第10回 コトバノリアキ「姫騎士は蛮族の嫁」を読む!

姫騎士は蛮族の嫁06 SF・ファンタジー
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)のボクが、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのはコトバノリアキ「姫騎士は蛮族の嫁です

「ニコニコ静画ランキングトップ10入り」などネットでの前評判が高かった作品ですが、ボク何で知ったんだろう?(覚えてない)

新刊発売日にタイトルと表紙見てだと思いますが、なんとなーくわかりそうで興味をそそるタイトルや好みの範疇っぽい絵柄が興味をひいたんでしょうね、多分

6巻の帯では30万部突破となっているのでワンチャンアニメ化もありますかね?

でも内容の進行が遅いのとやたらマッパシーン多いのでどうなのかな?って思ってます

作品概要

【作品名】
 姫騎士は蛮族の嫁 
【作者】
コトバノリアキ
【連載期間】
 2021〜 
【巻数】
既刊6巻
(2023.10現在)
【掲載誌】
別冊少年マガジン
【ジャンル】
ファンタジー

作品紹介

1巻を読む!

時代は辰暦1342年(と言ってもわからん!)

主人公はイルドレン王国東方征伐軍第一騎士団長「セラフィーナ・ド・ラヴィラント(通称セラ)」
王族でありながら剣の才に恵まれ15で騎士となり19で筆頭騎士となった才女である
そのせいで20を過ぎても婚期を逃し貴族だけでなく身内にまで陰口を叩かれる始末・・かわいそうすぎる・・・
それでもイルドレン王国の為に剣を振り7年続く第17次東方征伐に出征します



実はイルドレン王国は悲しいくらい土地が瘦せており作物が採れず狩猟も芳しくない「メシマズ」な国なのです
なので食糧を確保する為にはよその土地に遠征しなければならず、イルドレン王国は東方の「蛮族」が住む土地に侵攻していました
・・・こっちが蛮族じゃね??



まぁそれはともかくセラは純粋に民を食わせる為必死に蛮族と戦いながら食糧を求めていました
・・・が、健闘虚しく蛮族の戦士に倒され捕虜となってしまいます(チーン)

当然本人も死よりも辛い責め苦や凌辱を覚悟しましたが、敵将である『大族長隻眼のウルダインが嫡子「雷声のヴェーオル」』が要求して来たのは「結婚」でした⁉



代々彼の一族は東征してきたイルドレン王国の兵士から女を攫って嫁にする習慣があり、ヴェーオルは剣の実力も兼ね備えたセラに一目ぼれしてしまったのです
・・・田舎の嫁不足は世の常ですかね(笑)



かくして捕虜から一転してヴェーオルの嫁候補となったセラ
当然昨日までの敵に対し簡単に「はい!わかりました!」とは言えません

幸い無理強いをしてこないヴェーオルの配慮で客人として迎えられたセラはこれまで戦って来た「蛮族」の生活に目を見張ります



とにかく土地や自然が豊か!!
そのおかげで食糧も豊富!しかも伝説扱いだった「竜」が主食⁉
もうカルチャーショックどころではありません
しかもこれまでに「敵」として殺して来た相手の家族と相まみえると、自分の正義が正しかったのか自問せざるを得ません



とりわけヴェーオルは巨躯で髭まみれの野蛮人かと思えば、人望厚く器量も良くしかも剣の腕はセラよりも上と来ている
・・・そんな男がセラにベタ惚れなのである
これまで民の為に戦うことしかしてこなかった姫騎士には情報が渋滞しすぎて正しい判断など出来るはずもありません



こうしてヴェーオルはと側仕えの「ツェツィ」と共に始まった蛮族との生活はセラに何をもたらすのでしょうか???
まぁとにかくセラの気が強すぎて頑なな為トントン拍子とはいきませんが、肥沃な大地と髭を剃るとイケメンな旦那候補に心が動かない訳ではありません
結構お似合いなのでこのまま上手く行ってくれるといいんですけどね~

2巻を読む!

