第60回 八海つむ「ひともんちゃくなら喜んで!」を読む!

ひともんちゃくなら喜んで!01 職業・ビジネス
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのは八海つむ「ひともんちゃくなら喜んで!です

この作品は1巻が出た時から読んでいましたがこの度完結したと言う事で読み直して行きます
確か表紙買いでしたが実際の絵はもうちょっと線が細めで急にハイな展開になったりと勢いはかなり感じました
テーマ自体もコンサルタントという一般に聞きなれないジャンルなのも興味を引きましたね
絵は多少好みが分かれるかも知れませんがストーリー展開はしっかりして面白い作品だと思います

作品概要

【作品名】
 ひともんちゃくなら喜んで! 
【作者】
八海つむ
【連載期間】
 2021〜2023 
【巻数】
全8巻
【掲載誌】
裏サンデー

作品紹介

■ジャンル

この作品のジャンルは「ビジネス」「恋愛」です
会社コンサルタントを通して人と仕事との関係あり方や色々な問題児タイプを教えてくれる傍らで、クライアントとの禁断(?)の恋愛模様を描くお仕事漫画となっております
これから社会で揉まれる人、ブラック企業にお勤めの人必見です

■メインキャラクター

「人見まもる(ひとみ まもる)」
(株)オフホワイトのコンサルタントあだ名は「天使すぎるコンサルタント」
しかしその実態はPRや接待ばかりの広告塔でコンサル実績はほとんどなし!のお飾り社員
経理一筋で会社に貢献した尊敬する亡き父に近付こうとコンサルの道を目指した彼女にとって忸怩たる思いを過ごしている
メイクを落とすと「スッピン地蔵」

「佐京紫織(さきょう しおり)」
アパレル会社(株)ジェットブラック社長でやり手のイケメン経営者
業績は好調ながら自社が「新入社員離職率100%の超ブラック企業」という現実に悩んでいる
まもるのスッピン地蔵に一目ぼれした

■社内編

来る日も来る日もPR活動ばかりでコンサルが出来ないひとみ(スッピン)に一目ぼれした佐京はオフホワイトを訪れ彼女へのコンサルタント指名を行います



結果は・・・「ノー」
でしたがそこを上手い事言いくるめコンサルにこぎつけます
悪い事考えさせると冴えている男・・・



という流れでコンサルタント新人のまもるは強敵蠢くブラック企業へと足を踏み入れます
経験はないながらもコンサルとしての勉強はしっかりしているまもるに襲い掛かるのはジェットブラックが誇るベテラン社員「マウント四天王」です

■マウント四天王

最初の刺客は「ボンバイエ高円寺」こと「高円寺エリカ(こうえんじ えりか)」
彼女の愛社精神は他の追随を許さないものでしたが、その行き過ぎた愛が部下への対応を歪め有無を言わせない圧力として苦しめていました
そんな彼女に人見が提案したのは怒りをコントロールする「アンガーマネージメント」でしたが、怒りを通り越して物理破壊に手を染める高円寺を見た紫織の判断は速攻の「クビ」・・⁉



2人目の相手は「シャーデンフロイデ桃井」
紫織を敬愛するあまり彼に近づく女性全てに嫉妬し貶める事で悦に至る粘着質系です
当然今回のターゲットとなってしまったまもるは自身に降りかかる災厄を体感することで対策を練っていきます
嫉妬や執着は紫織から頼られたい気持ちの裏返しであることから、彼女のポテンシャルを発揮できる状況をわざと作ってチャレンジする機会を与えてみます
それはワンマンで営業する紫織にとっても大きなプラスに変えられる力だったと知ります・・



3人目の相手は「マニピュレーター常盤」こと「常盤舞子(ときわ まいこ)」です
マニピュレーターとは他人を支配する性質の持ち主で「羊の皮を被った狼」とも例えられる存在の事でした
「責任転嫁、合理化、話題転換、被害者の演技」に長け、自分は被害者側だという一貫した演技と、人心掌握に長け時には数の力で正論をねじ伏せてしまう能力を持っています
一時は守勢に回りますが、高円寺と桃井の協力を得て佐京が直接評価をする「ウィンウィン」の関係に持ち込んで行きます



