第59回 あずま京太郎「テンカイチ 日本最強武芸者決定戦」を読む!

テンカイチ 日本最強武芸者決定戦09 バトル・アクション
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのはあずま京太郎テンカイチ 日本最強武芸者決定戦です

この作品は終末のワルキューレに代表されるゼノンの「タイマンバトル」シリーズ(別に関連はありませんが)に属するものです
当ブログでも魔女大戦を扱っていますがその他にも東京の環状線で(が?)戦ったり軍師が戦ったりするのもありますよね
時間経過と共にボルテージが下がるんじゃないかと懸念していましたが、今現在はまだ元気ですね
良い一因としては原作と漫画が分かれているのはどちらのテンションも下がりにくいのかなと思いました
実際みんな画力高いですもんね

作品概要

【作品名】
 テンカイチ 日本最強武芸者決定戦 
【作者】
あずま京太郎
原作・中丸洋介
【連載期間】
 2021〜 
【巻数】
既刊9巻
(2024.6現在)
【掲載誌】
ヤングマガジンサード

作品紹介

■ジャンル

この作品のジャンルは「バトル」とりわけ「タイマン」にフォーカスしています
かなり偏りはありますが「日本史」とかを足してもいいかも知れません(笑)

■大枠のあらすじ

基本主人公がいないので本編行きます
設定は架空の戦国時代で「織田信長(おだ のぶなが)」が天下を統一してから10年後です
老衰し余命わずかな信長は「テンカイチ」というトーナメントを開き、その優勝者に次の天下を譲ると明言します
それにより全国の武将達は自分の知る最高の武芸者を呼び寄せテンカイチに集います
かくして日本最強を決める壮大な大会が幕を開けます



というのが基本設定です

・織田信長が生きている時代

・戦国大名が代理人を立てトーナメントを戦う

・優勝者が次の天下人になる



単純ですよね
後は随時行われるバトルを楽しむだけです
と言う訳でここからは各試合を簡単に追って行きます
ネタバレ(結果)あるので注意してくださいね~

■一回戦 第一仕合

本多忠勝(徳川家代表)vs宮本武蔵(長宗我部家代表)

徳川家の忠臣でその実力が突出し過ぎているが故に敵がなく怠惰な生活を続ける「本多忠勝(ほんだ ただかつ)」でしたが「徳川家康(とくがわ いえやす)」を天下人にするべく愛槍・蜻蛉切を携え参加を決めます

対する「長宗我部元親(ちょうそがべ もとちか)」が担ぎ出したのは若き剣士「宮本武蔵(みやもと むさし)」
天下に轟く剣豪・吉岡拳法を破りし無双兵法者「新免無二斎(しんめんむにさい)」の嫡男として、三歳で剣を振るう喜びを知り十一歳にして父を越えた剣士
しかし強すぎるが故に父を超える好敵手に出会うことが無くその才能は眠りへと堕ちて行った無名の傑物

その戦いは緒戦を飾るに相応しいもので長槍を剛腕で振り回しながらも緻密な駆け引きで相手を追い詰める忠勝に対し、武蔵は無類の剣術センスを開花させ槍をいなしては忠勝の喉元を狙おうとします
忠勝が誇る進入禁止の絶対領域「金剛仁王〝金剛杵(ヴァジュラ)禁域〟」に、武蔵が神速の刃で踏み込んでいきます
まだ若く未熟な武蔵と豪傑そのものの忠勝との戦いは「テンカイチ」がどんな戦いかを知らしめてくれます



【勝者】宮本武蔵

■一回戦 第二仕合

冨田勢源(近衛家代表)vs風魔小太郎(北条家代表)

公卿「近衛前久(このえ さきひさ)」が送り出すのは盲目の老剣士「冨田勢源(とだ せいげん)」
盲目とは思えない鋭い動きと小太刀無双からなる変幻自在な技の切れで相手をなます斬りにしていく