セラはヴェーオルに紹介された人物を見て目が点になります・・・

森人(イクスト)の理術師「カクカ・ロト」
霊樹(クフウェク)の蕾「ニムハラ」
妖精(テフュー)の大長「ヴュフメーク」
鉱人(クイェフト)の三賢老「ヴァス老・グアス老・バルハス老」

どれもお伽話の世界に出て来る種族でモチロン初見です!



これにヴェーオルら汎人(コーネム)を加え「五大氏族」と呼び、「諸部族連盟」を形成しています 
その理由は「澱みから生まれる魔物」に対抗する為らしいのですが、これは後に大きな事件になりそうですね~



そしてセラの状況への一番の理解者が登場
前回の遠征でセラの部下だった女性「ナィレア」です

彼女もかなり腕の立つ騎士であり貴族でしたが、戦場で敗れ妻に娶られていました
しかも2人目ご懐妊中!!
ヴェーオルがいう習わしがガッツリ現実味を帯びて来ますね~
敵を蛮族呼ばわりし攻撃を仕掛けて来る人間と、そこで女を嫁として攫って行く人間・・・どっちもえげつねぇ(汗)



ここまでの生活でセラも見知らぬ人間を「蛮族」と呼び、自国の利益の為に略奪する行為自体と真摯に向き合う機会を与えられました
彼女はどんな結論出すのか・・の前に新キャラ投入です

セラの東征に同行していた「マルシアス」従軍司祭
彼女は純粋を超えた「公暦教(コモネラきょう)」の教信者で、蛮族に対する敵意や憎悪がハンパではありません
状況を混ぜっ返すにはちょうどいいキャラです(笑)
本隊をはぐれたマルシアスは森の生命力から奪った魔力を行使して辺り構わず無差別に攻撃を繰り返します
・・その結果、「澱み」を作ってしまい「魔族」に取り込まれかけます



駆けつけたヴェーオルやセラの活躍で助けられると行きついたのはセラと同じ「捕虜部屋」です(チーン)
もちろん害を加えるつもりはないヴェーオルでしたが、マルシアスの異常な蛮族叩きで話は平行線のまま・・
間に割って入ったセラとも口論になり20年前の東征で死んだ「ウィスタレシア王女」に話が及ぶとヴェーオルが一言

「ウィスタレシアはわしの母だ」



・・・・・・・
えええええぇぇぇぇぇぇ!!!????
マルシアスなんかショックで「オロロロロロロロロロロロロロ!!!!!!!!」

なんか人間関係複雑になってきたし、既にセラはヴェーオルの立場からモノ喋ってますね~
嫁確定!!ってかヴェーオルオッサン面で18歳かい!!

3巻を読む!

今回はほぼほぼ「イルドレン王国の常識」であるマルシアスが主役です
と言ってもマルシアスはちゃんと(?)捕虜のままです(笑)
要するにヴェーオルと生活を共にし始めたセラと本来の目的に近い価値観を持つマルシアスとのギャップを楽しむ回です



まずは2巻から棚上げになっていた「ウィスタレシアはヴェーオルの母説」はご本人登場によってあっさり肯定されます
イルドレン王国王女にしてセラの姉のような存在・・その実態は⁉

14歳で婚約者を打ち破り婚約破棄からの自己叙爵
山賊・野盗・麻薬売人を蹴散らし最終的に第十六次東征を率いた「姫というか姫騎士」
その人にかかれば公暦教も「7万8千年続いてるとか大法螺吹いてるトンチキ教団」呼ばわりです(笑)



マルシアスの凶行によって荒らされた森はカクカ・ロトを中心とした土地の浄化と植樹で賄われなすが、当然参加義務が課せられたマルシアスもようやく自分が行った事の罪を認識します

