第45回 うめ「東京トイボックス」を読む!

東京トイボックス01 職業・ビジネス
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こんにちは
湖面をたゆたう漫画好きLuckoです

このブログではいい年した漫画好き(汗)の私が、これまでの漫画遍歴で好きだった漫画や作家さんの作品を中心にあらすじやキャラクターを簡単に紹介しつつレビューしていきます

完全に個人の独断と偏見ですのでその辺はご容赦ください

あとネタバレも含みますので注意してくださいね

今回ご紹介するのはうめ「東京トイボックスです

今回紹介するのはゲーム制作会社を舞台にした作品「東京トイボックス」です
この作品は大東京トイボックス」「東京トイボクシーズへと続いているうめ先生の代表作でもあります
2013から2014年にかけて要潤・宇野実彩子(AAA)・足立梨花などの出演でドラマ化もされました
内容は・・・個人的には好きでしたけど予算とかの関係上スタジオG3のメンバーがガッツリ省かれてたのは残念でしたね~

作品概要

【作品名】
 東京トイボックス 
【作者】
うめ
(小沢高広・妹尾朝子)
【連載期間】
 2005〜2006 
【巻数】
全2巻
【掲載誌】
モーニング

作品紹介

■ジャンル

この作品のジャンルは「ゲーム」、しかもする方ではなく作る方のお話です
なので「ビジネス」系とも言えますが専門的というよりはコアまたはマニアックと言った方が正解かも知れません(笑)

■メインキャラクター

「天川太陽(てんかわ たいよう)」
スタジオG3社長兼プランナー、元大手ゲーム制作会社「ソリダス・ワークス」の社員で看板商品「ソード・クロニクル」の制作者

「月山星乃(つきやま ほしの)」
IT総合企業「インフォセレクト」から下請けのスタジオG3に出向、仕事が出来すぎてダメ上司から疎まれてしまう、「電脳戦士モバイラー」が好き

「仙水伊鶴(せんすい いづる)」
ソリダス・ワークス役員、太陽の幼馴染で共に「ソードシリーズ」を開発するが袂を分かっている

「谷崎七海(たにざき ななみ)」
スタジオG3グラフィッカー、元ソリダスで太陽、仙水とは旧知の仲

■出向先は秋葉原⁉

舞台は東京・秋葉原にあるゲーム制作会社「スタジオG3」
パチスロムービー、ビデオ、TVのCG制作などで何とか食いつないでいる零細弱小企業です
実はこの会社、本来の専門は「ゲーム制作」なんです
でもゲームを作るにはお金がかかります
日銭を稼ぎ経営を続けていく方が優先・・としているうちに本末転倒な状態になったのではないかと推測されます・・それでも潰れそうですが・・



主人公でこの会社の社長なのがディレクター兼プランナーの「天川太陽」です
要潤には似ても似つかないボサボサ頭・髭ヅラ・汚い服と靴・なんか臭う体の男
そんな男がなぜ社長なのか?
それはジャンケンで負けたからだ!!!

しかしこの男、ただの汚い中年ではありません
かつてはゲーム制作大手の「ソリダス・ワークス」に所属し看板商品の「ソード・クロニクル」シリーズに関わっていました
いや~人間落ちる時は早いもんですね(笑)



そんなスタジオG3にIT総合企業「インフォセレクト」からある女性が出向してきます
彼女の名は「月山星乃(つきやま ほしの・28)」
インフォセレクトでメキメキと頭角を現しゆくゆくは幹部候補とも目されている女性です

なぜ彼女が買収企業の更に関連企業であるスタジオG3にやって来たのか?
有り体に言えば仕事が出来すぎてダメ上司に疎まれたからです・・かわいそうに・・
こっちも落ちる所まで落ちちゃいました(泣)

■「サムキチ」事変

まぁそんなこんなで月山の出向生活が始まる訳ですが、最初の壁はやはりカルチャーショックでした
守られない納期、キャパシティを考えず受けて氾濫する仕事たち、勝手に仕様変更する社長、淀んだ空気と汚い仕事現場などなど・・
問題だらけというか問題しかありません(笑)



唯一評価してあげたいのは太陽のゲームに賭ける情熱ですが、そんなもの月山にかかれば「犬に食わしとけ」でした(チーン)
何とか経営を立て直したい月山の元にパブリッシャー(制作会社)の「須田(すだ)」が持ち込んで来たのはスタジオG3唯一のゲーム作品「サムライ・キッチン」の海外版制作でした



ゲームが作れる喜びに浮かれる一同でしたが、出資しているのがソリダスだと分かり太陽の契約書へのペンが止まります
太陽は元ソリダスいうだけでなく当時の苦い経験からソリダスそのものを嫌っていました
もちろん大の大人が好き嫌いで仕事をしてはいけません
経営的にも会社のモチベーション的にも大きい話に月山は太陽を必死に説得します

■ラスボスは幼馴染の盟友

この騒動を仕掛けたのは太陽の幼馴染にして「ソードシリーズ」の盟友「仙水伊鶴(せんすい いづる)」
その功績からソリダスの役員に昇りつめた彼の天川へのこだわりは異質なものでした



海外版制作はソリダス主導で行われた上に、著作権を持つ須田の会社「MMG」制作完了後ソリダスに著作権を売却すると言い渡して来ます
スタジオG3は数千万の取り分の代わりに「サムキチ」の続編を作れなくなってしまいました
それを須田から聞いた月山は太陽達に思い残すことなくゲームを作ってもらおうとしますが、マスターアップ当日ちょっとした事から「S級のバグ」が見つかってしまいます
修正方法がわからず原因となる追加ルート削除で事態を収拾しようとしますが、これに月山が反対します



「追加ルートは続編に持ち越そう」
それが叶わないとわかっていたからです



事実を知ったG3メンバーは月山が金に目がくらんだとあらぬ疑惑を投げかけます
その中で彼女が失望したのは「ゲームの事」以外に心を割く天川の姿でした
「あんだはゲームのことだけ考えねば‼」
月山の言葉で目が覚めた太陽は追加ルートの実装を決め、その了承を得る為に仙水との直接対決に臨みます



やっぱり社会では金と権力と立場がモノを言いますね(笑)
そんな世知辛い世の中で大きな権力に抗いながら夢と希望を武器に戦って行く中年戦士の物語です(ウソ)
でも何はなくとも夢は失わないってテーマは中高年には響きますし、ゲームが好きだった世代にはピッタリな作品だと思います



最終的にスタジオG3はサムライ・キッチンの商標権を手放しますが、一度は本社復帰した月山がG3の社長に就任して秋葉原初のサクセスストーリーは「大東京トイボックス」へと続いていきます
ではこれにて「東京トイボックス」読了です!

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