こんにちはLuck’oです
このコーナーは現蔵書3000冊弱、延べ通読冊数6000冊以上のLuck’oが読んだ作品のあらすじ紹介とレビューをしていくブログです
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TheWorkData
【作品名】 |
腹腹先生 |
【作者】 |
高口楊 |
【連載期間】 |
2021〜2022 |
【巻数】 |
全4巻 |
【掲載誌】 |
ジャンプ+ |
Story&Review&Character
主人公の「津雲あずさ(つくも あずさ)」は超底辺校で化学を教える冴えない女性教員です
どれくらい底辺かというとヤンキー生徒が8割超はいそうなくらい底辺です(笑)
なぜそんな学校に陰キャを絵に描いたようなあずさがいるのか?
実は彼女は学生時代からある人物を目標に化学の道を志していましたが、その人とようやく一緒に研究が出来たと思ったら彼女の成果をあっさりと横取りされてしまったのです
そりゃあ落ち込むのを通り越して大学辞めますよね
で、辛うじて持っていた教員免許で食いつなぐも、暗闇しかない日々を過ごしていました
既に両親が他界しているあずさが唯一拠り所にしているのは、妹の「ルカ」でした
妹の存在が辛い毎日も乗り越えるモチベーションだった・・・のに、東京から帰省した妹は不可解な電話を最後に音信が途絶えてしまいます
あずさ終了のお知らせ・・・のままでは終われずルカが働いていた歌舞伎町の店を訪れます
ご想像の通り男性をお酒で接待するお店です
しかしそこにいたのはルカではなく彼女を追う竜王興業の極道「鎧塚(よろいづか)」でした
鎧塚だけでなく関連の事務所が総出でルカを探していると知ったあずさは、あろうことか自家製爆弾で鎧塚を脅しにかかります
・・キレたリケジョの恐ろしさよ・・
更に薬品で鎧塚の命を握ったあずさは、ルカを見つける為に汚れた手を取り合って捜索を始めます
東京大江会傘下3万人が10億円の懸賞金が懸かったルカを血眼になって探します
そんな中、わずかな手がかりを探してあずさはルカの同僚だった「弥生(やよい)」に情報提供を求めますが簡単にはいきません
ようやく大手商社「柳生商事」の太客との話を手に入れるも盗聴していた猪狩会があずさを拉致しようと竜王興業の事務所に殴り込みをかけて来ます
しかも手には大量の銃器を持って・・・
弥生には口封じの殺し屋が向けられますが何とか合流して逃げ出したあずさは、山奥の廃ホテルで待ち伏せ「TNT爆弾」を作成し反撃を試みます
しかし刃物、銃と容赦ない攻撃を繰り出して来る殺し屋を廃ホテルへ誘い込む前に、車ごと崖から転落してしまい絶体絶命のピンチに追い込まれます
更に殺し屋の口からこの事件に関わる「幹部」に繋がる情報を手に入れ、あずさと鎧塚はルカを追って函館に飛びます
あずさはようやく函館でルカと再会を果たします
そして懸賞金が懸かる原因となった話を聞き出すと、柳生商事の代表取締役副社長「牛久(うしく)」という人物の名前が出てきました
やっと事件の核心に近付きます
内容としては水商売女の中で垢抜けなかったルカは牛久に気に入られより親密な関係になります
彼の家に呼ばれた時に仕事の電話で1人取り残されたルカは、彼の事をもっと知ろうと家を散策し裏の顔とも呼べる帳簿を見つけてしまいます
一連の流れがわかった鎧塚は牛久のバックに東京大江会幹部「子神鎮馬(ねがみ しずま)」がいるとわかると、彼と跡目争いをしている幹部「徴國雄(しるし くにお)」に情報を売りルカの懸賞金を取り下げるよう交渉します
決定的な証拠が必要になった鎧塚はあずさと一緒に牛久邸に忍び込みますが、既に牛久は部下を引き連れ待ち受けていました
逃げ切れないと悟ったあずさは鎧塚に資料を持たせ自身は囚われの身となり激しい拷問に受ける事になります・・・
牛久の一件がひと段落すると同時に病気療養中の大江会会長が逝去し、跡目には徴が指名されます
主要勢力内に収まった竜王興業は安心だと思われましたが「若頭」が正体不明の薬品で殺されると状況は一変します
ルカの一件で竜王興業に借りがあるあずさは自ら望んで義理を果たそうと鎧塚に協力を申し出ます
あずさの予想では使われた薬剤は「アミトン」
主犯と思われる子神側にもそれに関わる「化学者」の存在が見え隠れしますが、その相手がかつて自分を裏切った男だとは知る由もありませんでした
あずさと鎧塚は子神や警察から逃げている牛久を拉致し情報を得ようとしますが、思いの外牛久は素直に話に応じてくれます
彼も子神に裏切られた側の人間でルカの一件も仕組まれたものだと知ると、鎧塚とはある意味同じ目的を持つ同士の関係だったのです
「子神を許さない」
その思いを託し牛久は自ら命を絶ちますが、彼が残した子神一家とフロント企業のリストからアミトンはある研究室で作られていると推測し竜王ファミリーはたった4人で襲撃をかけます
しかし想像通り(?)子神の部下「水蛇神奈子(みずち かなこ)」とかつてのあずさの上司「因幡圭一(いなば けいいち)」が待ち構えていました
龍王一家全滅の報を受けた徴は自身の徴雄会と子神一家を手打ちにする為の会合に向かいます
アセトンの情報はあれど実行手段が掴めない徴は常時緊張ムードでしたが、子神は予想外の方法で彼の抹殺計画を実行に移します
百戦錬磨の徴ですら万事休すと思った瞬間、因幡の裏切りが発覚し子神は即座に撤退を始めますが彼の車には先回りしたあずさと鎧塚が待ち構えていました
長いようで短いあずさと極道との戦いに終止符の時が訪れます
あずさと鎧塚に残されたのは決着の高揚感と罪の清算でした
来るべき長い刑期の前にあずさは栃木の実家を鎧塚に託します
鎧塚は自主直前のあずさを引き留め無理矢理その場の酒で兄弟杯を交わしますが、2人が再び会う事は叶いませんでした・・・
【締めの感想】
序盤は化学と極道の融合という触れ込みに相違ない展開でしたが、段々とヤクザ的な要素が強くなり化学が弱くなっていったのは残念でした
後半では一触即発の劇薬「アミトン」とあずさを裏切った因幡との因縁や、子神のせいで弟を失った鎧塚の私的怨恨などドロドロした要素もありましたが総じてテンポよくストーリーが展開し読み応えは十分にあったと思います
あずさも途中から完全に極道と思うような筋の通し方や切った張ったを繰り広げビクビクしていた高校教師時代から成長を見せてくれますし、鎧塚との死線を潜り抜けた者同士による友情も良かったですね
ヤクザ者に理不尽な死は付き物ですが若頭はちょっと可哀そうでした(泣)
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