第17回 なかじ有紀「×××な関係」を読む!

×××な関係07 恋愛
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)のボクが、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのはなかじ有紀「×××な関係です

この作品は発売日表を見て購入しました

というのもなかじ先生の作品はかなり昔から読んでいたのですが暫くご無沙汰だったので懐かしくて購入しました

普通昔好きだった作家さんでも時間が経つと絵柄や作風が変わってしまう事もままあるのですが、なかじ先生は絵柄は洗練されつつも内容は好きだった頃のままで嬉しかったです

最近は昔から好きだった作家さんの新刊なんてなかなかお目に掛かれないので今後もコンスタントに活躍されることを願っております

ちなみにタイトルの「×××」「キスキスキス」とルビがふってあります

作品概要

【作品名】
 ×××な関係 
【作者】
なかじ有紀
【連載期間】
 2019〜2023 
【巻数】
全7巻
【掲載誌】
白泉社オリジナル×LINEマンガ
【ジャンル】
恋愛・仕事

作品紹介

1巻を読む!

主人公は出版社「心泉社」に勤めるかけだしの漫画編集者「星野まひる(ほしの まひる・24)」
仕事は拙いながらも元気とやる気は欠かさないまだまだポジティブな社会人



そんな彼女の憧れはデビュー作から大ファンの漫画家「花咲里央(はなさき りお)」

いつかは担当になりたいと思い描くまひるが「一生分の運を使い果たした」と思わせる出来事が到来します
先輩社員で花咲里央を二人三脚で売れっ子作家にまで育て上げた「百合(ゆり)」先輩に代わり花咲の担当を仰せつかります

しかし花咲先生の顔を見たまひるはショックを隠せませんでした
その理由は数日前飲み会帰りに公園で解放した上、一夜を共にしてしまった(⁉)男性だったからです
幸い何もなかったようですが、花咲は引継ぎの間終始不機嫌なままでした



未熟者社会人OLとイケメン少女漫画家・・・うん!テンプレですね!
どうせ最終的にこの2人はくっつことは確定なのであとはいかにそのプロセスを楽しむかです

まひるは編集者としての経験値はまだまだ未熟ですが、唯一胸を張れるのは読者として花咲を誰よりも理解しているという事です
百合のように編集者として作家をリードする事は出来ませんが、ファンとして作品の機微をつぶさにチェック出来る感性を武器に花咲との距離を縮めようと試みます

しかし漫画家の卵からヒット作家になるまで共闘してきた百合との絆は生半可なものではありません
花咲に至っては仕事のパートナー以上の感情を感じますが、仕事として引き継いだ以上まひるも尻込みばかりしていられません
ましてや憧れの作家を担当できるチャンスなんてまたあるかわかりませんからね



対する花咲はかなり気分屋の作家で乗らない時はとことん原稿を放置し落としかける事はザラなタイプです
顔は超イケメンなのに性格はドS・・・
こういうタイプはプライドをくすぐって仕事させるのが良策です
図らずもまひるの花咲に対する情熱はくすぶりかける彼のモチベーションに度々火を着けます
自分を理解してくれる相手は嬉しいはずなんですが、花咲もイマイチ素直になれません



その上、持ち込みをしてきた作家の卵「大塚陽(おおつか はる)」の面倒も見なければならず、スキルアップの為に花咲のアシスタント打診をしますが・・・
脱稿明けで意識朦朧の花咲に言質をとったつもりのまひる・・・これ絶対揉める奴!!

そんなこんなで漫画制作に携わる大人同士のラブコメがスタートします
まひるは努力を積み重ねて花咲の信頼を勝ち取る事が出来るのでしょうか⁉
・・付き合うのは間違いないと思いますけどね(笑)

2巻を読む!

2巻は全体的にしくじってる印象なのに最後は上手くまとまってますよね!
さすがなかじ先生!



まずは前回アシスタントの言質をとったハルを花咲の元に送り込みます
勿論本人は了承した事実すら覚えていませんが・・(笑)
とにかく画力が標準以下のハルは持ち前の丁寧な仕事だけを武器にアシスタント業を順調にこなします・・・が、そのまま終わる訳はありません
お約束の様にコーヒーを原稿にこぼしやり直しイベントが発生します
・・・昭和のコントか??
でもここは花咲がプロ作家としての矜持を見せつけハルのケツを拭いてくれました
初めて花咲カッケェと思いましたね!



お次は担当作家「野いちご」と打ち合わせ兼食事をしていると、店の外でヤンチャ坊主達に絡まれてしまいます
するとどこからともなく現れた花咲(1人焼肉中)が助けてくれましたが、その際に利き腕を突き指してしまいました
編集者&担当作家としては痛恨の出来事ですよね
まひるも花咲も悪くないのですが後味の悪さが残ってしまいます



右手が不自由な分お世話係を買って出たまひるとのイチャイチャイベントでちょっと距離感が縮まりましたかね?
その成果か新刊発売イベントのサイン会を9巻にして初めて了承してもらい担当編集者としてのステータスもちょっとアップしました!