相模国の戦国大名「北条氏政(ほうじょう うじまさ)」が擁するのは風魔忍者の頭領にして歴代最上の女帝・六代目「風魔小太郎(ふうま こたろう)」

強大な風魔手裏剣を振りかざし勢源に襲い掛かる小太郎
それを弱気な言葉とは裏腹に飄々と躱し反撃の機を窺う勢源
勢源の目の代わりとして駆使している「白夜眼」という能力は音だけではなく匂い、風の流れ、振動、熱などありとあらゆる情報を集めて発動しており並大抵の攻撃ではかすりもしません
そこで小太郎は風魔薬術の「雅大蛇ノ六番」を使用し超ドーピング状態で更なる攻勢に出ます



風魔の一手先を読み続ける勢源と、無限の持久力で攻撃の手を休めない小太郎
いつまでも続くかと思われた応酬は勢源の肉体の限界と、小太郎の血の出し過ぎによる失速で一気に決着へと傾ていきます
単純に絵面で見れば小太郎の圧勝臭いのですがどこまでも好々爺にして野心を隠さない勢源との戦いは結末をギリギリまで予想させない見事なものでした



【勝者】風魔小太郎

■一回戦 第三仕合

柳生宗矩(織田家代表)vsウィリアム・アダムス(毛利家代表)

織田の正統後継者「織田信忠(おだ のぶただ)」が擁立したのは剣術無双・柳生新陰流「柳生宗矩(やぎゅう むねのり)」

対する安芸の戦国大名「毛利輝元(もうり てるもと)」が連れて来たのは未知数の異国人「ウィリアム・アダムス」でした

過去二仕合とは打って変わり戦場は何と舟の上
足場が安定しない中で機先を制したのはアダムスの方でした
「ダークダンス(死の舞踏)」と呼ばれる独特なステップで宗矩に距離を測らせず、相手の動きを御する「バインド」で宗矩に何もさせないまま傷を増やしていく
しかし宗矩は増えていく生傷をものともせずその本性を徐々に現わしていきます・・



飄々とした宗矩の内に宿るのは剣術の研鑽を名目に人の命を弄ぶ「邪」でした
覚醒した宗矩はお返しとばかりに「柳生新陰流禁伝・無極円還(むきょくえんかん)」を繰り出します
新陰流の太刀筋「廻し打ち」「切り上げ」を延々と繰り出す剣技にアダムスはなす術なく翻弄されていきます



序盤こそ拮抗していましたがやはり柳生は優勝候補の一角と言えそうです
アダムス噛ませ乙!

【勝者】柳生宗矩

■一回戦 第四仕合

日野長光(豊臣家代表)vs上泉伊勢守信綱(柴田家代表)

信長きっての腹心「豊臣秀吉(とよとみ ひでよし)」が連れて来たのは無敵無敗の力士「日野長光(ひの ちょうこう)」

長年ぶによって信長を支えた老中「柴田勝家(しばた かついえ)」は剣聖として名高い「上泉伊勢守信綱(かみいずみ いせのかみ のぶつな)」でした



体躯で勝負が決するのなら戦うまでもない圧倒的な体格差がある2人の戦士
しかし蓋を開けてみれば長光の圧倒的攻撃力は空を切るばかりで全く信綱には当たりません
しかも剣を抜く事を「禁じ手」としていた信綱は「無刀取り」であっさり長光を地面に転がして見せます



闇雲に力を振りかざす長光に飽きた信綱は最後に彼が被る仮面を取って素顔を拝もうとしますが、これが間違いの始まりでした
かつて自分を愛さない母の為に振るい、信長の太平に尽くした真の剛腕は仮面のある「仕掛け」によって眠っていました
長年の封を解かれた本物の長光は信綱を上回る勢いで一気に攻め立てますが、リミッターを持っていたのは長光だけではありませんでした・・
信綱は一度死んで得た武術の真髄「天覚ノ門」を開きこれでもかと長光を斬る!斬る!斬る!!!
それでも固く跳ね返す筋肉と骨!!!
信綱の剣は肉体を通し長光の原動力となっていたものへと迫りますが、わずかに足りなかったのは時間・・・