四天王最後の1人は「ラブ・ジャイアン(愛の簒奪者)すみれ」こと「美澄レミ(みすみ れみ)」
ルックスという暴力で組織の平穏を乱す厄介者です
しかも彼の「奪い癖」のターゲットにまもるがロックオンされてしまいますが、これは佐京の逆鱗に触れてしまいます
一時は大人しくなったスミレでしたが、まもるのアドバイスを勘違いして再び息を吹き返します
スミレの仕掛けで社員20人の会社で7人が抜け死に体かと思われましたが、高円寺・桃井・常盤が「新奥義」を発動し残った社員をまとめていきます
最後の一手は佐京とすみれの直接対決でしたが、佐京がすみれの存在をちゃんと認める事で解決への扉が開こうとしていました・・

■元カレ登場

次はまもるの元カレ「ナルシスト速水」こと速水仙(はやみ せん)・・本名「速水仙吉(はやみ せんきち)」の登場です



「ナルになるべくしてなったナル」
・・・とんでもない男です(笑)
裏付けされてない自身って怖いですよね~・・ある部分までは・・
まもるにまだ愛されていると勘違いしているナル男に佐京も一時はペースを乱されあろうことか手(厳密には足)を出して示談交渉に展開してしまいます
しか~しここから修羅場を越えて来た男とメッキ仕立ての男との差が出てきます

■最凶の敵

これで社内は粗方ホワイトニング出来たのですが・・お次は社外の敵と戦います
と言っても相手は元ジェットブラックの社員にして佐京の右腕「瑠璃(るり)」です



過去最も佐京の近くで彼を支え続け急成長する会社と疲弊する社員を繋ぎ続けた功労者
その結果自分自身も壊れてしまい会社を去った人物で、会社への嫌がらせも彼女が主導していました
そのみそぎをしようと佐京も動きますが彼女の本性は「サディスト」
過去と向かい合い苦しむ佐京を見て「愉しんで」いました
・・・またえらいのがでてきましたよ・・・

■瀕死のJB

瑠璃が経営する会社「(株)ノーカラー」の陰謀により内部情報が流出しジェットブラックの商品が全く売れなくなってしまいます
精神的ダメージもキツイですが会社に取っては経営的なダメージは倒産に繋がります
従業員の士気は高くとも売上が伸びない苦悩が佐京を追い詰めます



同じくしてまもるは最後の試練として「脱コンサル」を提唱しジェットブラックとの関りを少なくしていましたが、別の行動で助けに入ります
その手段は・・・ノーカラーへのコンサル介入!!
敵の塩になっちゃいました(笑)
その挑戦を受けた瑠璃ですが当然のようにコンサルの仕事をさせず雑務ばかりを押し付けてきます



そこでまもるは会社の№2で真面目すぎるドM人間「千影史哉(ちかげ ふみや)」に目を付けます
彼は瑠璃と会社に忠実なあまり他人の苦悩には目もくれず厳しく当たる事が正義だと思っていました
千影を切り口に社内環境改善を取り組んだ先は佐京が仕掛けた「新規事業」へと繋がって行き瑠璃の野望は足元から崩れ去って行きます
コンサル以外にもSMの極意も学べます(笑)

■最終試練

内外共にホワイトニングを完了しこれで大団円・・かと思ったら大きな落とし穴が・・・
モチベーションの高い社員に囲まれた仕事環境はブラックで働き詰めだった状況と何ら変わりはないのです
やる気が違うだけで・・・



元々結果至上主義者である「マキャベリスト佐京」は仕事を前提にしないと物を語れません
どこまでいっても仕事にしか引っ張れないのです
そこで頑張り過ぎを抑制する為に提案したのが「有給消化&慰安旅行」です
いや~ハッピーエンドですね



まもると佐京がハッピーエンドになるのはマストなのでそこは置いときますね(笑)
序盤はコンサルタントの定義の基づいて問題解決に取り組んでいましたが、組織を回すのも壊すのも最終的には「人」なんだと教えられる作品でした
これにて「ひともんちゃくなら喜んで!」読了です!

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