後半は元担当で花咲の憧れの人・百合に関する話が出てきます
百合は異動だけでなく妊娠・結婚も発覚(⁉)し、花咲の精神的ダメージはMAXまで行ってしまいます
そんな彼女を任せるに足る旦那か見定めに彼が経営する和食屋に足を運びます(なかなかアグレッシブ・・・)
結局イケメン+料理上手+性格良しと非の打ちどころのない旦那さんで丸く収まりますが、晴れて(?)花咲が失恋した事でまひるにチャンスが来るんじゃないのでしょうか?
・・・まぁ、ほっといても引っ付きますけどね・・・・

3巻を読む!

3巻は年末年始のバタバタがある中、スキを見て花咲とまひるがいちゃつきやがります(笑)
普通漫画家って「年末進行」ってやつで死んでるんじゃないんですかね?
その割に余裕そうなのは売れっ子作家だからでしょうか??



まひるは年始に控える「作家懇親新年パーティー」の幹事に選ばれ右往左往していました
編集者っていうと常に作家さんと会社の往復をしているイメージですが、あくまで会社員ですからその他の会社行事もしっかりこなさないといけないんですね
漫画家が編集者視点の仕事を描くってちょっと面白いですね(笑)



慌ただしいうちにクリスマスが過ぎようとしますが、そこはちゃんとイチャつくイベントが用意されていました
というか花咲が自主的にまひるを引っ張り出してそのままクリスマスデートに出かけちゃいました
憧れの漫画家(しかもイケメン)の担当者になって、仕事も順調で、ちょいちょいイチャつけるのが編集者ならみんな目の色変えて就職しますよね・・・
つまり夢の話って事です(泣)



年末年始の休みを利用してまひるは実家に帰省します
ここでまひるのプライベートについていくつか新しい情報が出てきます

・実家は旅館(星乃屋旅館)
・バーニーズマウンテンドッグのモモジロー(7歳)を飼っている
・両親はありえないくらい若くて美形
・幼馴染の男子がいる(「丸山慎(まるやま しん)」

などなどです



そこに呼んでもいないのに花咲が泊りにやってきます
・・・もう完全に好きやん・・・
いつの間にか原稿だけでなく花咲の心も鷲掴みにしちゃましたね~
朴訥なようでちゃんとヤル女だな・・・



そのまま旅館や年明けのパーティー後にイチャつくのは割愛して・・・
ハルがようやく新人賞佳作に入選します!
花咲のアシスタントで開眼したみたいですが、基本花咲やまひるに懐きまくってるのでライバルキャラにはならないと思います(チーン)
しかし花咲は百合への失恋後一気にまひるになびいてきましたね~
きっと寂しかったんでしょう(笑)

4巻を読む!

引き続きずっとイチャついてました!終了!!



・・・という訳にはいかないですね(笑)
年が明けて「マンガ移動教室」の司会担当に任命されたまひるは、会社の期待を一身に背負って花咲に講師登壇のお願いをします
デフォルト設定で花咲はこういう社交的なイベントを嫌っており、百合が担当の時ですら全て断っていました
それがまひるに代わった頃から渋々ながらもOKしてくれるようになると、普通なんかありそうって疑わないもんですかね~
正直まひるってやる気はあってもまだ実力を評価されている訳ではないキャリアですからね
この辺穿った嫌な同僚は出て来ないので一安心(笑)



その後、花咲の提案で真昼の家に行って鍋パーティー→まひるが全て担当したコミックス10巻の発売にかこつけてイチャイチャ→まひるが熱を出して花咲が看病に押しかける→花咲マンガグランプリの審査員でハルを評価&百合の出産祝いでまひるが花咲との関係をカミングアウト
・・・・ね?イチャついてばかりでしょ(笑)



実際の所、お互い好きなのは間違いないんですが勢いに乗っている方がイニシアチブを握りもう片方は振り回される展開なのでお互いが好きを全開にして絡み合っている訳ではないんですよね
7割方花咲が押していますが、それでも夢のような展開にまひるは半信半疑です
「まだ」キスしかしてませんから!!
あ~まどろっこしいわぁ~
でもこういうピュアラブな展開がなかじ先生の良い所と言えばそうなんですけどね



その裏で地味に伸びているのがハルくんですね
最初は目も当てられない画力でしたが、花咲からいい影響を得続けてついにデビューを勝ち取ってしまいます!
オメデトー!!!!
この子の漫画への熱意と純粋さは徐々にスレていくまひるの代わりにヒロインでもいいくらいです(笑)
季節イベント毎に2人がイチャついてるだけなのでそろそろ変化が欲しい気がしますがこの先どうなるんでしょうか?

5巻を読む!

5巻の内容より帯に書いてあった「デビュー40周年」の文言に驚きました
すごいですね~・・・いくつなんだろ??
20歳でデビューしたとしても還暦ですよ、それであんなピュアラブが描けるって凄いですね
なかじ先生の漫画はいつまでも変わらない良さがあります!