もう決勝でいいやんってくらいの激戦とまさかの信綱若返りにビックリでしたね~
肉体的ポテンシャルだと完全に長光が抜けてますよね

【勝者】日野長光

■一回戦 第五仕合

服部半蔵(滝川家代表)vs佐々木小次郎(明智家代表)

織田の天下統一に貢献した宿老「滝川一益(たきがわ かずます)」が担ぎ出したのは滝川家に縁の深い人物・隠れぬ忍二代目「服部半蔵正成(はっとり はんぞう まさなり)」

対するは正史でもこの名前なしに織田は語れない織田家筆頭家老「明智十兵衛光秀(あけち じゅうべえ みつひで)」の片腕は伊藤一刀斎至高の撃威刀(ひとふり)「佐々木小次郎(ささき こじろう)」



「敵を欺く力点」が見え相手の予想だにしない行動・攻撃で常に裏をかき続ける半蔵と、相手の性能を読み取り寸分違わず計算のまま相手を仕留める「人斬り人形(マシン)」
単純な戦闘力だと圧倒的に小次郎ですね
「魔刀 物干し竿長光」は変幻自在の柔軟性とリーチで相手を切り刻み、そこに小次郎の分析力が相乗され何手裏をかいても半蔵の攻撃は当たりません
今回の戦場が瓦屋根の上と言う事で足場的にも完全に半蔵にアドバンテージがあるはずなのに奥の奥の奥の手を出しても当たらない・・・平地だったら瞬殺だったんじゃないだろうか・・・



あとキャラ的にも忍びのくせにやたらうるさく明るい半蔵はそれだけで死亡フラグが立っている気がします(笑)
でもその劣勢やダメージまでも「作られたもの」だと小次郎は予測できませんでした
少しずつ狂いだす計算に付け込む半蔵ですがそれでも地力の差が覆りません・・ぶっちゃけこのカード見て「明智&小次郎」が負けるって思った人いるんですかね~
最後は忍らしく(?)根性と気合で立ち向かいつつ・・まだ謀る⁉って感じでしたね



【勝者】服部半蔵

■一回戦 第六仕合

弥助(織田家代表)vs東郷重位(島津家代表)

家名に完全に名前負けしている織田家次男「織田信雄(おだ のぶかつ)」が送り出すのは日野長光と双璧をなす織田家最強の近衛兵にして最強の動く盾「弥助(やすけ)」

そして薩摩の雄「島津義久(しまづ よしひさ)」陣営は薩摩示現流の益荒男「東郷重位(とうごう しげかた)」



この戦いは最強の剣対最強の盾対決!
弥助は今大会2人目の外国人戦士でその体躯やバネは日本人を遥かに陵駕しつつも心優しい信雄に心酔し忠誠を誓う武士中の武士
東郷は「二の太刀なし」で有名な薩摩示現流の使い手でその極まった身体からは常人の目にも見える程の抑えきれない闘気がバチバチと爆ぜています
と言っても剣vs盾なら基本は東郷の攻撃ターンで始まるのですが、いきなりの一撃が恐ろしい破壊力で振り下ろされます
まともに受けようとしていたら即真っ二つです(チーン)
一撃を極めちょっと行っちゃってる統東郷はなんか異国人の弥助より怖いんですけど(笑)



現時点ではこの仕合の途中までとなっています
初戦から超ぶっ飛ばした戦いだったので尻すぼみにならないかと思いましたが、次から次に出て来るキャラが個性的で強く飽きさせません!
チョイ出でクレイジー発言する信長と司会・リアクション・変態全てをこなす蘭丸の進行も光ってます(笑)
気になるのは勝者全員死にかけてるって事ですかね
ファンタジー作品みたいに超回復とは行かないのが辛い所ですがここも何か考えてるんでしょうかね?

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