まぁちょっと教団に洗脳されてる感あるんでかわいそうだけど・・・ドンマイ!
その上、魔物に取り込まれかけた際に記憶を失くしたらしく・・・弱り目になんとやら(チーン)
ド・・・ドンマイ!!(気休め)



実はツェツィもイルドレン王国出身とわかります
理想としては蛮族の色々な知識を上手くイルドレン王国に還元して食糧難が解決されればいいんですけど・・・民族間の問題は難しいですよね



でもってヴェーオルとセラの関係で浮上したのはセラが付ける「結婚首輪」問題です
指はすぐ無くなるからダメらしいんですが・・生々しくて納得(笑)
もうセラも嫁になる気満々ですけど、まだギリギリの所で踏ん張ってます!

4巻を読む!

今回は最初の東征で壊れたセラの兜の作り直しを依頼した鉱人の里へお出かけです



ここまでも東方の異文化に度肝を抜かれ続けたセラとマルシアスですが、今回はひたすら驚き続ける事になります

まずは移動手段にビックリ!
ヴェーオルのように「二つ名」を冠した戦士は祖先の憧憬を具現化した精霊「竜の写し身」を召喚できます
要するに竜の形をした乗り物です
戦闘力はないですが大人数人をかなりのスピードで長距離移動できます
馬しか移動手段のなかったセラにはショックを通り越して泣きたくなる出来事でした
馬は人間の10倍食べる生き物ですが、土地が脆弱なイルドレン王国にとっては欠かせない生き物です
・・でも食べる・・悩ましい問題・・なのに・・蛮族は・・精霊の竜で長距離を楽々移動・・食糧もいらない・・・・・・・・ヌワワワアアアアァァァァァァァァ!!!
って感じです
部隊を率いる隊長でしたからね、兵糧問題の悩ましさは身に染みているんでしょう



そして到着した鉱人の里「嶺下の高炉」
地下に作られた鋼鉄の工場群・・・文化レベルが違い過ぎる!!(ドーン)
案内人となった鉱人「キマキ」の説明を受けるまでもなくその絶望的なまでの設備に開いた口が塞がらないセラとマルシアス

駄目押しとなったのは地熱を利用して湧いている天然の風呂「温泉」!!



土地が貧しいイルドレン王国では燃料は超高価なもので、風呂を沸かすなんてそう簡単に出来るものではありません
冬でも沐浴は当たり前(ビシッ!!)
なのに・・・なのに・・・大量のお湯を惜しげもなく使う温泉というものがあるなんて!!
セラにとっては装備なしでドラゴンと戦う以上の絶望感があった事でしょう(笑)



数々のショックを乗り越え(⁉)ようやく受け取った新しい兜は何と「猫耳」
これにセラの「意力」を通すとあら不思議!兜に早変わり!!
鉱人のテクノロジーハンパねぇ!!
そんな鉱人でさえまだ手が付けられない古の超技術「場違いな工芸品(ユージェフヴド)」なる遺物は今後の展開に関係するのでしょうか?



絞めは往路で絡んで来た火竜「グレンナイリ」にヴェーオルとセラが挑みかかるバトル展開!
もうイルドレン王国の事なんか忘れてないか心配です(笑)
無骨に見えてセラファーストに紳士なヴェーオルが可愛いなと思い始めたこの頃です

それに引き換え豊かな生活や食、文化を満喫するセラよ!
早く結婚して幸せになってしまえ!!

5巻を読む!

