FW「北村大地(きたむら だいち)」
通称は「J1の虎」・・・なのに火事で焼けた実家の養豚場を再建する為に必死で点を取る貧乏の星(笑)

■日本代表招集

Jリーグでの活躍が評価され鷹&北村は日本代表に招集されます
代表はブラジル人監督「セルジオ・レネ」の下初のワールドカップ出場を目指していました
代表編ではチームの中心となっているGK「富永朗(とみなが あきら/ジェフ市原)」とDF「嶋泰明(しま やすあき/清水エスパルス)」とこの頃のサッカー漫画で顕著だった実物寄せのモブさんが登場します

★その他の方々
三船(三浦知)、滝沢(北澤)、松田(武田)、伊原(井原)、柏谷(柱谷)

でもなぜか福田は実名!レッズの許可でもあったのか?

■アメリカW杯一次予選

相手は中国・マレーシア・バングラデシュ・UAE
今の印象なら楽勝!と思うでしょうがこの頃の日本はまだまだアジア中位国ですからね
油断は出来ません
生意気な弟分キャラで代表定着(?)の鷹は野生の勝負勘と日本人らしからぬ意地汚さ(誉め言葉)で必要不可欠な人物になってきます
怖い物知らずな鷹とデカい図体にノミの心臓な北村は良いコンビになってますね
ここで嶋が骨折で戦線離脱となり都並枠を押さえます(わかる人いるかな?)

■Jリーグ開幕そして最終予選へ

ついにJリーグが開幕!
最終予選のライバルとなる韓国代表「崔潤和(チェ ユンファ)」がヴェルディ川崎入りして開幕を盛り上げます



しかし物語の締めはアメリカW杯最終予選です
対戦相手はイラン・イラク・サウジアラビア・韓国・北朝鮮
まんまです!!



最後の新戦力は3人

「本郷剛(ほんごう たけし/サンフレッチェ広島)」
元日本代表DF、「守護神の後ろを守る男」の異名を持ちラインコントロールに長ける

「上條直也(かみじょう なおや/ASフリューゲルス)」
190センチの長身次世代GK、身体能力を発揮したセービングが得意

「黒崎一心(くろさき いっしん/鹿島アントラーズ)」
運動量豊富なMF、あだ名は太助(一心太助??)


普通最終予選で3人追加はありえないけどそこは漫画なので・・
決戦の地はドーハ!(まんまやん②)
勝ちたい気持ちはあれど手段は人それぞれで大一番を迎えてもチームのまとまりはイマイチでした
一番の問題はDFラインを下げたい富永と上げたい本郷の不一致
しかも本郷はレネ監督の意見も無視して勝負したがる性格・・・良く選んだな
でもこういう曲者を上手く扱ってこその監督ですからね



4試合の結果はさすがにまんまとは行きません

〇イラン(2ー0)

●北朝鮮(0ー1)

〇サウジアラビア(3ー2)

〇韓国(4-3)

でも紆余曲折を経て勝てばW杯出場の大一番で相手イラク(まんまやん③)



まだ実力でアジア上位にも及ばない日本が歴史の壁を壊すべく奮闘した戦いは現実と同じ結果で幕を閉じます
アマチュアとプロ、旧世代と次世代がひしめく時代を素晴らしい熱で描かれた作品だと思います
塀内先生の描くアラブ人ってメッチャ強そうなんですよね
これくらい「外国人」って雰囲気だと国際試合の緊張感が違います
ここから日本サッカーはフィクションの枠を飛び越えた成長を見せる事になりますがそれはまた別のエピソードで・・
これにて「Jドリーム」読了です!

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