という訳で今回は「ハルデビュー」「バスハイク」の2本立てです!
ハルのデビュー作は上々の人気ですぐさま続編が会議で俎上に上がります
これまで苦労人キャラ(というかただの下手?)でしたが、作品中で一番右肩上がりの成長を見せていますね~

そんなハルとの打ち合わせでまひるが彼のメガネを壊してしまい慌てて代わりを買いに行くのですがひとつ同じメガネ者としての疑問が・・・
「今かけてるメガネ壊したら代わりがないっておかしくね?」
いくら苦学生とはいえ普通メガネの予備って持ってませんか?どうでもいい所が気になりました(笑)
話を本編に戻すとハルのデビューにかかりっきりのまひるに対し花咲が苛立ちを見せたので、これは下剋上あるか⁉と思いましたが結局イチャついてましたね(チッ)



後半は心泉社主催の「バスハイク」が催されます
要するに漫画家集めたバスツアーです
鉄板で最初はゴネた花咲でしたがまひるの交渉で参加を了承しますが、最後までバスに乗る事無く自由気ままな個人行動を貫いてました(笑)
この辺のキャラはしっかりしてて良いですね、振り回されるまひるは気の毒ですが・・・
ここでまひるは上司から花咲が日本有数の一大コンツェルン「花咲グループ」御曹司であることを知らされます
これまでの傍若無人キャラは生粋のおぼっちゃま気質から来てるのでしょうか?
この設定今後に影響するんですかね
場外ではハル&野いちごと「五月ルナ(さつき るな)」の新人作家マウントバトルが繰り広げられます・・・あ!もちろんハルは小動物のように怯えるだけですよ(笑)



巻末に読切「人生はバラ色だ!」が収録されているので本編は短めでした
こっちも宝塚的な物を卒業した男役の主人公とイケメン俳優との掛け合いがキュンキュンしました
やはりなかじ漫画のヒロインはウブでないといけない!!

6巻を読む!

しばらく新刊が出ないな~と思っていた矢先に6・7の2巻同時発売&完結となりました
だいたいちょっと間が空くとそのパターンですね
忘れた頃にやって来る(笑)



ここまで順調にイチャイチャしていた2人ですが、あと残されてる問題って5巻で出て来た花咲の実家問題ぐらいですかね・・
序盤からいつも通りイチャイチャしてましたが、2人で取材後雨に降られてそのまま花咲の部屋へインーーー!!!
最初に出会ったエピソードが花咲視点で語られなぜ彼がまひるを好きになったのかが解明(?)されます
そのまま2人はベッドへゴールイン!(下品)
なんか少女漫画のなかじ作品しか知らないのでこの展開はとても新鮮でしたね
まぁいい大人なんだからそれくらいは進まないとね~



花咲と同じシャンプーの香りをさせるまひるをみてハルの片想いも終了し人間関係の整理はほぼ終了です
受け皿にちゃんと野いちごいるんで安心してください
なかじ作品に悲しい結末はありません!(イメージ)



で花咲が「マンガ大賞」を受賞し親族を招待という話から件の花咲過去編がスタートです
本名は「華咲理央」らしいのですが、里央だけは「花咲」でいきますね

明治時代から続く財閥家系で家族は父母に姉が3人
父・和央は明治時代産まれみたいな厳格なキャラ(なのに顔は花咲なので威厳がイマイチ)で、帝王学を子供の頃から叩きこまれていました
それが高校時代に5巻で出て来たベテラン漫画家「篠田千尋(しのだ ちひろ)」の作品を目にした事から漫画に目覚めるも親は反対!!って展開ですね
まぁそんな目新しい展開ではないのでそのまま勘当って所ですかね?
その結末は7巻で語られます!

7巻を読む!(完結)

ではラストへ駆けて行きましょう!
・・・と言っても過去編は漫画を描きたい意志を貫いた花咲が家を勘当されて終了です
その後の苦労が大きかったようなのでそこ見たかったけど・・



あとはマンガ大賞受賞式招待へ向けてまひる主導で里帰りしますが、特に山場はありませんでした(チーン)
人間関係のドロドロより意地になって家を出た花咲の心の氷解が一番大事だったんでしょうね
母親は元から花咲の味方だったし、父親も息子が一人立ちした姿を喜んでいるしやはりこの漫画は良い人しか出て来ません(ホッコリ)



ラストは授賞式にみんな集まって大団円です!
作中一番の驚きはプロポーズと結婚式端折った事ですかね・・・何故!!???



そもそも花咲は売れっ子作家の地位を確立してるし、まひるも2年目で駆け出しとはいえ大手出版社で社会人としての地位もあるしそれなりの収入もあるんでしょう・・
周囲の人を見てても金や生活に困っている人はいないし(どちらかといえば平均以上)人の心の波風を見て喜ぶ漫画ではなく、2人の主人公が緩やかにそして確実にゴールに向かう姿をホッコリしながら見る漫画でしたね
それがなかじ先生が好きな人にはたまらないんです!!
日常で疲れ果てた大人に捧げたいスイーツのような恋愛漫画です!
この漫画には悲劇も、恨みも、妬みもなくみんな妖精さんのようにきれいな心を持っています(笑)
終わって早々ですが次回作期待しております!



あ、ついでにハルくん1巻発売おめでとう!

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