前巻最後からグレンナイリ戦に突入でしたが・・・ヴュフメーク介入で仲裁⁉
というか最初から2人は試されていたようですね~
「殺すつもりなら上空から炎を吐きつつければいいだけ」・・・正論すぎる・・・



「イルドレンが戻って来た」という謎の言葉を残してグレンナイリは去り鉱人の里への旅は終了です
東から攻めてきたはずのイルドレンに「戻る」という言葉を使ったって事は、イルドレンも元々同じ場所から派生したのでしょうか?
謎ですね・・・
ここでキマキは兜のメンテナンスを兼ねてヴェーオルの邑に引っ越します



里に戻ると新キャラ投入です
マルシアスと同じ隊所属の生き残り「トラヴァス・ド・ラディル」
瀕死の所を助けられダメ元で竜の血を飲ませたら生き永らえた人物です!(すげぇ!!)
この世界で竜の血は物凄い霊薬に当たるみたいですが、ダメ元で飲ますのもどうかと思うけど・・(笑)

ラディルはとても忠義に篤い好青年ですが、元々上下関係がないヴェーオルには「忠誠」の意味がわからずセラが「好き」と勘違い⁉
ここで一番顔を出しにくいのは言うまでもなく隊を混乱に陥れた張本人・マルシアスです
でも一部の記憶を失くししおらしくなったマルシアスを見たラディルは意外な反応・・・



この辺の話では貴族の家督や序列が下の人間がどう生きるかなど中世ヨーロッパっぽいしきたりが色々と語られます
その裏ではセラの死(認識上)によって幕を閉じた第17回次東征ですが、イルドレン国王「ウィゼルベレオ・ド・イルドレン」が早々に次の東征を行うよう指示
彼はウィスタレシアの兄で彼女が殺された(認識上)事をかなり根に持ってるようです
ヴェーオルを絡めると今後の火種になりそうですね~



後は妊娠中だったナィレアの出産イベント急遽発生でしたが、ここでもマルシアスが公暦教時代の知識を活かして活躍します
・・・なんかマルシアス中心に話が進んでますね
セラは完全にヴェーオルにベタぼれなのでいじる所が少なくなってるのも事実(笑)



森で倒したモリスベリ(竜)の依り代になったり大活躍のマルシアスもようやく腰を落ち着け、ラディルという新キャラも加えこの話・・・どこに行くんだ??

6巻を読む!

今回は女子力低めを自覚したセラの花嫁修業から始まります
まぁそれは置いといて・・・
白チビ様(モリスベリ)の霊と祭祀場兼診療所を始めたマルシアスがまたまた大活躍!
竜の生肉に当たったセラを見事治療しますが、本人はセラのリバースを浴びてちょっと恍惚気味・・・
こいつ変態にブーストかかってるな(笑)
しかも治療の触媒が自分の唾って所もマニアック!!



話しを戻してここで遂にヴェーオルの父・大族長「隻眼のウルダイン」登場です!
身体デカい!声デカい!!眼圧凄い!!!嫁の尻に敷かれてる!!??
何もかもスケール大きめの御父上から大事な話がありました



それはなぜ彼らの大地が東に比べ豊穣なのか?
その理由でした
遥か昔に存在した「事象龍・巨樫の赫雷(オークフィム)」の力が宿る「鎧」によって土地の豊かさがもたらされている事、そしてヴェーオルの契約精霊がオークフィムである事が明らかになります
話しが壮大になってきましたね

鎧のお陰で豊穣だというのはわかりましたが、大族長夫婦が質素な場所に居を構えたりウィスタレシアが「恵には代償がある」っていうのが気になりますね~
これが魔物と関係してるんでしょうか?



そして日常パートに戻ると村娘たちの沐浴サービスショット(ここ大事)を経て・・・というかこの漫画沐浴や風呂の裸シーン多いな~
今更だけど・・



でここからちょっと話がダークな展開を匂わせています

マルシアスのお陰で大ケガから回復できる人は増えたのですが、その反面「治る」「助からない」の落差が大きく助からなかった人の失意が「澱み」を発生させる原因となっているみたいなんです
善意で始めた診療所なのにどこまでもかわいそうなマルシアスですね
そのせいで発生した「澱み」が今後どんな災いをもたらすのか心配です

ラディル、キマキ、白チビ様と個性的なコミュニティになってきた所だったのに、このまま上手くまとまる展開にはならなそうですね~
次巻は波乱の予感しかしません!

7巻に続く!

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